二重・眼瞼下垂
顔面神経麻痺による下垂⑤
顔面神経麻痺による下垂①
顔面神経麻痺による下垂②
顔面神経麻痺による下垂③
顔面神経麻痺による下垂④
…の最後5回目です。
今日は2018年9月3日月曜日です。
札幌は寒くなりました。長袖です。
非常に強い台風21号(中心気圧935hPa)が日本に接近しています。
山形の果樹園に被害が出ないことを祈っています。
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顔面神経麻痺によるまぶたの下垂は難しいです。
顔面神経が麻痺して、
目を閉じる力が弱いからです。
ふつうの眼瞼下垂症手術のように、
まぶたの皮膚を切って、
挙筋前転きょきんぜんてんや
挙筋短縮きょきんたんしゅく
…はしません。
■ ■
目が閉じなくなると困るからです。
大部分の患者さんは、
額のシワがなくなって、
眉毛が下がって、
まぶたが下垂しています。
まぶたが下がっている原因は、
まぶたではなく、
ひたいと眉に原因があります。
■ ■
患者さんの症状をよく見て手術方法を検討します。
片側性顔面神経麻痺で、
まぶたが下がって見えにくい患者さんは、
眉の上を切って、
眉を上に上げる手術をします。
ちょっとだけ切って、
眉をちょっとだけ上げる手術だと、
すぐに下がってしまいます。
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私は、
前頭筋ぜんとうきん
…という筋肉まで切って、
前頭骨ぜんとうこつ
…の骨膜まで露出します。
眼窩上神経がんかじょうしんけい
…という神経に気をつけて、
慎重に手術をします。
解剖がわかっていない先生にはおすすめしません。
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この手術で、
下がっている眉を、
がっちりと骨膜に固定します。
それでも下がることがあります。
注意しなくてはいけないのが、
目が閉じないことです。
顔面神経麻痺の患者さんは、
下眼瞼があっかんべーになっている人もいます。
眼輪筋という筋肉が麻痺しているためです。
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目が閉じられることを確認しながら、
眉の上を切って、
皮膚と皮下組織と筋肉を切除して、
前頭骨の骨膜に眉を固定する手術をします。
どの程度引き上げるかは、
患者さんの症状をよく見ながら決めます。
こうして眉を引き上げて固定することで、
顔面神経麻痺で下がったまぶたを上げます。
顔面神経麻痺で困っている患者さんには、
顔面神経麻痺の治療をたくさんしている形成外科医をおすすめします。