医学講座

道医療大、北広島市BPへの移転決定

 今日は2023年9月28日(木)です。
 札幌は雨です。
 山形のさくらんぼさんの果樹園にも雨が降りました。
 残念ですが猛暑少雨による被害が大きく、
 山形県は米や柿にも影響が出ていて、
 大変なことになっているそうです。
 少しでも回復してくれることをお祈りしています。
      ■         ■
 2023年9月28日、北海道新聞朝刊の記事です。
 夕刊は今日を入れてあと3日です。
 昨日、北海道医療大学の北広島移転が決まりました
 たくさんの記事が道新に出ています。
 道医療大、北広島市BPへの移転決定 2028年4月に新キャンパス
 北海道医療大(石狩管内当別町)を運営する学校法人東日本学園は27日、札幌市内で開いた理事会で、北広島市のプロ野球日本ハム「北海道ボールパークFビレッジ」(BP)への移転を正式に決めた。2028年4月をめどに新キャンパスに移転する。一部に慎重論も出たことから、移転させる施設や機能の範囲は、今後の協議事項としたが、大学側は全面移転する方向。少子化が進む中、利便性が高い新キャンパス移転で志願者や入学者を確保し、大学の存続を図る考えだ。
 計画では、移転先は球場からJR北海道が早ければ2028年に整備する新駅に向かって約200~300メートル離れた敷地。広さは約1万7700平方メートルで、当別キャンパスの半分以下になる。日本ハムが北広島市から購入した土地を有償で借りる。
 当初案は、当別キャンパスに加えて札幌市北区の札幌あいの里キャンパスと北海道医療大学病院も集約する内容。理事会後の同大広報の説明によると、移転の範囲については「本年度中に決める」としたが、同大理事の一人は取材に対し、「病院も含めて全面移転する方針に変わりはない」と明かした。
 同大関係者によると、10月10日に同大と北広島市、日本ハムの3者で移転を合意する協定書を交わす。新しい校舎や病院の建設、移転などにかかる費用は約420億円で、このうち350億円を借り入れる方針。
 同大には、近年の志願者数の減少で今後、大学の経営が財政的に厳しくなる見通しがあり、数年前から札幌市内や近郊など利便性が高い移転先を探していた。
 北海道新聞が入手した同大の移転に関する文書によると、北広島に移転する利点について、①現在はJR札幌駅から大学直結の北海道医療大学駅まで約50分かかるが、移転後はBP新駅まで約20分など利便性が向上する②札幌だけでなく小樽、苫小牧、岩見沢からも1時間程度で通学が可能となり志願者増が期待できる―などとしている。
 移転方針に対し、当別町の後藤正洋町長らは26日、大学側に移転断念を求める要望書を提出していた。
 道医療大はなぜ北広島へ移転するのか 当別町はどうなる?
【当別、北広島】北海道医療大(石狩管内当別町)が27日、2028年度の北広島市へのキャンパス移転を決定した。学生の利便性を高めなければ、少子化によって激化した大学間競争を生き残れないという大学側の事情が背景にある。ただ、当別町にとっての影響は甚大で、多くの学生や職員が通う大学が5年後に消滅すれば、人口減少に拍車がかかり、経済への大きな打撃も避けられない。
費用調達が課題
 道医療大の最大の狙いは、札幌にアクセスしやすいプロ野球北海道日本ハム「北海道ボールパークFビレッジ」(BP)内に移転することで、学生確保と経営基盤の安定を図ることにある。球場を核にした地域開発を描く日本ハムとも利害が一致した形だが、400億円超に上るとされる移転費用をどう賄うかなど、待ち受ける課題も多い。
道医療大は学部新設直後の2013~2015年度に志願者が6千人台に上ったが、その後は減少傾向が続き、2023年度には4080人まで減った。大学関係者によると、このままでは入学者の減少で7年後の2030年に財務状況が悪化し、その10年後には経営が行き詰まるとの試算もある。
 同大がかねて学生募集の「障壁」とみていたのは、札幌からのアクセスだった。札幌と当別町を結ぶJR札沼線(学園都市線)は冬期間、降雪の影響で運休になりやすい。同大のある教授は「受験生へのアンケートで、医療大について『通いにくい』との指摘が多かった」と明かす。
 同大の法人運営を協議する評議員の1人は「学生にとってアクセスの問題は大きく、当別にとどまることで今後経営が改善する可能性は全くない。そう考えると、当別にとどまる選択肢はない」と断言する。
 地方大学を取り巻く環境は厳しさを増している。文部科学省によると、道内の2021年の18歳人口は約4万5千人で、大学進学者は2万1千人だった。2040年には18歳人口が37%減の2万8500人となり、進学者は26%減の1万5500人までしぼむ見通しだ。
 全国の私大620校のうち、2022年度の入学者が定員を割り込んだ大学は48%に上る。さらに2023年度には53%に達し、初めて5割を超えた。道医療大のような中小規模の地方の私大339校のうち、36%は赤字に陥っている。こうした状況を踏まえ、政府は再編を促す政策を来年度から本格展開する方針だ。
日本ハム打診
