医学講座
グリム会2010
昨夜、市立札幌病院の医師OB会、
グリム会がありました。
141年前に開院した時の、
初代院長、米国人グリム博士の名前を記念し
グリム会という名前です。
今の院長は、
私の恩師である吉田哲憲先生です。
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昨夜の参加者は16名でした。
56歳の私が最年少で、
最高齢は86歳の先生でした。
お元気で、
今でもゴルフを楽しんでいらっしゃるそうです。
私があと30年生きられる自信はありませんが、
医師として…
人生の先輩として…
素敵な先生です。
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吉田哲憲院長から、
市立札幌病院の現況についてご説明がありました。
脳死者からの臓器提供が多い病院として、
全国的にも有名になっています。
臓器提供は、
病院にとってどんなに大変か…?
あらためてよく理解できました。
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全病院的な協力体制がなければ、
決してできない仕事です。
吉田院長からは、
コーディネーターとして活躍している、
看護師さんの活躍。
麻酔科や手術部の協力。
提供者から、
もし癌細胞の疑いが見つかった時のために…
夜を徹して待期する…
病理医のことなど、
病院全体としての取り組みが紹介されました。
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私が臓器提供カードを持つきっかけとなった、
腎移植科の平野哲夫先生は、
定年退職後の今も、
腎移植外科の医師として活躍していらっしゃいます。
平野先生から、
腎移植で救われる患者さんのことが紹介されました。
脳死者からの腎移植が増えているものの、
まだ数としては近親者からの、
生体腎移植が多いことも知りました。
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腎臓内科の、
上田峻弘先生からは、
日本の透析患者さんは約29~30万人もいて、
人口の410人に一人は、
人工透析を受けていることを教えていただきました。
他の先生からも、
高齢になってからの人生の楽しみ方
病気になった時の大変さ…
など…
人生の先輩としての生き方を教えていただきました。
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市立札幌病院は、
私が勤務した病院の中で、
一番、充実して楽しかった病院です。
他科の先生とすぐに相談できて、
何でも協力できる病院でした。
20年前に勤務した病院ですが、
その時にできた他科の先生とのつながりが、
今も毎日の診療に生かされています。
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以前に書いた言葉です。
人間は成長する過程でどんな人と出会い、どんな影響を受けるかで、その人の人格や人間性が形成されます。
医師も、成長する過程で、どんな先輩や同僚と出会い、どんな経験を積むかで、医師としての技量や人格が形成されます。
私は医師としての‘青春時代’を市立札幌病院で過ごしたことにより、目に見えない貴重な財産を得ました。
研修先を選ぶ時には、給与だけではなく、こんなことも考えていただきたいです。