医学講座
血管解剖の研究
札幌は秋の気配です。
半袖では寒くなりました。
9月中旬の天気です。
今週は明日が札幌地裁、
木曜日と金曜日が、
大阪で第25回日本形成外科基礎学術集会です。
私が尊敬する、
関西医大形成外科の楠本健司教授が学会長です。
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私が形成外科医時代に研究したのは、
血管解剖です。
血管の解剖、
どこにどんな血管が走っていて、
どこの血管とつながっているか?
わかっているようで、
よくわかっていません。
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形成外科医や美容外科医が起こす、
一番大きなトラブルは壊死です。
ヒアルロン酸を鼻に注射して、
鼻が壊死になってしまったとか、
レディエッセを注射して、
失明してしまったとか、
悲惨な医療事故がたくさんあります。
患者さんは困っています。
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なんちゃって美容外科医のおにいちゃん先生
なんちゃって美容皮膚科医のおねえちゃん先生
もう少し解剖学を勉強していてくれたら、
悲惨な結果にならなかったのに…と残念に思います。
顔面の微小血管なんて、
解剖の試験のヤマでもないし、
そんなの習ってないし、
国試にも出ないし、
…というなげきもわかります。
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でもプロとして、
高いお金をいただいて、
患者さんに施術するのですから、
ちゃんと血管解剖を勉強すべきです。
日本形成外科学会で、
顔面の血管解剖について発表されたのは、
2012年10月に福島で開催された、
第21回日本形成外科学会基礎学術集会(福島)②
でした。
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慶応義塾大学形成外科、
清水雄介先生のご発表です。
清水雄介先生は現在は琉球大学形成外科教授です。
『新鮮屍体を用いた顔面の動静脈解剖の検討』
顔の血管を詳細に調べ、
手術に役立てる研究です。
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慶応大学形成外科は、
血管解剖の研究で世界のトップレベルです。
座長の三鍋利春(みなべとしはる)先生も、
慶応大学のご出身です。
昔、北大形成外科の頃に…
三鍋先生に血管造影について教えていただきました。
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解剖学は地味な学問です。
ご遺体から学ばせていただきます。
私たちが研究室に行くのは…
診療が終わった深夜になることもあります。
深夜の解剖学実習室で、
ご遺体を前にして『研究』させていただくのは…
正直なところ医師にもつらいものがあります。
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血管解剖を勉強した先生は、
手術が上手です。
どこにどんな血管があるか、
よく知っています。
ですから手術の出血が少ないです。
手術後の腫れも少ないです。
清水雄介先生は眼瞼下垂症手術がお上手です。
沖縄で眼瞼下垂症手術を受けるのでしたら、
琉球大学形成外科の清水雄介教授をおすすめします。