医学講座

医学部6年生にワクチンを打たせてください

 今日は2021年5月10日(月)です。
 札幌の天候は曇りです。
 ちょっと寒いです。
 今朝の北海道新聞によると、
 北海道の新型コロナウイルスの感染者が506人。
 札幌市は327人です。
 残念なことに増えています。
      ■         ■
 北海道のワクチン接種は、
 2021年2月19日に始まりました
 一部の地域では高齢者のワクチン接種がはじまりそうですが、
 札幌市はまだです。
 人口が多い地域は大変です。
 誰が、
 どこで、
 どうやって打つのか?
 困っていると思います。
      ■         ■
 私はワクチンの打ち手に、
 医学部6年生を担当させるのがいいと思います。
 医学部教員の経験がある人だったら、
 医学生に何もさせてやれない、
 今の医学教育に疑問を持っている人がいると思います。
 私が教員だった20年前から何も変わっていないです。
 採血も注射もしたことがない医学生
 医師国家試験合格後にはじめて採血とか注射をします。
      ■         ■
 2021年4月24日、共同通信の記事です
 「医学生や薬剤師も接種可能に」 吉村知事、ワクチンで国に要望
 大阪府の吉村洋文知事は4月24日、新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り「医学生や薬剤師も打てるような規制緩和を国に求める」と府庁で記者団に述べた。政府からの供給日程が不明確で、必要な医師や看護師の確保に自治体が難航していることを踏まえた発言。
 4月24日の全国知事会で、政府に要求するよう提言した。25日から緊急事態宣言が発令される大阪府では新規のコロナ感染者数が高止まりし、吉村氏は知事会後に記者団に「変異株の高い感染力に対応した制度設計が必要だ。ワクチンをより迅速に打てるプログラムを作ってほしい」と述べた。
 (以上、東京新聞WEB版より引用)

      ■         ■
 大都市圏には医学部があります。
 6年生の臨床実習でワクチン接種をさせるのは、
 将来、医師になってからも役立ちます。
 ワクチン接種はただ針を刺して注射するだけではなく、
 ワクチンを注射器に吸って準備するところからはじまります。
 微量のワクチンを注射器に正確に吸うのは、
 実は注射すること自体よりも大変です。
      ■         ■
 若い人は覚えるのが早いです。
 医学部6年生が注射するのは、
 医学生に打ってもらってもいいと同意した人だけです。
 派遣で接種会場に来た看護師さんの列が2時間待ちで、
 医学部6年生の列が5分待ちだったら、
 私なら絶対に医学生の列に並びます。
 列の長さに差がなくても、
 私は医学生に打ってもらいます
 ワクチン接種を早めるために、
 ぜひ文部科学省と厚生労働省に考えていただきたいです。

