医学講座
わきが手術の麻酔
私は昔から「自分が開業する時は札幌駅前で開業して、わきが手術は保険でする」と北大形成外科の同僚に言っていました。2年前に開業し、私の考えていた通りにたくさんの患者様にいらしていただいています。
形成外科勤務医をしていた頃は、一年間にせいぜい20例のわきが手術をする程度でした。大手美容外科の院長になって、今まで一年間にした数が一ヵ月以内になりました。自分で開業してからはもっと数が増えました。
美容外科を標榜していると、同じ手術をしても、よりキレイで臭いもない結果を要求されます。私が大手美容外科に勤務していた時にはわきが手術が50万円もしましたが、それでもたくさんの方にいらしていただき満足していただいていました。50万円払っていただいたからには、他の20万円とか30万円のクリニックより良い結果を出そうと努力しました。開業して保険で手術をしても同じ結果が出るようにしています。
形成外科勤務医として手術をしていた時と決定的に違うのは手術をする範囲です。これは企業秘密なのですが、わきが手術を受けたのに臭いがすると訴えて来院される患者様の大部分は、腋毛の生えていない範囲にアポクリン腺が残っています。私は患者様の満足度を上げるためにかなり広範囲に手術をしています。当院で手術を受けていただいて臭いが残っているという方はいらっしゃいません。
広範囲に局所麻酔で手術をするため、麻酔注射が痛いのが欠点でした。また麻酔薬の使用量が多くなります。私が手術をした数千例で麻酔で異常を起こした例はないのですが社会保険からクレームがつきました。そのため、今後は腋毛の範囲が5×8cmを超える方は全身麻酔で手術を行う予定です。全身麻酔で手術をしても日帰りが可能です。手術前日21:00以降は食べたり飲んだりできないので注意なさってください。
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形成外科の楽しみ
今日、北大形成外科で講演会がありました。私の恩師である大浦武彦先生の講演を久しぶりにお聴きしました。大浦先生は昭和53年に北大に形成外科を創設された初代教授で、現在は名誉教授をなさっていらっしゃいます。
今日の講演で形成外科の楽しみは「美しさを求めて創る楽しみ」であると解説されました。一人一人の患者様が一つ一つの作品で、サインをしたくなるほど美しく仕上げる創造の楽しみが他科にはない喜びであるとお話しされました。
私も形成外科医になって四半世紀が過ぎました。毎日、手術をしていますが、美しく仕上がった時の喜びを患者様と共有できるのが、形成外科医としての生きがいです。
来年4月から北大形成外科には12人もの新人医師が入局され、形成外科医としての修練をはじめられます。皆さん、やる気に満ち溢れていました。私が形成外科医になった昭和55年には5人の新人が入局しました。それぞれの道に進んで全員元気に働いています。来年の新人も立派な形成外科医に育って欲しいと願っています。
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病院の名称
横浜市の医療法人が病院名を「よこはま乳腺と胃腸の病院」という名称に変更しようとしたところ、市が「『乳腺』は、医療法の規定では広告できる診療科名と認められていない」として認可しなかったため裁判になりました。最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は2006年12月7日、「医療法の規定は合憲」として棄却する判決を言い渡し病院側の敗訴が確定したという記事が掲載されました。
医療法にはさまざまな規制があります。以前にも書きましたが、“わきが手術”は×、“腋臭症手術”は○です。女性週刊誌に掲載されている美容外科の広告は大部分が医療法違反です。抜け道として“ビデオのパッケージより”などとビデオの宣伝のように見せかけています。
病院の名称にはきわめて厳しい規制がありますがエステにはありません。「○○ビューティークリニック、ワキ永久脱毛\19,800」などは、医療機関のように見えますがエステの広告です。やけどでもしない限りエステの摘発はありません。お隣の国、韓国では医師以外がレーザー脱毛をすることは禁止されています。
また、現在の医療法では医師免許さえあれば麻酔科以外のすべての科目を標榜(看板を出すこと)することができます。私がある日突然、産婦人科になることも合法です。最近は、産婦人科や眼科の先生が美容外科になることも多いそうです。よいクリニックを見わけるのは至難のワザです。
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VAIOの故障
