院長の休日
死刑制度に対する考え
私が‘愛読’している、弁護士の高橋智先生の、
2008年4月16日のSammy通信に、死刑制度について記載されていました。
高橋先生や日弁連の基本的な考えは、
死刑制度は廃止すべきだと読み取れました。
先生の文中に
死刑に頼らず、
犯罪の防止に市民が参加して検討をする時期に来ているのではないだろうか?
厳罰化しても、
犯罪は減らないと言うことを
刑事裁判官の最前線にいる弁護士ほど痛感している。
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また、
再犯率を下げるかは刑事政策
(刑務所が教育プログラムを持つこと、犯罪の予防政策等)や、
家庭問題の対処にかかってきている。
とも記載されていました。
私は、平凡なごく普通の一般人です。
以前の日記にも書きましたが、
オウム真理教の教祖のような人が、
この世の中に存在する限りは、
死刑制度は必要だと私は思います。
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私が札幌医大で法医学を習った時のことです。
法医学の教授は、東京都監察医務院で経験を積まれた、
八十島信之助先生でした。
八十島先生は、慶応大学医学部のご出身。
講義は明快で、とても楽しく勉強になりました。
私は法医学が好きでした。
講義中に、八十島先生が言われた言葉を覚えています。
‘医学は人間の生命を助ける学問です。’
‘日本には死刑制度があるため、
法医学は間違った判断をすると、人を死に至らせることがあります。’
八十島先生が、死刑制度について、
われわれ学生に、講義中に述べられた記憶はありません。
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死刑囚といえど、死刑を執行された後で、
死亡を確認するのは医師の仕事です。
これをするのが矯正医官です。
札幌刑務所では、死刑を執行するため、
札幌刑務所の矯正医官になると、
死刑囚の死亡確認という仕事があると聞いたことがあります。
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医療従事者として、死刑囚の死亡確認はつらい…と聞いたこともあります。
確かに、裁判官といえども誤審をすることも考えられます。
私は、死刑廃止運動をなさる方が叫ばれているように、
死刑を存続しても犯罪率が減らないから、
死刑を廃止すべきだという理論には賛成できません。
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死刑囚には、『死をもって罪を償う(ツグナウ)』というより、
死刑囚によって殺された犯罪被害者の家族の怨念(オンネン)があります。
『こんな殺され方をされたのだから、犯人には極刑を望みます。』
という家族や社会の恨みがあります。
犯人も『どうせ死刑だから早く死刑にしてくれ』という人もいます。
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どんな平和な国にも犯罪者はいます。
いつの時代にも、犯罪や戦争がありました。
残念ですが、どんなに優れた人が担当しても、
‘刑務所の教育プログラム’で、
死刑囚が簡単に矯正できるとは思えません。
この世に生きている限り、
必ず再犯の恐れがある罪人はいます。
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私は、自分にも人にも厳しい人間です。
悪意を持って何人も殺したような犯罪者は、
やはり死刑にすべきだと思います。
そうしないと、再犯の可能性がある人はいなくならないし、
無念の死を遂げた、
被害者も被害者の家族も一生浮かばれません。
裁判官や検察官、弁護士さんには、
誤審をしないように、しっかり調べていただき、
後悔のない裁判をすればよいと思います。
私の考えは間違っているでしょうか?