 道医療大が生き残りに向け、数年前から水面下で検討してきたキャンパス移転。めぼしい候補地や局面打開の手だてがなかなか浮かばない中、大学にとって「渡りに船」の案を示したのが日本ハムだった。関係者によると、日本ハムからBPへの移転の打診があったのは1年ほど前で「突然、降って湧いたような話だった」(同大幹部)。
 BP運営会社のファイターズスポーツ&エンターテイメント(FSE)の前沢賢事業統括本部長は今年5月、日本記者クラブでの記者会見で「われわれが(BP)エリア周辺に必要と思っているのが、学校、オフィス、病院。能動的にエリアを作り上げることが非常に重要だ」と語っていた。
 日本ハム側にとって、約3600人の学生が在籍し、系列病院もある道医療大は多くの条件を満たし、BPの集客増やイメージ向上も期待できる連携相手であったことは間違いない。
 JR北海道が早ければ2028年にBP隣接地に整備する新駅は札幌駅まで約20分で行くことが可能だ。岩見沢や苫小牧、小樽からも1時間程度で通学可能なため、大学側は「志願者の増加につながる」と期待する。プロ野球球団との連携や、人気の観光地にもなりつつある場所への立地によって、大学の知名度向上にもつながるとみている。
 ただ当別町から北広島市への移転費用は総額400億円超に上るとされ、同大は今後、資金調達という重い課題を抱えることになる。
人口減に拍車
 人口約1万5千人の当別町にとって、約3600人の学生と約800人の教職員を抱える教育機関の存在は大きく、半世紀近くにわたり大学の存在を前提に進めてきた町のまちづくりは根本的な見直しを迫られる。町は移転に伴う経済損失は20億円以上と試算し、大学に移転撤回を求めるが、これまで議論の「蚊帳の外」に置かれており、打つ手がないのが実情だ。
 町は27日、移転決定について報道機関の取材に対し「大学側から正式に申し出があるまでは答えられない」と表明するにとどめた。ただある町幹部は「役場にだけ話がないまま進み、全く寝耳に水だった」と憤りをあらわにした。
 町が大学移転の情報を知ったのは、報道機関が取材に動き始めた9月中旬になってからだった。後藤正洋町長は、同大を運営する大学法人の鈴木英二理事長に面談を数度にわたり求めたが返答はなく、22日に移転方針が報じられる直前に大学側から連絡があったという。
 町はこれまで大学に手厚い支援を講じてきた。1993年の看護福祉学部開設の際は1992年度から5年間で計5億円を支援。2017年1月には地下水を使っていた大学敷地内に水道を設置した上、2021年度までの5年間は使用料を全額免除か半額にし、計約5200万円を減免した。2018年度からは町内に住民登録した学生に、町内で使える商品券1万円分を贈っている。
 そうした経緯があるだけに衝撃は大きく、後藤正洋町長は26日に移転断念を大学側に要望した後、「町と大学は50年近い付き合い。まちづくりの柱が失われる影響は計り知れない。もう少し早く相談してほしかった」と記者団に悔しさを吐露した。
 後藤町長から北広島への移転について「民間(大学)の動きには口は出せない」と報告を受けた宮司正毅前町長は「何をやってる」と電話で声を荒らげ「(移転決定を)どう阻止するか。何か条件を提案するべきだ」と伝えたという。町は23、24の両日、幹部職員らを緊急招集して対応を協議したが、妙案は見いだせなかった。
 打撃は甚大だ。町によると2022年は同大の学生3632人のうち2割超の883人が町内在住。地元不動産業者らでつくる当別アパート組合によると、組合に加盟する業者のアパートやマンション1181戸のうち医療大生が入居するのは649戸を占める。大学側からの要望に応え、ここ数年で学生向けアパートを新築したオーナーも少なくないという。町商工会の種田統事務局長は「アパート経営は立ちゆかなくなる。学生アルバイトに頼っている飲食店も多いし経済損失は計り知れない。ショックだ」と肩を落とす。
 実際、大学撤退後の自治体には苦境が待ち受ける。2005年に私立の道都大(現・星槎道都大、北広島市)が撤退した紋別市は、学生、教職員合わせて約450人がいなくなり、学生向けのアパートや下宿の廃業が相次いだ。
 紋別市内の飲食店は大幅に減り、撤退時には外食産業やコンビニエンスストアなどの売り上げが年間21億~31億円減少すると推計。紋別商工会議所の加賀博之事務局長(56)は「紋別は学生がいなくなったことでアルバイトとしての労働力と若者の購買力の両方が失われた。若年層が地方からいなくなる影響は数字以上に大きい」と語った。
 当別町長「残念」 道医療大の北広島移転決定に
 【当別】北海道医療大学(石狩管内当別町)を運営する学校法人東日本学園が27日夜の理事会で、同大の北広島市への移転を正式に決めたことについて、後藤正洋当別町長は28日、報道陣の取材に「残念。町として今後どう対応するか、町内の各団体とも協力して早急に検討したい」と話した。
 後藤町長は北広島市のプロ野球北海道日本ハム「北海道ボールパークFビレッジ」(BP)への同大の移転方針が報道されるまで大学側から町への相談や説明などがなかった点について「いろんな感情があるが、冷静に対応したい」と語った。