2003年2月14日に購入したVAIOノートが故障しました。毎日、日記を書いたり、メールの返事を出したり酷使したためでしょうか?数週間前から何となく調子が悪くなり、昨日は何もしないのに強制終了してしまうまでになりました。仕方なくサービスに電話しましたがなかなかつながりません。ようやくつながって引き取りサービスをお願いしました。今朝、日通航空の配達員の方が引き取りにいらしてくださいました。
3年間の延長補償に入っていたのですが、残念なことに今年の2月で切れていました。安い新機種を購入しようかとも考えましたが、大切なデーターが入っていますし、また一からセットアップするのも面倒です。3万円までなら修理してもらうことにしてお願いしました。
美容外科で二重まぶたの手術をなさって、お直し無料・永久保障のクリニックに行っても直してもらえなかった方がいらっしゃいます。先日いらした方は糸が片目に5本も入っていました。もともと眼瞼下垂があるのに無理に埋没法をしたことが原因でした。PCの補償と二重の保障は少し意味が違いますが、最初から適応を誤って手術をするようなクリニックでは保障も意味がないと思います。私のVAIOは直らなければ新機種を買おうと思っています。
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北海道庁
今日は家内と北海道庁に行ってきました。来年からクリニックを医療法人にするためです。担当は医務薬務課という部署です。13:30にアポイントをいただいたので少し早めに家を出ました。早く着いたので、昼食は地下の食堂で摂ることにし階段で下へ降りました。昼食時間と重なったため沢山の“お役人”がいらっしゃいました。北海道は不況で歳入が減ったため職員給与を一律10%カットしました。この人たちの給与がすべて10%ずつ下がったのだから、消費がますます低迷しても仕方がないかな?と考えました。昼食は家内が\450の塩ラーメン、私は\550の日替わり定食でした。まあまあの味で、4年前まで札幌医大に勤務していた頃を思い出しました(札幌医大は北海道が設立した公立大学です)。
医務薬務課の担当は女性の方です。予定時間の13:30に伺って書類が不備な点を教えていただきました。とても親切で“お役人”らしくない方でした。失礼な言い方かもしれませんが“仕事ができる女性”という印象でした。医療法人の書類はホームページからダウンロードして作製したのですが、その書類が他府県と比較してとても見やすく、どなたが作製したのだろうと気になっていました。実際にお会いして説明を受けて“この人なら”と感じました。
県庁や道庁の“お役人”の中には悪いことをして逮捕される人がいて、最近もマスコミで報道されています。大部分の職員の方は真面目に働いていて、ほんの一握りの人が悪いことをするのだと思います。行政は地味な仕事が多く、書類一つを作るのにも狭い机で黙々と仕事をなさっていらっしゃいます。“お役人”の中には仕事もしないで、執務時間中に居眠りをしている人もいます。北海道知事は熱心に仕事をする人も、仕事をしないで居眠りしている人も一律に10%の給与カットをなさいました。私は納税者の一人として、真面目に一生懸命仕事をしている人の給与を上げて、居眠りしている人の首を切るような歳出削減をして欲しいと思いました。
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研修医の指導
昨日の日記に医者は学会に参加したり外国雑誌を読んで勉強すると書きました。英文論文を読んで、すぐに手術ができるのはかなり技量がある医師です。フランス料理の本を読んでも、一流シェフと同じ料理は作れませんね。
以前に医師免許を取得しても、切ったり縫ったりする技量がないことを書きました。研修医は自動車学校で運転を習うように、指導医に横についてもらい切ったり縫ったりする練習をします。実験台になる患者様はたまったものではありませんが、厚生労働省の臨床研修指定病院になっている総合病院や大学病院では『手術の練習』が行われています。
実際には指導医が自動車学校の教官のように、暴走しないよう常に補助ブレーキを踏む準備をしています。私もこの自動車学校の教官役を何年間かしました。患者様にご迷惑をおかけすることはできませんので、研修医ができないと判断すれば私が代わりにします。自分で運転すれば5分で着くところを、研修医に運転させると10分も15分もかかります。最終的には私がチェックして手術を終了しますので出来上がりはキレイです。デキの悪い研修医に当たると指導医はとても疲れます。最近、大病院のベテラン医師が次々と病院を辞めて開業するのは、この指導に疲れるからだという説もあるくらいです。
大手美容外科にも卒後数年の若い先生がいらっしゃいます。できるフリをして手術をしていますが、昨日教えてもらったばかりの手術を一人前の顔をして一人でしなければならない時もあるようです。わきがの手術などは片方をある程度できる先生がして、反対側を新人がすることもあります。教える側の先生がいい加減な手術しかできないという、とんでもないクリニックもあります。その先生が上手か下手かを見極めるのは素人にはとても難しいことです。当院では私一人で診察から手術までを行っておりますので、どうかご安心ください。
