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チェリーの棺
愛犬チェリーの棺(ヒツギ)を作りました。適当な箱を探しましたが、見つからなかったので自作しました。ネットで検索するとペット用棺も見つかりました。
私は解剖学教室で仕事をさせていただいたので、人間のお棺もたくさん見ました。大学で用意してある(葬儀社から購入する)お棺の他に、檜(ヒノキ)で立派な彫刻が施してあるお棺もありました。
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私が自作したチェリーの棺は、ダンボール箱に白い布を貼って作りました。棺の底にはビニールシートとペットシーツを敷いて、もし排泄物が出ても漏れないように工夫しました。人間を入れる棺にも防水加工をしてあります。
私は平成18年11月7日に書いたようにドナーカードを持っています。医師でドナーカードを持っている人は少ないようですが、私は組織すべてを提供するに○がついています。利用できるものは全部取ってください。脳死になったら全部あげますよ。と書いてあります。
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私が死んだら、皮膚も内臓も眼球もすべて差し上げます。どうせ火葬場で灰になってしまうので、利用できる状態でしたら何でも再利用してください!こんな私でもよかったら使ってください。というのが私の考えです。
皮膚を採取された部位が一番目立つと思います。顔や手など目立つ場所からは採皮しませんが、背中、お尻、下肢などからはすべて採取します。皮膚を上手に採取するのは意外と難しく、下手な先生がするとちぎれたり穴があいたりします。私の担当になった形成外科の先生はちょっと気の毒です。『こんな下手な取り方をして!』と化けて出そうですから。北大の後輩は嫌がるかもしれません。
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私のお棺はダンボールで結構です。檜(ヒノキ)の高級なお棺は要りません。どうせ燃やすのですから紙で構いません。それより死んでからも誰かの役に立って、誰かの体の一部として‘生きて’いたいと思っています。
できれば、私の体の一部でもキレイな女性の中で‘生きて’いたいというのがひそかな願いです。家内は『そんなこと言ったって無理ょ』と冷ややかに見ています。
形成外科医はあまり人の死に直面したり、死亡診断書を書いたりしません。私は市立札幌病院救命救急センターで多くの人の死を見ました。そこで私の死生観が変わりました。
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家内がチェリーのために、お花とメロンを買ってきました。ドライアイスも買ってきました。ラベンダーの生花はまだ入手できないので、ドライフラワーをお棺に入れてあります。
今日は仕事で時間がないので、水曜日の休診日に埋葬しようと思っています。
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動物は火葬する義務がないので、自分の敷地内のラベンダーの下に埋める予定です。毎年、ラベンダーの時期にチェリーを想い出せます。
お骨にして平岸霊園の墓地に埋葬しようかとも思いましたが、チェリーが毎日散歩してオシッコをしていた家の敷地内へ埋めようと考えました。
死んで土に帰るのが自然の摂理なように思えます。
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家族の一員として飼ってきたペットの死で、いろいろなことを考えました。
チェリーの最後の面倒は、私の両親と家内の母親がみてくれました。私の両親は苦しまないでポックリ死にたいといつも言っています。たとえ親の頼みでも安楽死させると医師免許停止になるのでできません。
私自身も楽に永遠にゆっくりと眠らせて欲しいと思っています。
チェリーも最後はオムツをしていました。私もオムツはしたくないと常々思っていますが、こればっかりはわかりません。
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皆様からお悔やみのメールをいただきました。
毎日つたない日記を読んでいただき、お悔やみまでいただき、心から感謝しております。ありがとうございました。