医学講座

公立病院の自由診療

 私は長い間公立病院に勤務しました
 釧路労災病院
 市立札幌病院
 JA帯広厚生病院
 今はどうかわかりませんが、
 私が勤務した時代には公立病院で自由診療はできませんでした
 自由ではありませんでした。
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 保険外の料金は公立病院にもあります。
 診断書料金とか、
 個室の差額料金です。
 主任部長でも、
 院長でも、
 勝手に料金を決めることはできません。
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 都道府県や市町村が経営する病院は、
 議会の承認を得て、
 料金徴収条例を改正する必要がありました。
 大きな病院の院長先生は、
 議会に出て答弁をします。
 議会答弁が好きな院長は、
 私が知る限りいませんでした。
 美容整形の料金条例を決めた議会は、
 私は知りません。
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 ある病院に勤務していた時、
 若い女性が診察室にいらっしゃいました。
 私:今日はどうなさいましたか?
 患者さん:………
 私:どこか痛いですか?
 患者さん:………
 私:どこですか?
 患者さん:あのぅ……
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 消えそうな声で、
 恥ずかしそうに、
 患者さんが訴えられたのは、
 おへそでした。
 ちょっと出っ張っていました。
 よくよくお聞きすると、
 小さい時からずっとコンプレックスだったそうです。
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 幼稚園でも、
 小学校でも、
 中学校でも、
 高校でも、
 とにかく身体検査は大嫌い。
 女子に見られるのもイヤでした。
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 おへそが見える水着なんんて、
 絶対に着れませんでした
 本人には何の責任がないのに、
 ちょっとだけおへその形が違う人がいます。
 これは美容目的だから保険外です。 
 心ある形成外科の先生だったら、
 おへその相談にそんなことは言いません。
 私は自分自身がでべそでした
 その患者さんは、もちろん保険診療で手術をしました。
 とても喜んでいただいた記憶があります。
 今でも同じ気持ちで手術をしています。

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