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医学講座

医療逼迫_薄れる緊張感

 今日は2021年5月9日(日)です。
 札幌の感染者数が増えています。
 酒類提供終日停止が5月12日(水)からです。
 2021年5月9日、北海道新聞朝刊の記事です。
 医療逼迫 薄れる緊張感 道内感染最多 相次ぐ要請 人出は減らず 一般救急受け入れ難の恐れ
 「助かるはずの命が失われる事態が現実になりつつある」。道内の新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多の403人となった8日、感染者の約7割が集中する札幌市の幹部は医療体制が崩壊寸前との認識を強く訴えた。コロナ重症患者の増加を受け、通常の救急体制を維持できない恐れも拡大。道は飲食店への酒類提供停止要請などの対策で歯止めをかける構えだが、市内中心部は8日も大勢の買い物客らでにぎわい、医療現場では危機感が道民と共有されていないことへのいら立ちも広がる。
 8日の札幌市新型コロナウイルス感染症対策本部会議。同市の医療職トップ、館石宗隆医務監は「国のまん延防止等重点措置の適用が決まったが、医療逼迫(ひっぱく)は緊急事態宣言並みだ」と語気を強めた。同日の市内の新規感染者は277人となり、5月に入って3回目の過去最多を更新。館石氏はコロナ患者用病床は実質満床の状態で、市外搬送や入院調整を翌日に持ち越さざるを得ないケースが増え続けていると説明し「待ったなしの状況だ」と訴えた。
 感染力の強い変異株の拡大により、重症者も増加。KKR札幌医療センター(札幌)では8日、集中治療室(ICU)の病床8床のうち、コロナ重症患者用の4床が初めてすべて埋まった。軽症・中等症患者用の20床も満床状態で、磯部宏院長は「コロナ重症患者が増えたら、ICUでの治療が必要な心筋梗塞などの一般救急患者を受け入れられなくなる」と危惧する。
保健所も瀬戸際
 感染者の急増を受け、市保健所も厳しい対応を迫られている。500人体制で感染者の行動歴を聞き取る疫学調査や自宅療養者の健康観察を行っているが、新規感染者が270人を超える状況が続けば、人員不足は必至だ。疫学調査に時間がかかると、濃厚接触者の特定が遅れ、市中感染がさらに広がる懸念もある。担当者は「緊急事態宣言が出た兵庫や大阪並みに感染者が増えたら、今の状態では対応できない」と漏らす。
飲食店から嘆き
 道は12日から市内の飲食店に酒類提供の終日停止を要請し、人と人との接触機会を徹底的に抑える方針。札幌・ススキノでバーを経営する金山和裕さんは「飲食店や酒がスケープゴート(いけにえ)にされ、真綿で首を絞められる気分だ。連休前に強い措置を打つべきだった」。
 同市中心部は8日の日中も多くの市民が行き交い、一部の飲食店などは混雑した。大通公園にいた男子大学生(20)は「緊急事態宣言が出ていた昨春は緊張感が強かったが、何度も自粛要請が繰り返され、人混みを気をつければ大丈夫だと思うようになった。外出に抵抗感はない」と話した。
 医師や看護師の大半はすでに1年以上、外出や外食を控え、コロナと戦う。市内の基幹病院の責任者は嘆く。「外出するな、飲みに行くなと言っても、誰も聞かない。それでまた感染が広がると思ったら、もう笑うしかない」(五十嵐俊介、岩内江平、佐藤圭史)

(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 困りました。
 昨日の北海道新聞朝刊の記事に、
 札幌市感染症対策本部のアドバイザーで、入院調整などに取り組んでいる札医大の上村修二講師は「自宅療養や宿泊療養中に亡くなった人はまだいないが、入院病床の調整は自転車操業状態。夜間や休日などでタイミングが悪ければ、いつ死者が出てもおかしくない」と危惧する。
 札幌医大高度救命救急センター講師の上村修二先生のコメントが出ていました。
 上村修二うえむらしゅうじ先生は救急医療のベテランです
 とても優しくて信頼できる先生です。
 日本熱傷学会でご一緒です。
      ■         ■
 上村修二先生のような立派な先生たちが、
 北海道の救急医療を支えてくださっています。
 何とか感染拡大をおさえて、
 ワクチン接種に期待したいと思います。
 上村先生のお言葉を重く受けとめました。
 感染しないようにしましょう。
 手洗い、消毒、マスクをしっかりしましょう。

