昔の記憶

【訃報】薄井正道先生

 今朝、北海道新聞を見て驚きました。
 北海道で切断指再接着をはじめて成功させ
 私の夕張市立鹿島中学校の同級生、
 杉本勢津子さんの指をつないでくださった、
 薄井正道先生の訃報が載っていました。
 81歳でした。
 心からご冥福をお祈りいたします。
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 1974年2月(昭和49年2月)、
 北海道大学整形外科の薄井正道先生が夕張市から救急搬送された、
 19歳の女の子の指をつなぎました。
 せっちゃん、指くっついた!という見出しで、
 きれいな女の子が笑顔で新聞に載っていました。
 中学校3年生の時に同級生で、
 私の隣の席だった杉本勢津子さんでした。
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 夕張市立鹿島中学3年A組で、
 渡辺煕(わたなべひろし)先生のクラスでした。
 同級生だった杉本勢津子さんでした。
 新聞記事を見た第一印象。
 『キレイになったなぁ!
 私が大夕張で同級生だったのは、
 15歳の時でした。
 面倒見のよい、明るい子でした。
 目がパッチリと大きかった印象があります。
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 私は一浪の末、札幌医大に合格していました。
 切断指の再接着が行われたのが1974年2月で、
 新聞に掲載されたのが1974年3月だったと記憶しています。
 19歳だった本間くんはシャイでした。
 一人ではお見舞いに行きにくいなぁ…
 親しい友人に頼んで、
 一緒に北大病院まで行ってもらいました。
 南病棟にあった整形外科まで行きました。
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 病棟の看護婦さんに、
 『あのぅ~、指の杉本さんのお見舞いに…』
 と言ったところ、
 『あっ、今、回診中だから、待ってて!』
 と言われました。
 『あっ、それじゃこれ渡してください。』と
 持って行った、お菓子を置いて、
 シャイな私は逃げるように帰ってきました。
 看護婦さんが、
 『ちょっと待っててくれればいいのに…』
 『きっと残念がるゎ…』
 と言われたのを覚えています。
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 それから6年後に自分が北大病院で働くとは、
 夢にも考えていませんでした。
 2022年に私の院長日記を読んだ杉本勢津子さんからお手紙をいただきました。
 現在は本州でしあわせに暮らしていることがわかりました。
 薄井正道先生のおかげで指がくっつきました。
 薄井先生は荻野利彦先生の先輩です。
 心からご冥福をお祈りいたします。 


1992年、マイクロサージャリー学会の運営に携わった札幌医大整形外科のスタッフ
前列中央が薄井正道先生

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