医学講座
帯広市医師会_医者のつぶやき
今から13年前、
私がJA帯広厚生病院形成外科主任部長だった時です。
帯広市医師会の機関紙に投稿依頼が来ました。
その時に書いた文章が…
ネットに載っていると患者さんからお聞きしました。
帯広市医師会HPがリニューアルしてしまい、
簡単に見れなくなったので
ここに掲載します。
■ ■
社団法人_帯広市医師会ホームページ
医者のつぶやき
形成外科医のつぶやき
宣伝できないことのもどかしさ。
腋臭症(わきが)は保険診療で手術をうけられます。
私どもの帯広厚生病院をはじめ,総合病院の形成外科では,健康保険で腋臭症(わきが)の手術を行っています。
腋臭症は手術によって改善することが可能で,手術に健康保険が適用されます。
患者さんの中には,心ない美容外科を受診し,30万円以上の手術費用をローンで払ったにもかかわらず,手術後も症状が改善せずローンの支払いだけが残ったというお気の毒な方もいらっしゃいます。
腋臭症の手術に健康保険が使えること自体を御存知ない方や,健康保険で手術を受けると,醜いキズアトが残ってしまうのではないかと不安を持つ人が多いようです。
健康保険で行う手術は,皮弁法または反転剪除法という大部分の美容外科で行っているのと同じ方法です。人によってキズアトが少し残る方もいますが,それは手術方法よりも体質や手術後の経過によるところが大きいと思います。
女性週刊誌を見ると,美容外科の違法宣伝のオンパレードで,ビデオや本の説明に名を借りた手術の宣伝があふれています。良心的な美容外科の中には健康保険でわきがの手術を行っているところもありますが,多額の広告宣伝費をかけているところは自費診療で費用も30万円以上はします。
残念なことに現在の法律では,われわれがどんなに良い手術をしていてもそれを宣伝することはできません。 疾患の性質上患者さんのクチコミで情報は伝わりません。
病院によって入院を要するところ,外来通院でできるところがありますが,手術後の安静さえ保てれば,傷はきれいに治ります。わきがで悩んでいらっしゃる方を御存知でしたら,是非教えてあげてください。
少し長くなりましたが,医者のつぶやきに投稿させていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。
〔専門科〕形成外科〔年齢〕43〔勤務〕
■ ■
年齢43というところが…
若いです。
私はもう少しで56歳になります。
ず~っと前から…
同じことを言っています。
この投稿でJA帯広厚生病院の
わきが患者さんは増えませんでしたが…
10年以上経過しても引用されるところがすごいです。
■ ■
当時は、
帯広駅前(高架になる前の古い駅です)に
1階に三越帯広営業所が入った
白いビルがありました。
(今は再開発で取り壊されています)
そのビルに西武クリニックという…
帯広で唯一の美容外科がありました。
■ ■
地元の医師会でも、
誰が経営しているのか…?
どんな先生がいるのかも知りませんでした。
その美容外科へ行って
わきが手術を受けた…
30台の女性が帯広厚生病院形成外科を受診しました。
手術を受けたのに…
ちっともよくなっていない…!
■ ■
手術を担当してくださったのは…
年輩の男性の先生。
手術は片側30分もかからず…
あっという間に終わり…
切開した傷と…
ローンと…
臭いが残ったという方でした。
■ ■
札幌美容形成外科を開業してからも…
30分で治るという広告を見て…
東京まで行って…
あなたは範囲が広いから100万円と言われて…
ローンを組んで手術を受けたのに…
何も改善しなかったという人が…
何人も受診しています。
■ ■
仕事を休まずにできる。
手術後の通院は不要。
行ったその日に手術ができる。
手術後の安静は不要。
確かに魅力的な言葉です。
でも…
症状が改善しなければ…
何のための手術かわかりません。
一生に一度の手術です。
騙(だま)されないように気をつけてください。
“帯広市医師会_医者のつぶやき”へのコメント
コメントをどうぞ
私も 本間先生に教えて頂く前は、眼瞼下垂症という病名も知らなかったし、わきがや陥没乳頭で赤ちゃんにおっぱいをあげられない方の手術は保険が効く事も知りませんでした。まず、形成外科が山大にないので、形成外科という科があることも、どんな事をする科なのかも 済生病院は皮膚科を間借りして形成外科が何日かに一日あり 口唇裂の子供さんの術前と術後の写真がポスターとして貼ってあったのを見ただけでした。 43歳の本間先生も、もうじき56歳の本間先生も同じ事を言っています。
私くらいの年になるとなかなか時間がとれなくて安静にできないので、できれば就職前や入学前にお勧めします。私は冬でないとおとなしくはしてられませんが、夏、汗の匂いが気になります。 でも 本間先生に匂いを嗅いでもらうのは恥ずかしいなあ〜。 週刊誌ではすぐできるわきが日帰り、とか広告に惑わされがちです。でも保険の効くところは週刊誌広告にはなかったです。
今日、奇跡体験アンビリバボーで、苫小牧の小児脳外科医の高橋義男先生が出ておられました。裂脳症の小児患者を逆転の発想で救い、手術後、リハビリで、車椅子自操を出来るまでになられ、楽しそうにスボーツ参加されている徳永標さんの姿をテレビから拝見しました。
高橋先生は、ご家族に、退院してからの子供(患者さん)のリハビリについて、ご家族に、ここまで出来るように(読み書きなどのトレーニング)させて来て下さいと課題を出されているとか。これが出来るならこれも出来るはずと、家族に課題を出す高橋先生。脳を鍛え、残存機能を鍛えることによって出来ないと思うことが出来ることがあります(廃用の予防にもなる)。また、それが子供のADLをアップさせることだけでなくご家族の負担軽減にも繋がると思いました。
高橋先生のお話でうる覚えですが、「マイナス面だけを診ない、患者と向き合う、患者の人生を(創る?描く?) 」すみません、?マークの箇所は別の表現だったかもしれませんm(__)m。その人の人生を考えた治療を行いたいと思う先生がいることに感銘しました。「義男の空」という漫画を拝読してみたくなりました。