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医学講座

札幌で酒類提供終日停止

 今日は2021年5月8日(土)です。
 新型コロナの感染拡大が続いています。
 札幌市の昨日の新規患者数は154人です。
 死者は4人です。
 困りました。
 札幌市では、
 5月12日(水)から、
 酒類の提供が終日できなくなります。
      ■         ■
 2021年5月8日、北海道新聞電子版の記事です。
 酒類提供、札幌で終日停止へ 12日から 道が要請方針 大型集客施設は時短
 道は7日、政府が新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を道内に9日から適用すると決めたことを受け、対象となる札幌市内の飲食店などに酒類提供を終日行わないよう求める方向で最終調整に入った。期間は12~31日とする方針で、緊急事態宣言の対象地域と同等の厳しい措置となる。床面積が延べ千平方メートルを超える大規模集客施設に対し、午後8時までの営業時間短縮も要請する方向。専門家の意見を聞いた上で、8日の対策本部会議で決定する。
 酒類提供停止要請の対象は、札幌市内の飲食店やバー、カラオケボックスなど。道は6日から営業時間を午前5時~午後8時、酒類提供を午前11時~午後7時に短縮するよう要請しているが、12日からは営業時間はそのままで、酒類は終日提供しないよう呼び掛ける。
 要請に伴う事業者への協力金は大企業が1日最大20万円、中小企業が1日3万~10万円で調整。要請に従わない場合は知事による命令が可能となり、さらに応じない場合は20万円以下の過料を科すことができる。
 大規模集客施設への要請は、市内の百貨店や遊興施設、演芸場などを想定。12日からは営業時間を午後8時までとし、酒類の提供を行わないよう協力を求める。入場者の整理誘導を徹底するため、ホームページなどで周知することも依頼する。市営地下鉄や市電の終電の繰り上げや、さっぽろ駅や大通駅での検温も12日から実施する。
 イベントは、来場者の受け入れ上限を5千人とすることを11日から要請。ロックコンサートやスポーツイベントなど大声を出すことが想定される場合は収容率を50%以内とし、営業を午後9時までとすることや酒類提供の停止、道への事前相談も求める。
 このほか、テレワークや休暇取得による出勤者の7割削減や、運動会や修学旅行など学校行事の中止・延期・縮小は9日から呼び掛ける方針だ。部活動の原則休止要請も続ける。(村田亮)
 (以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 困りました。
 酒類の提供を終日停止されたら、
 店を開けてもやっていけないと思います。
 1日3万~10万円では中小企業でも無理です。
 札幌美容形成外科でしたら、
 借金をしないとやってられません。
 早くワクチンを打って、
 米国のようになりたいです

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医学講座

米国ワクチン接種の効果

 今日は2021年5月7日(金)です。
 昨日の院長日記、
 五輪中止提言_米紙から相次ぐに、
 なっちゅんさんから、
 コメントをいただきました
 私の米国の友人とそのお友達は全員ワクチン接種しました。
 米国は進んでると思います。

 私の知り合いも米国でワクチン接種を受けました。
      ■         ■
 2021年4月22日のMSNニュースです。
 米国のワクチン接種が計2億回超え、バイデン氏の目標達成「これからは16歳以上の全員に」
【ワシントン=吉田通夫】バイデン米大統領は4月21日、ホワイトハウスで演説し、新型コロナウイルスワクチンの接種回数が同日中に計2億回を超え、掲げた目標を達成すると述べた。18歳以上の半数以上が少なくとも1回は接種した。バイデン氏は「重症化のリスクが高い高齢者らに重点を置いて接種を求めてきたが、これからは16歳以上の全員に接種を求める」と述べた。
 バイデン氏は「働く世代からは接種する時間がないといった懸念を聞いている」として、企業に接種希望者の有給休暇を認めるよう求めた。資金に余裕のない中小企業向けには、有給休暇の費用を補う新たな税控除を導入すると発表した。
 米疾病対策センター(CDC)によると、4月21日時点で接種回数は累計2億1000万回。18歳以上の51.5%が1回は接種し、33.8%は必要な接種回数を終えた。1月に1日30万人を超えた新規感染者数は、4月中旬は5万~7万人で推移している。
 バイデン政権は1月に「4月末までに計1億回のワクチン接種」との目標を掲げたが、3月に達成し2億回に上方修正した。

ワクチン接種を呼び掛けるバイデン米大統領(ツイッターより)
(以上、MSNニュース、東京新聞より引用)

      ■         ■
 日本もワクチン接種を早めると、
 経済効果も出るし、
 オリンピックもできると思います。
 自衛隊に協力してもらったり
 医学部や看護学部の教員に協力してもらって、
 何とかワクチン接種を早くするのが、
 今の日本にとって一番大切なことだと(私は)思います。

