二重・眼瞼下垂
顔面神経麻痺による下垂④
顔面神経麻痺による下垂①
顔面神経麻痺による下垂②
顔面神経麻痺による下垂③
…の続き4回目です。
いつの間にか9月です。
私は長袖です。
半袖では寒くなりました。
■ ■
まぶたの構造は複雑です。
神経も複雑です。
昨日の院長日記に書いたように、
目を閉じる機能は、
眼輪筋と顔面神経です。
ハント症候群の患者さんは、
顔面神経の枝が5本とも全部麻痺しています。
額にしわができなくなって、
まぶたが閉じません。
■ ■
顔面神経麻痺による下垂が難しいのは、
まぶただけではなくて、
額のシワも影響しているからです。
患者さんは見えにくいので、
麻痺していないほうの眉が大きく上がって、
ひたいに深いシワができています。
麻痺しているほうのひたいには、
しわがまったくありません。
■ ■
このひたいのしわの違いが、
まぶたが下がって見えにくい原因になっています。
ですから、
ふつうの眼瞼下垂症手術のように、
まぶたの皮膚だけ手術して、
まぶただけ上げようとしても、
顔面神経麻痺で下がった患者さんのまぶたは上がりません。
無理に上げようとすると、
涙ばかり出る目になってしまいます。
■ ■
お医者さんでも、
この顔面神経麻痺による下垂について、
まぶただけ上げればいい
…と誤解している人がいます。
医師国家試験にも、
看護師国家試験にも出ません。
経験を積んだ形成外科医でなければ、
顔面神経麻痺による下垂の手術が難しい理由です。