医学講座

非正規公務員、困窮

 今日は2021年3月22日(月)です。
 緊急事態宣言が全面解除となりました。
 さまざまな意見があります。
 私は全面解除になっても、
 ひとり一人が気をつけて、
 今まで通り感染防止策をとるのがいいと思います。
 緊急事態宣言中でも油断している人を見かけました。
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 今日の北海道新聞朝刊の記事です。
 非正規公務員、困窮なお 手当受給でも基本給減 任期に上限「安定雇用の制度を」
 「官製ワーキングプア」と呼ばれ、低収入で働く非正規公務員の待遇を改善するため、2020年度に新たな制度が導入されたが、道内の自治体では依然、年収200万円程度で働く人が多く、任期が短縮されたケースも相次ぐ。新制度で「臨時・非常勤職員」から「会計年度任用職員」と呼び名は変わったが、「任期は1年更新」のため不安定な雇用形態に変わりはなく、専門家は「抜本的な制度改正が必要」と指摘する。
 新制度により、自治体が条例を制定すれば、非正規職員にも期末手当など各種手当の支給が可能になった。総務省のまとめでは、ほぼ全ての自治体が期末手当を支給しているという。一方で、自治体によっては業務の見直しで勤務の日数や時間を短縮。これに伴い、月給が減り、年収が変わらなかったり、減ったりするケースもある。
200万円下回る
 札幌市役所で18年間働く非正規の事務職の40代女性は、期末手当が新たに約30万円支払われた。ただ、以前に比べて月給は3万円程度減って約14万円になったため、年収は約10万円減の198万円となった。
 70代の両親と弟との4人暮らし。家計は弟と自分の2人分の稼ぎで賄うものの、月給が下がり日々のやりくりはさらに厳しくなった。女性は週30時間勤務のパートタイムで「フルタイム(週38時間45分)で、安定した生活ができる程度の給料がほしい」と訴える。
 札幌市によると、勤務時間の短縮や給与表の見直しで月給の減った職員が一部いるが「期末手当の支給で多くの職員の年収は増えた」(市勤労課)という。実際、行政職の非正規職員の場合、年収は2019年度の173万~284万円から、2020年度は172万~326万円となった。確かに上限は上がったが、下限は200万円を下回ったままだ。
 基本給となる月給の減額は全国で相次ぎ、総務省によると、全自治体の23.8%に上る。道によると、道内市町村の会計年度任用職員数は、昨年4月1日時点で約3万2千人。うち女性が78%(約2万5千人)と大半を占める。
 道東の自治体で働く非正規の50代女性は「周りの非正規の女性は共働きや一人親など家計を担っている人が多く、減額が生活に及ぼす影響は大きい」と話す。
国に倣い改定
 一方、新制度は雇用期間(任期)も厳格化。任期を「1年」とし、更新は可能だが、「最長3年」を上限に定める自治体が相次ぐ。総務省が自治体への通知で、国の非正規職員は「最長3年」としていると例示。これに倣って道内でも釧路市や小樽市が改定した。
 これまで多くの自治体では、保育士など専門業務の職員は「最長5年」「上限なし」としてきた。このため職種によっては雇用期間が短くなり、雇用の不安定さが増した。
 北海学園大の川村雅則教授(労働経済学)は「本来は業務内容に合った待遇改善が必要なのに、実態は逆行している」と指摘。民間企業ではパートなど有期契約で働く人が通算5年を超えて同じ職場で働くと、無期雇用への転換を申請できる制度がある点を挙げ、「任期を1年に区切る制度自体に問題がある。公務員も民間の制度に倣い、雇用を安定させる制度改善が必要だ」と訴える。(山田一輝、久保吉史)
 <メモ>会計年度任用職員 自治体の非正規職員が増える一方、自治体によっては一般事務職員を非常勤の「特別職」で採用するなど、本来の趣旨と異なる運用実態があり、国が制度整備のため地方公務員法などを改正し、2020年度から導入した。正規職員との格差是正も目的としている。期末手当について、総務省は正規職員の支給水準(2.55カ月)と同程度にするよう求めているが、道内では苫小牧市や小樽市など正規職員より低く設定している自治体もある。

(以上、北海道新聞より引用)

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 とても他人事ひとごととは思えなかったので、
 この北海道新聞の記事を引用しました。
 私が26歳で北大病院の研修医になった時、
 はじめていただいたお給料は10万円を切っていました。
 任期は一日で日々これを更新という制度でした。
 任期は3月30日まででした。
 3月31日も働いていましたが、
 お給料はなく幽霊として勤務していました。
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 今日の北海道新聞に出ていた、
 非正規公務員さんは、
 役所に行って見てもわかりません。
 名札に非正規とは書いてません。
 市民からは、
 公務員はいいわねぇ~
 …という目で見られることもあります。
 お気の毒だと思います。
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 困るのが病気になった時です。
 正職員だと病気になってもすぐにクビにはなりません。
 昔の非正規職員は、
 病気になって任期が切れるとクビでした。
 次の職場も見つかりません。
 保険証も使えなくなります。
 私は市立札幌病院で研修医の先生が病気なった時
 ほんとうに困りました
 官製ワーキングプアは無くしてほしいです。

“非正規公務員、困窮”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    手当受給でも基本給減とは
    詐欺のような話です

    非正規と名がつくだけで
    雲泥の差ですね。

    雇用を安定させる制度改善
    お願いしたいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。市民から見ると役所で働いている人は正規公務員も非正規公務員も同じに見えます。待遇は雲泥の差です。非正規公務員でも仕事ができてとても親切な人もいます。もっと言うと、非正規雇用のお医者さんでも親切で丁寧な先生もいます。そんな非正規雇用に支えられているのが役所であり、公立病院です。何とか考えていただきたいです。

  2. さくらんぼ より:

    臨時の公務員ということですよね。公務員は補償がないなんて知りませんでした。山形ではあちこちでクラスターが発生しています。仙台と近いせいかもしれません。このタイミングで他県から来てほしくないです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。臨時というわけではなくて、公務員の定員が決まっているので非正規で雇用ということもあります。形成外科は多くの病院で新設科として整備されるので、非正規雇用で職員を増員というのがよくありました。医者も病気になるので、病気→解雇で困ったことがありました。山形でクラスターは困りました。

  3. えりー より:

    緊急事態宣言が解除になっても
    すぐに安心とはいかないと思います。
    今後も変わらず感染対策に気をつけて
    いこうと思いました。

    そして、こちらもさまざまな意見が
    あると思いますが仕事内容は変わらない、
    職員よりも仕事ができたりするのに
    安定雇用ではなく所得格差もでてくると
    仕事がない人の支援だったはずが
    違う方向に進んでいる気がしました。

    研修医の先生もそのようなご苦労が
    あると困ると思います。
    何か良い方法を考えてほしいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。医師免許を取得して初期研修を始めると、ほぼ全員が非正規雇用です。病気になった時が困ります。コロナ禍の感染症病棟で働いている研修医の中にも非正規雇用の研修医がいると思います。官製ワーキングプアはやめてほしいです。

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