医学講座

手術後の褥瘡(じょくそう)

 さくらんぼさんのように…
 長時間の手術時には…
 褥瘡(じょくそう)に気をつけます。
 褥瘡とは…
 床ずれのことです。
 大浦武彦先生が設立された…
 日本褥瘡学会のおかげで…
 褥瘡の研究が飛躍的に進歩しました。
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 全身麻酔による手術中は…
 患者さんの意識がないため…
 身体を動かせません。
 手術による痛みを感じないのと同様に…
 同じ部位を圧迫していても…
 痛みを感じません。
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 私たちが気をつけるのは… 
 身体の上の方から…
①後頭部
②耳(横向きの時→側臥位[そくがい]といいます)
③鼻と頬(うつ伏せの時→腹臥位[ふくがい]といいます)
④肩甲骨部
⑤背骨の真ん中(棘突起[きょくとっき]といいます)
⑥仙骨部(おしりの少し上です)
⑦大転子部(だいてんしぶ、横向きの時)
⑧膝(うつ伏せの時)
⑨外果[がいか](外くるぶし、横向きの時)
⑩かかと
 …などたくさんあります。
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 要は皮膚の下に骨が出ている部位が、
 要注意です。
 手術前には、
 身体の下に手を入れて…
 圧迫されていないか?
 クッションなどの当て方は正確か?
 …などなど入念にチェックします。
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 手術後も…
 背中から細い管で痛み止めを入れている時、
 意識が完全に戻っていない時、
 さくらんぼさんのように…
 体動(たいどう)に制限がある時…
 常に褥瘡に注意します。
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 背中から痛み止めの麻酔薬を…
 持続的にポンプで入れる方法があります。
 硬膜外麻酔(こうまくがいますい)といいます。
 手術に使った麻酔の管を…
 そのまま使うことが多いです。
 少量の麻薬を入れることもあります。
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 このような痛み止めを使っていると…
 皮膚が圧迫されても…
 痛みを感じないことがあります。
 ですから…
 回診時や、
 身体を拭く時に注意して見ます。
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 赤くなっている程度でしたら…
 大丈夫です。
 大切なのは…
 それ以上悪化させないことです。
 少し身体を動かすだけで大丈夫です。
 手術後にギプスをして…
 ギプスによる圧迫で褥瘡になることもあります。
 早期発見と予防が大切です

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