 後藤町長らは移転方針が明らかになった後の26日に、大学側に移転の断念を求める要望書を提出していた。(和賀豊)
 道医療大移転、歓迎と悲嘆 北広島のアパート「増築も」 当別の飲食店「つぶれる」
 【北広島、当別】北海道ボールパークFビレッジ(BP)の開業に続き、北海道医療大の進出も決まった北広島市では、商工関係者から「さらなる活性化を」と歓迎の声が上がった。一方、石狩管内当別町の住民からは「移転を断念して」「店がつぶれてしまう」と、今後の町の発展や飲食店などの経営を不安視する声が相次いだ。
 北広島市への大学移転は、2005年に紋別市からの移転を完了した道都大(現・星槎道都大)に続き2校目。経済関係者の期待は高まる。
 「大学移設の効果は未知数だが、経済発展に向けて関係機関と連携したい」。北広島商工会の藤山康雄会長(73)は、道医療大の進出に期待をにじませた。同市にある星槎道都大の学生数約1070人に対し、道医療大は約3600人と3倍以上で、商工関係者は大きな経済効果を見込む。
 北広島で賃貸アパート12棟を経営する藤川隆志さん(93)は「入居者の8割は道都大生。今後、学生数が増える確証を持てれば増築を考える」と話す。不動産会社社長の羽田好志(よしゆき)さん(54)は「大学が進出すれば空室のリスクも減り、北広島の投資物件の価値はさらに高まる」とみる。
 学生客の増加に期待を寄せる店も。JR北広島駅前で居酒屋を営む福田健次さん(61)は「若者は遅い時間でも飲みに来てくれる。学生向けサービスも検討したい」。同駅近くでスポーツ用品店を営む佐藤直人さん(61)は「ベッドタウンで日中の人通りは少ないが、学生が増えればにぎわうだろう」と期待を込める。
 一方、当別町では自営業者らの悲痛な声が上がる。
 不動産賃貸業山田明さん(70)は、道医療大関係者の要請を受け4年前、JR当別駅近くに学生向けの5階建てアパートを新設。「移転話は寝耳に水だ。死活問題であり、断念してもらいたい」と訴える。町内でアパートを経営する松岡宏尚さん(35)も「入居者の8割は学生。学生がいなくなれば年1400万円の損失になる」と窮状を語る。
 中華料理店店主の井原幸三さん(64)は16年前、学生客の来店を見込んで店を開業した。売り上げの半分を学生が占める月もあるだけに「移転の話を聞いてがっかりした。寂しいし、不安だ」。同大卒業生で大学内で弁当を販売する上田恵美さん(44)は「コストが上昇しても、学生のために弁当の値段は抑えてきた。先のことはまだ考えられない」とこぼした。
 今後の町の行事運営などを心配する声もある。当別町社会福祉協議会が9日開いたイベントは、運営スタッフの6割の約130人が同大の学生ボランティアだった。高齢者向けの体操教室や除雪サービスも学生が担っており、松岡良尚会長(62)は「今のやり方では続けられないものが出てくるかもしれない」と語る。
 学生の受け止めはさまざまだ。理学療法学科1年の宮村和樹さん(19)は「当別だとアルバイト先も限られる。北広島に移れば、遊ぶ場所も増えそうだなという印象」。薬学科1年の中村頼陸(らいむ)さん(18)は「部活仲間が増えて当別の生活を楽しめている。大学には新しい施設もあるのに、移転はもったいない」と話した。(佐々木遼、綱島康之)
 JR北海道医療大学駅、利用客の激減必至 北広島移転で本数見直し、駅名変更の可能性も
 北海道医療大(石狩管内当別町)が北広島市のプロ野球北海道日本ハム「北海道ボールパークFビレッジ」(BP)内に移転することで、現在のキャンパスに直結するJR札沼線(学園都市線)北海道医療大学駅は、利用客が大幅に減る見通しだ。同駅は札沼線の札幌方面からの終着駅。利用客の多くは同大の学生や教職員で、1日66本(上り34本、下り32本)の発着本数の見直しや駅名変更の可能性が指摘されている。
 同駅は1981年に東日本学園大(現在の北海道医療大)への通学のために大学前駅として開業し、1995年に今の駅名になった。2012年には札沼線桑園―北海道医療大学間が電化された。利用客が少なかった北海道医療大学―新十津川間が2020年に廃止された際、JR北海道が当別町の要望を受けて当別―北海道医療大学間を増便したほか、駅の改札口を新設。バスの待合所を設置して駐車場を拡幅するなどして、駅前にターミナルも整備した。
 JRの調査(平日)によると、駅の乗車人員は1日平均2369.4人(2015~2019年)。周辺に住宅や商店は少なく、多くを北海道医療大の学生や教職員が占めている。
 駅から空知管内月形町など周辺地域を結ぶバス路線もあり、JRが駅の廃止を検討する目安としている乗車人員1日平均3人以下となる可能性は低いとみられる。JR北海道は今後の対応について「詳しい情報がないのでコメントできない」(広報部)とするが、JR関係者は「大学の跡地が何に使われ、利用客数がどうなるかによるが、駅名の変更や運行本数の見直しなどは検討せざるを得なくなる」と話す。
 一方、JRは千歳線のBP隣接地に、早ければ2028年にも新駅を開業する予定。学生など同大関係者も新駅を利用することになり、JRは千歳線の輸送体制拡充の検討も迫られそうだ。(長谷川裕紀)


