院長の休日
元気をもらった
平成22年10月4日、北海道新聞朝刊、いずみへの投稿です。
元気をもらった
9月初め、朝からの激しい雨に店の客足が鈍く、大輪の水色のアサガオが、午後を過ぎても咲いている。そんな中、見覚えのある女性客が2人いらした。1人はいつも帽子を目深にかぶり、食事の時も取らない。
帰り際「これ、受け取っていただけますか」と夫にクッキーを差し出した。戸惑う夫に「大病した記事を読みました。再起して、職人の味を味わわせていただいたお礼です」と彼女は言った。そして「私、骨髄移植を受けるんです。これ、かつらなんですよ」と帽子を取り、かつらを外した。
その姿を見て絶句した。若い女性が、髪の毛の抜け落ちた姿を他人に見せる。それだけでも、ありえないことなのに、クッキーを焼き、雨の中を隣町から来てくださったなんて、涙がこぼれそうになった。彼女は病気になって食の大切さを知ったと言う。「そばは、かめばかむほど甘いんですもの。ここのお店に来るのは4回目です」と言ってほほ笑んだ。
夫の病気で長年営んだ日本料理店を閉め、今のそば店を開いた2度目の再出発から2年半が過ぎた。老いてからの挑戦はのみ込みが遅く、戸惑いの日々だった。でも、調理場の中だけで料理作りに明け暮れていた時と異なり、いろいろなお客さまと会話ができ、夫は楽しそうに接客をこなしている。この時も、骨髄移植を間近に控えた彼女から、全身にあふれんばかりの元気をいただいた。
中川厚子(64歳・自営業)=北見市
■ ■
若い女性のお客様の骨髄移植が成功することを、
心からお祈りしています。
髪の毛がなくなるのは辛いものです。
毛が抜けるのは、
化学療法(抗癌剤)のためです。
身体はだるくなり、
食欲も落ちます。
■ ■
投稿者の中川様のお店の…
お蕎麦(そば)が…
食欲が落ちた身体に…
ちょうどよかったのかも知れません。
ご飯はだめでも…
他のものなら大丈夫ということもあります。
■ ■
私は、骨髄移植を受ける患者さんの…
主治医に依頼されて、
傷の手当てをしたことがあります。
知り合いの先生の奥様は、
抗癌剤で髪が一時期少なくなりました。
洗髪をすると、
信じられない量の髪が抜けたそうです。
■ ■
その奥様は、
今はすっかりお元気になられ、
また元の髪が戻っています。
大病をして、
日本料理店→そば店になられた、
中川様のご主人も、
中川様ご本人も大変だったことと思います。
私もこの投稿で元気をいただきました。
いつか北見へ行って…
お蕎麦を食べてみたいです。
■ ■
ネットで検索したところ、
投稿者の中川様は…
こちらのお店のような気がします。
生蕎麦(きそば)なか川
■住所:北海道北見市北11条東2丁目13-3
■TEL:0157-24-8857
■営業時間:午前11時〜午後3時
■定休日:不定休
生蕎麦(きそば)なか川HPより写真を引用しました。