医学講座
粉瘤(ふんりゅう)の手術
粉瘤(ふんりゅう)という…
皮膚のできものがあります。
体中のどこにでもできます。
私は…
頭から…
足底まで…
ほぼ体中の粉瘤を手術しました。
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患者さんによっては…
脂肪のかたまりという人がいます。
残念ですが…
粉瘤の中は脂肪ではなく垢(あか)です。
きれいなお嬢さんにもできます。
とてもくさい…
白いおからのようなものが入っています。
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粉瘤ができる原因ははっきりしません。
足底の粉瘤は…
釘などを踏んだ後にできることがあります。
脇の粉瘤は…
よく毛を抜いている人にできることがあります。
ビキニラインにできる人もいます。
毛は抜かないでいただきたいです。
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粉瘤は手術をしなければ治りません。
外科でも…
皮膚科でも…
形成外科でもしています。
昔、外科の先生が…
『粉瘤の手術なんて5分で終わる』
…と言っていたのを聞いた覚えがあります。
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私が患者だったら…
5分で終わるところへは行きません。
粉瘤の手術にも…
いろいろな方法があります。
要は垢(あか)が詰まっている袋を…
残さず取り出せば良いのです。
これがなかなか大変です。
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私が研修医だった頃…
上の先生から教わった方法は…
粉瘤の直径に合わせて…
紡錘形に皮膚を切除して…
袋ごと摘出する方法です。
今でもこの方法が一番多いと思います。
教科書にも書かれています。
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その他の方法は…
パンチという丸く穴をあける器具で…
皮膚をくり抜く方法です。
上手な先生がすると…
このパンチの穴から…
袋ごと取り出せることがあります。
直径に合わせて切るより…
傷が小さい利点があります。
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困るのが…
若い女性の顔にできた粉瘤です。
できるだけ切開は小さくしたいです。
大きく切れば…
15分で終わる手術が…
小さく切ると…
何倍も時間がかかります。
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昔、慶應大学形成外科の先生が、
粉瘤の手術に顕微鏡を使うという論文を書かれました。
どなたが著者か忘れてしまいましたが…
粉瘤の手術を顕微鏡ですると…
小さな切開でも上手に摘出できます。
私も…
時間がある時には顕微鏡で手術をしています。
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粉瘤の手術は、
形成外科でしても…
皮膚科でしても…
外科でしても同じ料金です。
(部位と大きさによって違います)
手術用顕微鏡ですると…
はっきり言って赤字ですが…
目立つ部位にある方は…
近くの形成外科で相談なさってください。
申し訳ございません
慶應大学の先生が論文を書かれたのは20年以上前です。
現在、慶應病院で粉瘤の顕微鏡手術をしているかどうかは不明です。