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医学講座

五輪中止提言_米紙から相次ぐ

 今日は2021年5月6日(木)です。
 今日のYahoo!ニュースです。
 五輪中止提言 米紙から相次ぐ「IOCは訴える?そんなことすれば評判はどうなるか」
 開幕まであと3カ月を切った東京五輪・パラリンピックだが、ここにきて米国メディアから中止への提言が相次いでいる。米有力紙のワシントンポスト(電子版)は5日、日本政府に対し、中止を決断し、費用の「損切り」をすべきだと主張するコラムを掲載した。
 コラムでは「日本はIOCに略奪は他でしてくれと言うべき」と題し、日本を「踏み台」とするIOCの姿勢を糾弾。バッハ会長を「ぼったくり男爵」と皮肉った。開催に否定的な日本の世論、医療体制のひっ迫などに触れ、「世界的大流行の中で国際的なメガイベントを主催することは不合理な決定だ」と、した。
 中止の場合、違約金の可能性もささやかれるが「日本が契約を破ったとして、IOCは何をする?訴える?どこの裁判所で?そんな訴訟をすれば、パンデミックの最中にストレスと苦しみのある国で大会を強制するIOCの評判はどうなるか?」と指摘し、「キャンセルは苦痛かも知れないが、浄化になる」と、まとめた。
 4日にはサンフランシスコ・クロニクルが世界各地で新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、東京五輪について「開催されるべきではない」とするスポーツコラムニストの記事を掲載。米国ではワクチン接種が進み、正常化への兆しが見えている一方で、インドや欧州の一部、南米では深刻な状況が続いているとし、東京五輪開催には「時間が足りない」と訴えた。
 4月には有力視ニューヨーク・タイムスが現状での東京五輪開催について「最悪のタイミング」とし、日本と世界にとって「一大感染イベント」になる可能性があると指摘。「五輪のあり方を再考すべき時期」と、訴えている。
 (以上、Yahoo!ニュースより引用)

      ■         ■
 昨日は五輪マラソンテスト大会が札幌で開催されました。
 私は8月にほんものの大会が開催されるといいと思っています。
 IOCのバッハ会長は、
 ドイツ人の弁護士さんだそうです。
 ぼったくり男爵とは知りませんでした。
 米国ではワクチン接種が進んでいます。
 日本でも早くワクチンを接種して、
 8月までに何とかしてほしいと(私は)願っています。

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医学講座

五輪マラソンテスト大会

 今日は2021年5月5日(水)こどもの日です。
 札幌で五輪マラソンのテスト大会が開催されました。
 北海道新聞号外です。
 五輪マラソン、札幌でテスト大会 日本代表4選手ら試走
 8月の東京五輪マラソンへ向けて運営の課題を洗い出すテスト大会「北海道・札幌マラソンフェスティバル2021」は5日、札幌市中心部の五輪コースで行われた。新型コロナウイルス感染防止対策が施されるなか、日本代表の男女4選手らが出場した。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会と道、札幌市、北海道新聞社などでつくる実行委員会の主催。
 海外4カ国の男女6選手を含む69選手が出場した「札幌チャレンジハーフマラソン」は午前9時50分に大通西4をスタートし、五輪コース中間点の北7西5・6でフィニッシュ。五輪マラソン代表の服部勇馬(トヨタ自動車)、前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、一山麻緒(ワコール)が集団のなかで本番を想定しながら試走した。
 レースは男子のヒラリー・キプコエチ(ケニア)が1時間0分46秒で、女子は一山が1時間8分28秒でそれぞれ優勝した。

五輪マラソンと同じ大通西4(札幌市中央区)をスタートする「札幌チャレンジハーフマラソン」の選手たち=5日午前9時50分(金田翔撮影)
(以上、北海道新聞電子版より引用)

      ■         ■
 無事にテスト大会ができてよかったです。
 いろいろな意見があると思いますが、
 私は無事にオリンピックが開催できることを願っています。
 TVで見るだけでも十分です。
 ワクチン接種を早く実施して、
 8月にはほんものの大会ができることを願っています。
 無事に終わってよかったです。

