医学講座
アクアフィリングは生理食塩水による洗浄では除去できない
今日は2021年7月5日(月)です。
第141回日本美容外科学会学術集会(神戸)
…で勉強したことのご報告です。
眼瞼下垂症の発表が多かったのですが、
一般演題で気になった報告です。
アクアリフト豊胸は危険です
アクアフィリング摘出は大きな病院で
私が2018年から何度もご報告しているアクアフィリングです。
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今でも相談のメールをいただきます。
私自身はアクアフィリングを摘出したことはありません。
昔、豊胸に使われた、
オルガノーゲンを摘出したことはあります。
大変な手術でした。
胸を大きくしたいという夢は理解できます。
でもアクアフィリングだけは入れないでください。
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今回の日本美容外科学会で発表されたのは、
地元、神戸大学からの発表です。
アクアフィリングは生理食塩水による洗浄では除去できない~自験例よりの考察~
神戸大学大学院医学研究科形成外科学
アクアフィリングによる豊胸術を受けた方です。
MRIでは主に乳腺下に存在し、
一部は大胸筋の走行に沿って腋窩付近まで異物を認めました。
乳房下溝から切開し乳腺下のアクアフィリングを肉眼的に摘出しました。
パルス洗浄装置で十分に洗浄しましたが、
大胸筋内への異物の侵入が確認されました。
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大きく切開して外科的に摘出して、
パルス洗浄装置で洗浄しても取り切れないのが、
アクアフィリングです。
病理組織検査では、
大胸筋内への異物の侵入が確認されました。
このご発表では、
アクアフィリングにで苦しんでいる患者さんが、
生理食塩水で除去できるという間違った情報で、
不適切な除去手術を受けていることを心配していました。
アクアフィリングは簡単に除去できません。
しっかりとした病院で診断と治療を受けてください。
厚生労働省にも対応をしていただきたいです。
66歳の形成外科医としての思いです。