医学講座
第21回日本熱傷学会北海道地方会②
第21回日本熱傷学会北海道地方会①に
さくらんぼさんからコメントをいただきました。
孫や子供が
もし重い熱傷になったら
ここらの病院では助かるのか心配です。
さくらんぼさんのご心配はよく理解できます。
■ ■
重症熱傷は、
搬送された病院によって、
患者さんの運命が変わります。
残念なことですが、
重い熱傷を救命できる病院は、
日本でも限られています。
■ ■
第35回日本熱傷学会①
2009年6月3日の院長日記です。
今日は一般市民向けに市民公開講座もありました。
この公開講座で、
特別講演をなさった、
キャセイ産業㈱代表取締役
大島修治様のお話しが
懇親会でありました。
とても感動的なお話しでした。
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大島様は、
1996年7月会社に押し入った暴漢に、
ガソリンを頭からかけられて
火をつけられました。
全身の60%のⅢ度熱傷。
医師からは、
命の保証はできないと告げられたそうです。
5度の危篤状態と
十数回の移植手術を乗り越えて、
不屈の精神で再起されました。
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命は助かったものの…
首はやけどの傷のために動かず…
【瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)といいます】
右手は指が焼けてなくなってしまい、
ものをつかむことすらできなかったそうです。
九州から…
東京女子医大形成外科の
野﨑幹弘教授を紹介していただきました。
■ ■
今回の学会長である佐々木健司先生(平成21年9月20日ご逝去)、
女子医大東医療センターの仲沢弘明先生(現在は日本大学形成外科)、
女子医大の教授に就任された櫻井裕之先生、
素晴らしい
東京女子医大形成外科スタッフの手術で、
見事に顔貌と手の再建が成功しました。
ご自身の辛い体験を…
著書/「人生逃げたらあかん」
NHKラジオ深夜便「こころの時代」で、
お話しされ、多くの人を勇気づけていらっしゃいます。
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北海道内でしたら、
札幌医科大学高度救命救急センター、
市立札幌病院救命救急センターが、
重度熱傷治療の経験が豊富です。
札幌医大は、
一時期患者さんの受け入れができませんでした。
今は優秀な先生たちががんばっています。
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昨日のシンポジウムは、
札幌医大形成外科の四ッ柳高敏教授が企画されました。
広範囲熱傷の最近の治療戦略~救急医と形成外科医のタッグマッチ~
重症熱傷の治療は大変です。
救急医と形成外科医が、
タッグマッチを組んで、
日夜患者さんのケアーをして、
何回も手術をして、
それでも大変なのが重症熱傷の治療です。
“第21回日本熱傷学会北海道地方会②”へのコメント
コメントをどうぞ
山形では中々難しい事がわかりました。 山大でも 重粒子にばかり力を入れていないで 形成外科の充実を切に願います。 重度の熱傷が助かるように。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。形成外科だけ重症熱傷治療をしているのは東京女子医大だけです。大部分は救急医との協力です。とても大変な治療です。
生死を迷う程の熱傷の中、十数回の手術で手の再建までされたんですね。
正直驚きました。
私なら落ち込んで死を考えてしまうかもしれません。
患者さんの精神状態、周囲の方のサポート、腕のいいドクター、全て揃ったのでしょう。
諦めない心、勉強させていただきました。