医学講座
第8回日本創傷外科学会(東京)②
第8回日本創傷外科学会の報告です。
創傷外科学会は、
きずを治す学会です。
私も形成外科医として、
たくさんのきずを治しました。
今の診療に役立っています。
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一般口演6
「新鮮創傷─動物による創傷」
【座長】安田 浩先生(産業医科大学病院形成外科)
OR-06-1 当施設における熊による外傷症例の検討
長浜赤十字病院形成外科 増田鋼治
OR-06-2 馬による外傷の特徴について
苫小牧日翔病院形成外科 川副尚史
OR-06-3 当科における馬顔面外傷の治療経験を振り返って
北海道大学医学部形成外科 藤田宗純
OR-06-4 当院でのハブ咬症対策の検討
医療法人友愛会豊見城中央病院形成外科・顎顔面外科・美容外科・美容皮膚科 根木見聡
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滋賀県の長浜赤十字病院の増田先生が熊による外傷、
北海道の、
苫小牧日翔病院と北海道大学病院の川副先生と藤田先生が、
馬による外傷、
沖縄の豊見城中央病院の根木先生がハブでした。
実に地域の特徴がよく出ています。
私は熊による外傷が印象に残りました。
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増田鋼治先生によると、
クマによる外傷は、
4年毎にピークがあるそうです。
ちょうどオリンピックの開催年と同じです。
今年は熊による事故が多く、
すでに4人が亡くなっています。
はっきりとした原因はわかりませんが、
山の木の実が不作だったことと関係があるようです。
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熊に襲われる時は、
最初の一発目に強烈なクマパンチをくらうそうです。
これで顔の骨が折れて、
まぶたや軟部組織がぐちゃぐちゃになるほど、
強烈な外傷です。
勇敢な男性が、
熊に頭突きをくらわせ、
クマパンチを避けたら顔の骨は折れなかったそうです。
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クマに死んだふりはだめです。
鉈なたなどの武器を持って行くことです。
死んだふりをしても、
かえって襲われます。
できる限り逆襲するのだそうです。
クマ外傷の専門家、
岩手医大形成外科の長尾宗朝先生から発言がありました。
熊による顔面外傷の医療コストを、
2014年7月13日に発表してくださった先生です。
クマに顔を襲われたら形成外科です。
今年はクマに気をつけてください。