医療問題
臓器移植_読者編②術後の笑顔に命感じた
平成22年7月28日、朝日新聞朝刊の記事です。
患者を生きる1336
臓器移植_読者編②
術後の笑顔に命感じた
2007年12月、心臓移植を受けるため渡米し、カリフォルニア州立大病院に入院した夫と私は、言葉も通じず、異なる環境に戸惑いました。
本当に移植ができるのか、お金は足りるのか。先がまったく見えず、夫が病気になってから一番強く不安を感じた時期でした。
ボランティアの入が交代で通訳してくれ、買い物を手伝ってくれました。「病院を信頼することが必要だ」と言われ、本当にそうだと思いました。英語ができないことを気にしなくてもいい、移植が終わったら、一緒に英語を勉強しましょう、と言われ、頑張っていこうと思いました。
渡航は自分かちで決めたことだから、口にしまいと思っていましたが、米国の患者のための臓器移植システムを夫が利用する心苦しさがありました。日本で待機している人たちへのうしろめたい気持ちもありました。
思い切ってそのことを打ち明けると、その人は、「神様が用意してくださっているから、当然受けるものとして、新しい心臓を受け取ってほしい」と言いました。
「移植を受けていい」。その言葉で、ガチガチだった肩の力が抜けていく気がしました。
08年が明けてまもなく、提供者(ドナー)が現れました。次々に医師や看護師がやって来て説明を受け、書類にサインをしました。
手術室に入る前、「2入でこれからも頑張ろう」と私が声をかけると、「3人だ。ドナーも合わせて」と夫は答えました。
12時間の手術が終わり、夫の顔色の良さ、以前のように温かい手に涙がこぼれました。
それから毎日病院に通い、夫の生き生きとした笑顔を見て、これが命だと感じました。
3ヵ月目の検査も拒絶反応がなく、帰国の許可が出ました。お世話になった大勢の人たちがお祝いとお別れの会をしてくれました。
いま、夫は免疫抑制剤を毎日決まった時間に飲み、感染に気をつけ、新しい心臓に助けられて、元気に仕事もしています。
私たち外国人を受け入れてくれた米国は、とても寛容な国だと感謝しています。
日本には医療の技術も設備も保険制度もあるのに、移植が普及しないのが残念です。救える命を救える国になってほしい。そのためにできることをしたい。それが米国で移植を受けた夫と私の使命だと思っています。
(さいたま市_佐藤いずみ_35歳)
■ ■
私は朝日新聞の
患者を生きるシリーズを愛読しています。
2009年11月30日には、
アメーバ角膜炎
をご紹介しました。
この前日の記事には、
渡米して移植手術を受けるために、
親が土地を売ってくれ、
死亡保険金が高度障害を理由に給付され
高額の費用を捻出したことが書かれてました。
■ ■
ドナーさえ確保できれば、
こちらの佐藤さんは
日本国内で移植手術を受けられました。
佐藤さんの奥様は保健師さんです。
その奥様ですら、
米国で移植を受けるのに、
言葉も通じず、
異なる環境に戸惑いました
と書かれていました。
■ ■
何度も書いているように…
私はドナーカードを持っています。
かなりくたびれているので…
使い物にならないかも知れませんが…
脳死になったり…
臓器提供ができる状態であれば…
私は喜んで臓器を提供します。
下の写真はasahi.com
から引用しました。
日本でも臓器提供が普及し、
移植医療が進歩することを祈っています。