二重・眼瞼下垂
眼瞼下垂症手術の麻酔
昨日の院長日記、
唇裂手術と口腔外科に、
若い先生からご質問をいただきました。
今年の4月から形成外科の後期研修を開始した3年目の医師です。いつも本間先生の院長日記を読んで勉強させていただいております。
院長日記の内容と関係ない話で申し訳ないのですが、本間先生は眼瞼下垂の手術の際、麻酔はどのくらい打たれるのでしょうか?私が現在所属している施設の上司は、片目5ccくらい打ちます。
打ちすぎではないのかなと思ったのですが、手術中に痛がられると目の開きの左右差を調節しにくくなるから多めに打っているとのことでした。
最小量の麻酔を最小範囲に打つ方が目もよく開き、術後の腫れも少ないと個人的には思うのですが、本間先生はどうお考えでしょうか。企業秘密であれば申し訳ないのですが、何かご回答いただけると嬉しいです。
■ ■
前途有望な若い先生からご質問をいただきうれしいです。
特別に企業秘密を公開いたします。
学会発表を見ていて感じることです。
出血が多いのレーザーを使うという先生のご発表で、
麻酔をしただけで、
皮下出血が広がっているケースがあります。
こりゃ腫れるわけだ!
…と妙に納得します。
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なんちゃって美容外科医でも、
まず先輩の元なんちゃって先生から、
一番最初に教わるのは、
埋没法の麻酔です。
麻酔の針を刺して、
皮下出血ができるようでは、
なんちゃってにもなれません。
♡受付主任♡から、
業務停止命令が出ます。
■ ■
ベテランの形成外科医でも、
眼瞼下垂症手術の局所麻酔で、
ぶすぶす刺す先生がいます。
ちょっと残念なことです。
上手な先生は、
麻酔が丁寧です。
もう少し言うと、
麻酔をする前から丁寧です。
なるべく患者さんを緊張させないようします。
■ ■
ふつうの病院にある、
ふつうの注射針は、
♡美容外科♡より太いです。
一番細い針でも、
27G(にじゅうななげーじ)という太さです。
豆注射の時に使う針の太さです。
少しいい病院になると、
30G(さんじゅうげーじ)という太さの針があります。
■ ■
私が昔、コラーゲン注入剤の臨床試験を担当した時に、
30G針(さんじゅうげーじしん)を、
はじめて見ました。
米国から来た針は細いなぁ~と思いました。
今はもっと細い針があります。
札幌美容形成外科では、
保険診療の手術でも、
高価な細い針を使っています。
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大きな病院では、
医療材料委員会という会議があります。
保険請求できない高価な材料は、
たとえ注射針でも買ってもらえません。
委員長や病院長から、
先生その(高価な高い)針がないと、
どうしても手術ができませんか?
…と聞かれます。
保険請求できないと買ってもらえません。
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高い針を買ってもらえない時は、
丁寧に麻酔をします、
皮下の血管をよく見て、
血管のないところに、
そっと針を刺して、
ゆっくりと麻酔液を注射します。
注射液で皮膚が少し膨らんだところを、
少しずつ丁寧に麻酔を追加します。
そうすると麻酔だけで皮下出血になることは少ないです。
■ ■
他にも局所麻酔の極意があります。
上手な先生の手術ビデオを見て、
麻酔法から勉強することをおすすめします。
ライブサージェーリーを見ると、
出血する様子も見ることができます。
下手な先生の手術と、
上手な先生の手術を比較して見て、
自分で手術をする時は、
♡上手な先生♡の真似をしてください。
勉強熱心な若い先生はきっと上手な形成外科になれます。
がんばってください。
“眼瞼下垂症手術の麻酔”へのコメント
コメントをどうぞ
嬉しいですね。若い先生もみていてくださり、コメントをくださるなんて!どんどん聞いてください。このブログは先生の若い先生へのアドバイス的な遺書だと思っています。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
収穫でお忙しいのにコメントをいただきありがとうございます。私は一人で開業しているので若い先生に教えることはまずありません。一人でも多くの若い先生にまっとうな形成外科医になって欲しいという思いです。このようにコメントをいただけるとうれしいです。きっといい先生になります。
今朝ブログを拝見してたら
お若い先生からコメントがあり
本間先生のブログは本職の先生も
やはりご覧になってるのだと思いました。
患者側だけだはなく
プロが拝読するブログなんですね。
そんなブログにコメントをさせて頂き
いささか場違いかと恥ずかしく思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
毎日コメントをいただきありがとうございます。とてもありがたく思っています。私の院長日記を読んでくださる大部分の方はふつうの方です。コメントをいただくことで内容が充実します。ありがとうございます。
ご丁寧にご説明いただきありがとうございます。
初期研修でお世話になった病院の形成外科部長がとても美しい手術をしており形成外科医を志したのですが、現在の上司の手術は新米の私から見ても少し雑だなぁと感じることがあり、同じ手術でも先生によって腕の良し悪しがあるんだなと改めて感じています。先生によって様々な考えがあり、経験の少ない私には戸惑うことも多いですが自分で考えて勉強することが大切ですね。形成外科を専攻し半年、まだ半人前とも言えない現況ですが色々な先生の手術を見て、たくさん論文を読んで研究したいと思います。お忙しい中ご返信いただき本当にありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。先生のように美しい手術を美しいと感じ、雑は手術を雑だなぁ~と感じる感性が大切だと思います。PRSなどはオンラインで動画で手術を見ることもできます。YouTubeにも手術の動画があります。いろいろな手術を見て成長なさってください。手術直後だけではなく半年とか一年の経過を見て判断することも大切です。きっと手術が上手な先生になれます。がんばってください。
たくさんのお若い先生が
本間先生の日記と繋がって
勉強なさってご活躍される事を
願い応援しています。
いつもさまざまな知識や情報を
教えてくださる本間先生は、
お医者さまにも患者さんにも
ありがたいことだと思いました。
細い針が良いこと、麻酔を丁寧にすること、
今日も勉強になりました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。形成外科専門医にもいろいろな先生がいます。初期研修でいい先生の手術を見て形成外科を志してくださったのに、後期研修の先生は期待外れだったというのは残念です。現実にはよくあることです。患者さんは先生を選べますが研修医はなかなか先生を選べません。今の研修システムは後期研修後に行先を選べるというメリットもあります。患者さんが先生を選ぶのも研修医が研修先を選ぶのも難しいです。