院長の休日
ノーベル化学賞
平成22年10月7日、朝日新聞の記事です。
「アンビリーバボーだね」「50年来の夢が現実になった」。6日、ノーベル化学賞受賞の知らせを受けた日本人研究者2人は、好対照な反応を見せた。温和と評される鈴木章さん(80)、シャープな根岸英一さん(75)。2人は1960年代、米国の大学で同じ恩師に学んだ。後輩たちは快挙を喜んだ。
鈴木章さんが知らせを受けたのは札幌市近郊、北海道江別市の自宅。午後6時20分すぎだった。
「電話にワイフが出て、女性が英語で『ハロー』と言ったらしいが、私が代わったらすぐに切れた」
外国からの電話は珍しい。「なんかアンビリーバブルなことが起きたのかなあ」と思っていたころ、再び電話がかかってきた。今度は男性。ノーベル賞委員会と名乗った上で「コングラッチュレーション!(おめでとう)」。「すぐに『うれしい』とか、特になかった。とにかくびっくりしている」。妻の陽子さん(79)も「夢のよう。信じられません」と言った。
「アンビリーバボーだね」。鈴木さんは玄関前に詰めかけた報道陣にこう語り、長年研究を続けてきた札幌市の北海道大学へ。午後8時から、同大で記者会見にのぞんだ。「理科系を目指す日本の若者が減っているのが大変嘆かわしい。資源が何もない国は、人と、その人の努力で得た知識しかない。特に理科系の発展は大事だと思います」。緊張気味だが、言葉には力がこもる。「これから何歳まで生きられるか分からないが、若い人に役立つ仕事をしたい」
そんな鈴木さんも、自宅ではあまり研究の話はしなかったという。千葉市に住む長女の佐藤恵理子さん(50)は「明るくて陽気。そしてお酒が大好き。よく家のテレビで一緒にドリフターズを見た」と話す。
恵理子さんの「理」の字は、当時鈴木さんが勤務していた理学部にちなんで付けられたという。「研究内容はよく分からない。私は文系に進んだけれど、生きていることは楽しいということを教えてもらいました」
10年くらい前から「ノーベル賞を取るかもしれない」と言われながら逃してきた。「でも、くよくよする様子は全くなかった。オプチミスト(楽天家)なのだと思う。天衣無縫で、自然体。魂のきれいな人です」と恵理子さん。孫娘が小学生の時には、ベレー帽をかぶった鈴木さんが参観日でもないのに小学校を訪ね、教室の外から眺めることもあったという。
横浜市に住む次女の鈴木里香子さん(47)も「何をしている人なのか、私は中学生くらいまで知らなかった」と言う。「週末は休み、夜も9時ごろまでには帰宅していた。無欲で、これといった趣味もない。私たち娘には甘い父でした」
(以上、朝日新聞より引用)
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次は北海道新聞HPから引用しました(2010/10/06 )
「北大で研究できて幸せ」ノーベル賞受賞の鈴木氏が記者会見
ノーベル化学賞に輝いた鈴木章・北大名誉教授(80)は6日、札幌市北区の母校、北大で記者会見し、「図らずも名誉ある賞を受賞できて、非常にうれしい。受賞は多くの同僚や学生たちのおかげ。北大で研究できて幸せ」と喜びを語った。
自身が発見した化学反応「鈴木カップリング」が生活に身近な分野に応用されていることについて、鈴木名誉教授は「研究者は皆、社会に貢献できる仕事をしたいと考えているが、なかなかできないもの。この研究を始めた当初はあまり役に立つと思っていなかったので、非常にラッキーだった」と述べた。
北大での研究環境を「研究者や学生だけでなく、当時の学長も皆、親身で、不自由を感じることはなかった」と振り返り、「米国でも英国でも、良い大学は必ずしも大都市にあるとは限らない。札幌の静かな環境で研究できて良かった」と強調した。
さらに、「資源のない日本では科学の発展は非常に重要」と訴え、自身の今後について「若い人たちのために役立つ仕事をしていきたい」と語った。
(以上、北海道新聞より引用)
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鈴木先生のノーベル化学賞受賞、
ほんとうにおめでとうございます。
明るい話題がなかった北海道に、
勇気をくださいました。
北海道に生まれ育った者にとって、
ほんとうに嬉しく思います。
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私が住んでいるマンションから、
北大がよく見えます。
北大の緑が近いので、
今の住まいを気に入っています。
鈴木先生が学生時代を過ごされた、
北大理学部は、
現在は北大博物館になっています。
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私が予備校時代にお世話になった
矢野雋輔先生も北大理学部のご出身でした。
予備校時代の化学の先生は、
北大理学部大学院の
橋本先生でした。
北大は私の憧れの大学でした。
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北海道新聞社のインタビューで、
「米国でも英国でも、良い大学は必ずしも大都市にあるとは限らない。札幌の静かな環境で研究できて良かった」と強調した。
と書かれていました。
札幌は静かで美しい街です。
もうすぐ…
北大構内は紅葉がはじまります。
日本美容外科学会で京都に来ています。
今日は一日嬉しい日でした。
学会の話題は明日以降に掲載します。