医学講座
大森清一先生②
私が存じている大森清一先生は、
学会で最前列中央にお座りになり…
『警察病院の大森ですが…』
と発言される先生でした。
私の恩師、
大浦武彦先生は…
大森先生の弟子です。
■ ■
私たちの世代は…
大森先生の孫の世代です。
私が札幌医大の学生だった30年前。
実習で手術を見学していた頃です、
顔を縫うのに
どう見てもキズが残りそうな縫い方を見ました。
『病気が治ってもキズが残ったら
この人の人生はどうなるのだろう?』と思って、
図書館で形成外科の教科書を見つけました。
この教科書の著者が大森清一先生でした。
■ ■
医学部6年生の私は…
形成外科のことはまったく知りませんでした。
図書館で見つけた本も…
よく理解できませんでした。
本を読んだ(見た)だけでは…
形成外科医になりたいとも思いませんでした。
一つだけ理解したのは、
形成外科に行けば
傷をきれいにできる?
という程度でした。
■ ■
大森先生を知ったのは、
北大形成外科へ入局して、
大浦武彦先生が学会を開催された時が最初でした。
威厳と貫禄のある先生でした。
私たち孫の世代には…
優しい先生でした。
東京警察病院で修行を積まれた先生は、
日本中で形成外科を広められました。
大森清一先生は、
たくさんの形成外科教授を育てられました。
■ ■
今、日本形成外科学会の主なメンバーは
大森先生の孫の時代になっています。
若い先生が…
大森清一先生のお名前を知らなくても…
無理はないかも…?です。
私たちの世代は、
形成外科の教科書は
日本の大森先生と
米国のカンバースでした。
■ ■
大森清一先生のことについては…
塩谷信幸先生のブログにも掲載されています。
東大形成外科50周年
ムンテラの名手大森清一先生
再び大森先生
とても興味深い内容です。
大森先生のような先生は…
今は少なくなった気がします。
形成外科を志す若い先生は、
大森清一先生のことは覚えておいてください。
日本形成外科学会の父です。