医学講座
プレミアムPRP後遺障害2014
2014年4月18日の院長日記、
下眼瞼変形の原因④(注入物)に
コメントをいただきました。
フェブラストスプレーと血小板を4回に渡り品○美容外科にて勧められて注入しました。
4回目の注入が終わり1ヵ月後、右目のゴルゴ線の辺りにシコリが出来ました。通常時は分からないのですが、笑うと帯状に5㎝程、ボコっと盛り上がります。
日本医科大学形成外科に診療してもらった結果、フェブラストスプレーの影響との診断でした。
百束先生からは1年程、様子を見てほしいといわれました。でも、消えることはないだろう、との事。
笑うたびに辛いです。写真を撮るのも辛いです。
どうしても除去したいのですが方法は無いのでしょうか?
外科手術での除去は可能ですか?
口腔内から手術する方法があるとネットの書き込みを見ました。信憑性は定かではありません。
除去後、凹むとのことですが脂肪注入などで膨らますことは出来ないでしょうか?
又、放置しておくと癌になる可能性もあるのでしょうか?
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お気の毒なこととお見舞い申し上げます。
札幌美容形成外科や、
東京の久保田潤一郎クリニックには、
品○美容外科以外の有名な大手美容外科で、
定番のプレミアムPRPを受けた患者さんから、
しこりが取れないという相談があります。
■ ■
残念なことですが、
2014年8月6日現在では、
しこりを取る良い治療法はありません。
相談者の方のように、
外科手術での除去はおすすめできません。
手術後に再発するリスクも否定できず、
傷も残るからです。
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口腔内から手術する方法は、
私なら選択しません。
注入によるボコっした盛り上がりは、
皮膚に近いところにあります。
口腔内(口の中)から手術をしても、
術野は狭いし、
正確に取れません。
私なら皮膚側から切ります。
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除去後、凹むとのことですが
脂肪注入などで膨らますことは出来ないでしょうか?
これはもっとおすすめできません。
下手な先生が脂肪注入をすると、
かえって凹凸が目立つことがあります。
将来、訴訟を起こした時に、
相手方から、
脂肪注入が原因と反論されることも考えられます。
■ ■
放置しておくと癌になる可能性もあるのでしょうか?
その心配は少ないと思います。
2014年8月6日現在、
私の知る限り、
私がPubMedで検索した限り、
プレミアムPRPによる発癌はありません。
日本医科大学形成外科のような大学病院で、
定期的に診察を受けることをおすすめします。
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私が何度も院長日記に書いています。
フィブラストスプレーの注射です。
下眼瞼変形の原因④(注入物)
美容外科のPRP療法2013
フィブラストスプレーの皮下注射は、
劇的な効果が得られる場合もありますが、
難治性のしこりが残った症例が多数報告されています。
札幌美容形成外科にも相談のお電話やメールをいただきます。
残念なことですがしこりを治す、
良い治療法がありません。
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高須先生が治療された韓国の扇風機おばさんのように、
顔が大きく変形してしまった患者さんがいました。
とてもお気の毒です。
適正に使用すれば安全。
…というご意見の先生もいらっしゃいます。
確かに素晴らしい結果もあります。
…でも私は使いません。
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メーカーの科研製薬は、
明確に反対の立場です。
2014年に出された文書です。
褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「フィブラスト®スプレー250/500」の適正使用に関するお願い
科研製薬株式会社
弊社が製造販売しております褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「フィブラスト®スプレー250/500(一般名:トラフェルミン)」に関し、以下の通り適正使用の推進をお願い致します。
2001年の発売以来、弊社は、医療従事者の皆様に対し、本剤の適正使用情報等の提供に努めてまいりました。
フィブラスト®スプレーは外用剤であり、人体に注射使用した場合のデータは集積されておらず、有効性・安全性は確立されておりません。
医療従事者の皆様におかれましては、フィブラスト®スプレーのご使用にあたり、添付文書に記載された効能・効果、用法・用量を遵守頂き、適正なご使用をお願い致します。
弊社は、フィブラスト®スプレーをはじめ弊社販売の医薬品等について、今後も安全管理情報の収集並びに適正使用情報の提供に努めてまいります。
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私が危惧するのは、
製薬メーカーがしてはいけないと明記している製剤を注射して、
回復することができない副作用が生じても、
どこからも補償は受けられないということです。
大手美容外科だからといって安心はできません。
そのクリニックが倒産したら最後です。
私はフィブラストスプレーの注射は推奨しません。
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相談者の方や、
他の後遺障害に悩む患者さんへの助言です。
残念なことですが、
各地の消費者センターへ行っても解決しません。
保健所へ行ってもダメです。
私がおすすめするのは、
高橋智先生のような、
医療問題に精通した弁護士さんへの相談です。
一人で悩むより、
同じ悩みを持つ人と相談することです。