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医学講座

新型コロナのPCR検査2021年5月4日

 今日は2021年5月4日(火)です。
 一年前に、
 一日も早くいい治療法を見つけて、
 死なない病気にして、
 来年は笑顔でサクラを鑑賞したいです
 …と書いたのにダメでした。
      ■         ■
 COVID-19はしたたかなウイルスです。
 一年前と変わったところは、
 PCR検査が簡単に受けられるようになったことです。
 問題もあります。
 検査のやり方も、
 価格もバラバラです。
 医療機関で保険適応で、
 術前検査としてふつうにできるようにはなっていません
      ■         ■
 国際線の航空機に搭乗するには、
 PCR検査を受けなければ乗せてくれません。
 ちゃんとした証明書をもらうためには3万円以上もかかります。
 明日は札幌で五輪マラソンテスト大会が行われます。
 ワクチン接種もなかなか進みません。
 せめてPCR検査だけでも、
 もう少し医師の裁量で自由にできるといいと思います。
 もちろん無料でです。

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昔の記憶

石井清一先生の思い出

 今日は2021年5月3日(月)憲法記念日です。
 札幌は小雨です。
 石井先生のご逝去を悲しんでいるような雨です。
 私が札幌医大に採用されたのが1998年、
 クビになったのが2002年でした
 嫌なこともありましたが、
 楽しい思い出もあります。
      ■         ■
 石井清一先生と仕事ができたことは、
 私の貴重な楽しい思い出の一つです。
 整形外科の先生と手術をする機会は、
 札幌医大ではあまりありませんでした。
 私が唯一、石井先生と同じ患者さんを治療したのが、
 ロシアから来た熱傷の少年でした。
 札幌医大形成外科は、
 ロシアから来たコンスタンチンちゃんを、
 阿部清秀先生が救命して有名になりました
      ■         ■
 私が治療を担当させていただいたのは、
 ジェーニャ君という少年でした。
 私が顔の手術を担当させていただき、
 整形外科の石井清一教授が、
 手の手術をしてくださいました。
 石井先生の手術は見事でした。
 ちゃんと手が使えるようになりました。
 決して大きくはない声で、
 丁寧に説明されるのが印象的でした。
      ■         ■
 石井清一先生のすごいところは、
 俺がおれが
 …というところがまったくないところです。
 世界的に有名な教授なのに、
 穏やかでした。
 形成外科講師の私の言うことも、
 ちゃんと聞いてくださいました。
 ほんとうにエライ先生は、
 自分が偉いというそぶりをしないことを知りました。
      ■         ■
 もう20年以上も前です。
 下の写真は、
 ロシアから到着したジェーニャくんを、
 形成外科病棟の処置室で治療している私です。
 黄色のガーゼはロシアからつけてきたものです。
 石井清一先生との手術はこのジェーニャ君だけですが、
 今でもよく覚えています。
 心からご冥福をお祈りしています。 

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昔の記憶

石井清一先生を偲んで

 今日は2021年5月2日(日)です。
 札幌は桜が咲いていますが、
 とても寒いです。
 昨日の石井清一先生ご逝去
 …の続きです。
 ネットで石井先生を検索したところ、
 次の加藤博之先生の文章が見つかりました。
 石井清一先生を偲んで引用させていただきます。
      ■         ■
 師:石井清一先生について
 加藤博之
 進路を決めかねている卒後研修医や医学生から,整形外科を選んだ理由を尋ねられることが多い。その度に恩師石井清一先生を思い出す。その頃,私は北大医学部6年生で,間近に迫った卒業の直後に結婚し,東京に戻りスーパーローテーション研修する予定であった。漠然と内科医になるつもりでいた。
 ところが,かねてより仲人をお願いしていた医学部スキー部長の細菌学教授が国際学会に出席することになり,急遽同スキー部の顧問であられた石井先生に仲人をお願いすることになった。当時,石井先生は北大医学部整形外科助教授で,私達医学部スキー部員に混じってノルディック(距離)スキーを汗水たらして走りこんでおられた。石井先生は快く仲人を引き受けていただけたが,家内と一緒にお酒をご馳走になったある晩に「君は内科医にはむいていない。整形外科が性に合っている。明朝までに連絡が無ければ入局したことにする。」と突然おっしゃられた。翌日の昼に私が眼を覚ました時には私の北大整形外科入局は既に決定していた。
 石井先生は手の外科班のチーフをされていた。私は一般整形の研修終了後の卒後5年目に迷わず手の外科の専門研修を選択した。ほどなく,石井先生より論文を提出するように言われた。今から考えると当然のことであるが,数日後に戻ってきた論文には自分の文章はどこにも見当たらず,訂正の赤字で埋め尽くされていた。論文の構成自体も全く変わっていた。早速,赤字を拾って清書して持っていくと,再び真っ赤になって戻ってきた。パソコンの無い時代である。大変なことになったと家内にぼやきながら,原稿用紙の切り貼りと清書を繰り返していくうちに,稚拙な論文がみるみる生気を放ち見違えるように論理的になった。間もなく石井先生は札幌医大教授に栄転され,直接にご指導をいただいた期間は数力月足らずであった。
 卒後研修ではカリキュラムの優劣が喧伝けんでんされている。確かに手術手技の習得,薬剤の処方,検査値の読み方も大切である。しかし研修で最も肝腎なことは師と巡り合うことと思う。私は幸運であった。石井先生からは,診療に対する謙虚な姿勢はもとより,論文の推敲を通じて科学的な思考方法を教えていただいた。剣道の教えの中に「守・破・離」という心得があると聞く。師の教えを「守」り,師の教えを「破」り,師の教えを「離」れることが,道を極める成長過程を示しているとのことである。既に巡り合った頃の石井先生より年長となった私であるが,「守」の段階にとどまることなく「破」・「離」に達することが不肖の弟子の恩返しと考えている。
(信州大学医学部運動機能学講座教授)