(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 道新にこんなにたくさん記事が出ていて、
 当別町のことも考えると言葉がありません。
 大学も学生減は死活問題です。
 18歳人口がこんなに減っていて、
 ほんとうに大変なことです。
 2030年に財務状況が悪化し、
 2040年には経営が行き詰まるのでは、
 移転は仕方がないと思います。
 かつて栄えた炭鉱が閉山した後の、
 美唄や夕張を考えました。

“道医療大、北広島市BPへの移転決定”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    長文で道新に掲載されてるのですね。
    北広島市はウエルカムでしょうが
    当別町の事を考えると
    心が痛みます。

    美唄や夕張……本当ですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。当別町のことを考えると言葉がありません。美唄や夕張は炭鉱の閉山で街が変わり案した。当別町には農業もあるし、自衛隊の当別分屯基地があります。自衛隊関連の施設として北海道医療大学の土地建物を活用する道はないでしょうか? 当別町はいいところです、何とか人口が減らないような政策を考えてほしいです。

  2. えりー より:

    異常気象が作物に大きな影響をうけて
    農家の方のお気持ちを考えると悲しく
    なります。
    回復をお祈りしたいと思いました。

    当別町から北広島市への移転費用が
    400億円にもなるのですね。驚きました。
    移転するしか生きる残る方法がない
    大学の事情もわかりますが、
    当別町で暮らしていく方のことを
    考えるとどういう工夫ができるのか
    気になりました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。当別町のことを考えると言葉がありません。私学経営が大変なのもよくわかります。看護学部で病院実習をする時など、卒業生に聞いたら札幌市内の病院が大部分でした。北海道医療大学の存続が一番大切なので、北広島市への移転は後世から評価されると(私は)考えています。

  3. さくらんぼ より:

    お陰様で雨は降りましたが高温、少雨などの温暖化の影響であらゆる果実に被害が出ました。うちでは今年はまともに販売した品種はありません。
    人口も減る一方なのはここも同じで、この辺りは20年後は山に戻ると思います。
    少子高齢化は進む一方です。
    加藤鮎子大臣に頑張ってもらいたいです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。少子化は困ったことです。お父様が苦労して開拓された素晴らしい果樹園が山に戻ってしまうのは考えられません。20年後に生きているかどうかわかりませんが、果樹園が存続してほしいです。加藤鮎子大臣は山形の方なんですね。がんばっていただきたいです。

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