医学講座
骨粗鬆症の最新情報2012
週刊文春2012年2月2日号からの引用です。
著者の恵原真知子さんは、
医師以上に医学情報に詳しい方です。
今日の文章はちょっと長いですが、
40代からの女性に、
ぜひ読んでいただきたいと思い、
引用させていただきました。
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病院情報ファイル2012
医療ユーザー編
骨粗鬆症の最新情報
予防や早期治療が重要。骨や関節に痛みや違和感があれば、早く整形外科へ。
取材・構成_恵原真知子
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外見も身軽な行動も四十代にしか見えないA子さん(実は56歳)。寝たきりの母親を抱き起こそうとしたとき、大腿部に骨折したのではと思われる違和感が走ったが、母を守ることに精一杯で紛れてしまった。
が、一ヵ月経ても痛みが増すばかりで、整形外科へ。MRIなど画像検査の結果は、骨折もなくヒビもなし。股関節に水がたまって炎症が起きているとの診断で、抗炎症薬で様子をみている。年齢相応に骨量が減っていると指摘され、「膝関節なども痛みや違和感があれば、早く整形外科の受診を。治療薬はまだ必要ないので、カルシウムと一緒に魚類に多く含まれるビタミンDもしっかり摂り、ロコモ体操(転倒防止などを目的とする軽い運動)なども続けるように」と、運動や食生活に関する印刷物を渡された。
骨粗鬆症(こつそしようしよう)適齢期に達したと自覚したA子さんは、図書館通いで勉強を始め、ガイドラインなども読んでいる。そこで、女性の骨量は閉経期の数年でぐんと減るが、HRT(女性ホルモン補充療法)により予防・軽減しうることを知った。HRTは閉経間近の生理不順の頃から始めるのが理想で、閉経後五年も経って始めたのでは効果が下がる。更年期障害の対症療法だけではなく骨を守る働きもあったのに、有望な選択肢を外してしまった!
では、骨粗鬆症と確定した場合の対処は―――。骨を強くする主な治療薬は、破骨細胞の働きを抑えるビスフォスフォネート(宇宙飛行士の骨量減少の予防にも利用)やSERM(選択的エストロゲン受容体作動薬)など。重症者(右の薬で効果がない、複数の骨折があるなど)に対しては骨芽細胞の働きを促すテリパラチドの自己注射薬などの選択肢も加わった。
骨粗鬆症が原因で起こる変形性膝関節症(治療法は軽い順からヒアルロン酸注射、関節鏡手術や人工関節置換など)、大腿骨頚部骨折や背骨の圧迫骨折などは早期治療が重要で、治療効果も大きい。
世界が注目するビタミンD
そもそも骨粗鬆症の原因は?
「実は国際的に注目されているのはビタミンD(VD)不足です。VD不足は骨の多孔化を招くことがわかり、また骨粗鬆症治療薬の効果も十分発揮されない。
米国などでは摂取基準量も改定し、日本でもガイドラインが改定されたばかり。骨は内部で支柱となる海綿骨と外形を造る皮質骨からなり、欧米では骨粗鬆症の三割がVD不足で、日本でも三~五割がVD不足(魚好きのお国柄としては意外)とみられます。VDが不足すると血中の副甲状腺ホルモンが増加し、骨が多孔化するのです」
とはガイドライン改定作業の中核、産業医科大学整形外科の中村利孝教授。
VDの研究が進んだのは充足度指標となるバイオマーカー、血清25水酸化ビタミンDの測定が容易になったため。VDの骨の健康維持効果のほか免疫系、細胞の増殖や分化、加齢やがん予防などに関する有用な働きが知られるにつれ、摂取基準量については、毒性のない上限値の算定が国際的な課題になっているという。
中高年になると、ズボンやスカートの丈が長くなったと感じることがあり、測定すると身長が三センチも縮んでいたなどはよくある話だ。椎間板の弾力性減少、椎体骨の変形などの結果だが、これに対する経皮的椎体骨形成術も実施施設は少なく、膝関節も治療が遅れるほど大がかりに。予防が重要であるだけに、VDを含め情報戦で備えよう。
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若い時には感じなかった、
身体の変化は、
容貌だけではなく…
骨にも確実に出てきます。
個人差もありますが…
私は女性ホルモン補充療法を
おすすめします。
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女性ホルモン補充療法は、
究極の若返りと言われています。
お肌にも…
髪の毛にも効きます。
女性ホルモン補充療法は…
粘膜にも効きます。
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頭髪で悩む女性には、
女性ホルモン補充療法と、
ロゲインというお薬をすすめます。
私の同級生に藤井美穂先生という女医さんがいます。
札幌医大産婦人科講師→天使病院産婦人科部長を経て
現在は時計台記念病院産女性総合診療センター長です。
とてもよい先生です。
私が女性だったら、藤井先生にかかります。
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ホルモン補充療法は保険適応です。
お肌もキレイになります。
骨も強くなります。
欠点は、
生理のような出血があることです。
ぜひご検討ください。
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・魚に多く含まれる
あんきも(アンコウの肝臓)、いわし(丸干しなどの干物やたたみいわしなど)、しらす干し、干したにしん、イクラ、サケ(生もスモークサーモンなども)、さんま、ウナギ、さばなど
・きのこの含有率も高いが、きくらげ(乾物)は特に多い。干しシイタケなども
・乳製品などカルシウム含有量の多いものと一緒にとると吸収されやすい!!
(以上、週刊文春より引用)