医学講座
尖圭コンジローマの治療法
尖圭(せんけい)コンジローマとは…
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって起こる、
性感染症です。
男性は亀頭周囲、
女性は小陰唇や腟内に、
ぷつぷつしたいぼができます。
性的な接触によって感染します。
■ ■
ヒト乳頭腫ウイルスには、
何種類かあります。
低リスク型といわれる…
HPV6型や11型による感染が大部分ですが、
中には…
高リスク型のHPV16型、18型、31型、33型もあります。
この高リスクウイルスが、
子宮頚癌の原因となります。
■ ■
最近話題になっている、
子宮頚癌ワクチンは、
2価ワクチンといって、
HPV16型と18型に対するワクチンです。
この他に、
現在、承認申請中の、
HPV6型、11型、16型、18型に効く、
4価ワクチンというのもあります。
■ ■
オーストラリアでは、
4価ワクチンの接種で、
尖圭コンジローマが減りました。
ワクチンは予防するものです。
すでにいぼいぼができている人には、
いぼいぼの治療が必要です。
癌にならなくても、
他人にうつしてしまいます。
■ ■
従来の治療は、
男性も女性も、
局所麻酔をして、
いぼいぼを電気で焼くものでした。
私も…
前任の中央クリニック札幌院で、
男性の治療をしていました。
■ ■
彼女からうつされたという、
大変お気の毒な男性もいらっしゃいました。
この電気で焼く治療は、
残念なことに再発がみられます。
男性も女性も同じです。
再発したのを知らずに…
パートナーにうつすこともあります。
■ ■
ベセルナクリーム5%という塗り薬が、
持田製薬から発売されています。
一般名をイミキモド5%クリームといいます。
この薬が、
尖圭コンジローマの第一選択です。
ただし、
一回塗って治るのではありません。
根気よく治療することが必要です。
■ ■
この薬を塗ると…
発赤・びらんなどの反応が出ます。
局所が赤くなります。
治療期間は長くかかりますが、
しっかり治療すると、
再発率が低くなります。
いぼが消えてからも、
3ヵ月は要注意です。
■ ■
申し訳ございませんが、
札幌美容形成外科ではこのお薬を処方していません。
男性は泌尿器科。
女性は婦人科で治療なさってください。
このクリームは、
腟壁、子宮頚部、肛門内、尿道には使えません。
自己判断で使うことはおやめください。
専門医の診察が必要です。
“尖圭コンジローマの治療法”へのコメント
コメントをどうぞ
ベセルナクリームは当院(皮膚科)でも処方しています。女性はほとんどが婦人科からの紹介状を持って受診する患者さんです。
また男性は泌尿器科から紹介されて受診する患者さんです。
帯広では尖圭コンジローマは皮膚科で治療・・・のようです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございました。大変失礼いたしました。確かに皮膚や粘膜の治療ですから、皮膚科がご専門ですね。
帯広の方は高木皮膚科診療所で診ていただいてください。
尖圭コンジローマはどんな自覚症状があるのですか? 男性はわかるとしても女性はなかなかわかりにくいのですが。