 (以上、信州医誌より引用)

      ■         ■
 加藤博之先生は北大(医)55期、
 1979年ご卒業です。
 北大整形外科から、
 信州大学医学部整形外科教授に就任されました。
 石井先生のことがとてもよく書かれています。
 加藤先生は2019年3月に信州大学を退官されていますが、
 今もお元気でご活躍中です。
      ■         ■
 加藤先生が書かれた、
 研修で最も肝腎なことは師と巡り合うことと思う
 診療に対する謙虚な姿勢はもとより,
 論文の推敲を通じて科学的な思考方法を教えていただいた。

 これが石井清一先生教えです。
 ほんとうにすばらしい先生でした。
 心からご冥福をお祈りしています。

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昔の記憶

石井清一先生ご逝去

 今日は2021年5月1日(土)です。
 今朝の北海道新聞おくやみ広告に、
 札幌医大名誉教授の石井清一先生の訃報がありました。
 心からご冥福をお祈りいたします。
 石井清一先生は、
 荻野利彦先生の恩師です。
 北大整形外科で手の外科をはじめられた先生です。
 たくさんの優秀な手の外科医を育てられました。
 心からご冥福をお祈りいたします。
      ■         ■
 北海道新聞の広告です。
  ご 挨 拶
 夫 石井清一 儀
 四月二十六日、八十四歳をもって永眠いたしました。
 葬儀は、新型コロナウイルス感染予防および故人の遺志により近親者のみで相済ませました。
 お世話になりました方々には礼を失することになりましたがお許し頂きたく存じます。
 なお、甚だ勝于ながら、一切のお心遣いにつきましては拝辞させていただきますので重ねてご了承をお願い申しあげます。
  令和三年五月一日 札幌巾豊平区 喪主 石井紀恵子


      ■         ■
 とても残念で悲しいです。
 石井清一先生は私が札幌医大在職中にお世話になりました。
 階段男に書いたように、
 整形外科教授の石井清一先生が、
 朝、エレベーターを使わずに…
 1階から10階まで、
 歩いて上がられるのを見てチャレンジしました。
      ■         ■
 私の形成外科医局は13階にありました。
 札幌医大の最上階でした。
 最初は、5階まで上がっただけで…
 息が切れました。
 その後、8階、10階と少しずつ休まずに上がれるようになりました。
 退職する頃には、
 地下一階の外来から13階まで…
 ヒョコヒョコ上がれるようになりました。

      ■         ■
 穏やかな先生でした。
 とても勉強家でした。
 理論的に説明される先生でした。
 喪主で奥様の石井紀恵子先生は、
 札幌市保健所でご活躍されていました。
 保健所長をなさっていました。
 84歳はお若いです。
 天国で荻野先生と手の外科をなさっていらっしゃることと思います。
 心からご冥福をお祈りいたします。

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