院長の休日

勝ち負けと違う幸せ

 平成22年10月10日、朝日新聞朝刊、ひとときへの投稿です。
 勝ち負けと違う幸せ
 7年勤めた会社を先日、やめた。出産後に復職し、家事も育児も仕事も必死にこなしてきた1年だったが、諸事情から退職を選択せざるを得なくなった。会社や大学の同期がバリバリ働く姿を見て、少し負けたような気持ちにもなった。
 さて、初めての専業主婦。2歳の娘とべったりの毎日。何をして過ごしたらいいのだろうと戸惑い、手始めに夫のワイシャツを洗うことから始めた。
 漂白剤と洗剤をドサッと洗濯機に入れるのをやめ、襟汚れはセッケンと歯ブラシでこすってから。胸ポケットのほこりも丁寧に取り除く。酷暑に負けず、掃除洗濯に毎日大汗を流した。
 急に涼しくなった朝、さて今日も襟汚れを……と見ると、それほど汚れていない。そうか、秋が来たんだ。季節の変わり目を夫のシャツで感じたら、とても幸せな気持ちになった。
 娘と毎日行く公園でも落ち葉が舞い始めた。砂場で砂のケー牛を作り、どんぐりと枯れ葉で飾った。
 今まで通り過ぎてしまっていたことを、感じることができる。勝ち負けで考えていた自分がバカらしくなった。子どもが大きくなれば、こんな時間もまた持てなくなるだろう。
 私自身も、また会社勤めに戻りたい。それまでは主婦業に必死に取り組み、今しか感じられない幸せを積み重ねていきたいと思う。
 広島市 川上麻子 主婦30歳
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 私の子どもが小さい頃に…
 高熱が続いて入院しました。
 幸いにも、
 伝染性単核球症という病気で、
 一週間の入院で元気になりました。
 当時、
 小児科の大先生から、
 子どもさんと遊んであげてください
 といわれました。
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 函館の想い出③という、
 2009年5月13日の院長日記に書きました。
 仔犬と同じで、
 子どもは小さいうちが一番可愛いのです。
 大きくなったら…
 どんなに遊ぼうと言っても…
 勝手に自分たちでどこかへ行ってしまい…
 親とは遊ばなくなります。
 そのうち、家にはいなくなります。
 自分たちもかつてそうだったことに…
 自分が親になって気付きました。
      ■         ■
 子育ては大変です。
 24時間365日、休みなし。
 有給休暇も代休もありません。
 他に代わってくれる人もいません。
 保育園に預けて仕事へ出ても…
 ちょっとでも熱が出ると…
 すぐに保育園から電話で呼び出しです。
 同僚や上司に謝って…
 保育園までお迎えに行き、
 ようやく小児科へ行っても順番待ち。
      ■         ■
 働きながら子育てをするのは、
 想像以上に大変です。
 投稿者の30歳の主婦の女性も、
 きっと仕事がよくできる方だと思います。
 仕事は…
 子どもさんが大きくなってからでも…
 またチャンスはあります。
 今は、小さな幸せを見つけて、
 二度と得られない貴重な時間を、
 大切になさってください。

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