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医者の勉強法
医学は日進月歩で常に新しい治療法が開発されています。よく医者は一生勉強が必要だと言われています。私もその通りだと思います。医師の勉強法には学会に参加する、他の先生の手術を見せていただく、先輩や同僚に相談するなどの方法があります。開業して毎日の診療に追われているとなかなか勉強の機会を作るのは大変です。
米国形成外科学会の雑誌がPlastic and Reconstructive Surgery(通称PRSピーアールエス)という本です。私は形成外科医になってから毎年年間購読しています。年間14冊程度で毎月航空便で送ってきます。以前は送られてくるまで読めなかったのですが、最近はインターネットに接続されていれば米国国内に居るのと同じように読むことができます。購読するとユーザー名とパスワードがもらえ、それでログインします。
形成外科・美容外科の医師にとってこのPRSに自分の論文が掲載されるのはとても名誉なことです。日本人の論文は毎号1~2編掲載されれば多いほうです。私も北大や札幌医大時代に掲載していただきました。
私が形成外科医になった26年前は、PRSに美容外科関連の論文が掲載されることは少なかったのですが、最近は約1/2から1/3が美容外科関連の論文です。アジア人に関しては日本の他、韓国の先生も多数投稿されていて、質の高い良い論文があります。私はこのPRSの他、美容外科関連の国際雑誌を講読して日々勉強しています。私が現在行っている目頭切開の手術法もこのPRSを通じて習得しました。著者の韓国人の先生と学会でお会いして、お互いに手術で工夫している点などを話しとても参考になります。医学を志す学生さんや若い先生は英語を自由に使いこなせる能力が必要だと思います。
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家内の美容法
11月25日に書いた家内のページにたくさんのアクセスをいただいています。同窓会では治療効果があって2番目に若かったとご機嫌で帰宅しました。やはり先生の奥さんはどんな治療をしているかご興味があると思います。
昨年11月に東京で行われた国際美容外科学会でロシアのスラマニーチェ先生の発表を見て(家内も学会に参加しました)、私もこのアプトスをしたいと言い出しました。一昨年6月に韓国のソウルでイタリアの先生のライブサージェリー(手術のデモンストレーション)を見た時には「あんな(糸を使った)手術は受けたくない」と言っていたのですが、本家本元のロシアの先生の手術結果を見て受けたいと言い出しました。学会でロシアの先生から直接手術を指導していただき当院でもアプトスを始めました。患者さん第一号は家内です。手術後しばらくは大きな口を開けると糸が突っ張るとか言っていましたが、その後は『たるみ』も改善してご機嫌です。
その他に、毎日ソニシオンという超音波美顔器でお肌の手入れをしています。顔に定期的にレーザーを当てて(レーザーフェイシャル)むだ毛を焼いて肌を活性化しています。
家内はあまりマメな人ではないのですが、ソニシオンだけは風呂上りに毎日ピッピッピッと当てています。たまに娘と器械を取り合いしているくらいです。
あまり参考にならないかも知れませんが先生の奥さんはこのようなお手入れをしています。
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高校生の法則
毎日たくさんの方に日記を読んでいただきありがとうございます。三日坊主で終わるかと思っていましたが、アクセス数が増え、それが励みになり続けています。今日、受付から「毎日ネタに困りませんか?」と尋ねられました。この日記は私がふだん話していることや感じていることを気ままに書いています。つまらない内容もあると思いますがご容赦ください。
私がいつも言っている言葉に『高校生の法則』があります。高校の時に習ったピタゴラスの定理や三角関数ではありません。高校生の時から彼女が3人いて二股も三股もかけているような人は、大人になって結婚して、50歳のオッサンになっても必ず浮気や不倫をしているという法則です。
人間は声と性格はなかなか変えることができません。浮気性は一種の病気のようなものだと思います。必ずしもカッコ良いイケメンだけが浮気を繰り返す訳ではありません。どうしてこんな男がもてるのだろう???というような人に愛人がいたりします。お金だけでもなさそうです。
浮気をよくしている男に共通しているのは、実にマメに電話やメールをしています。『奥さんや子供がいるのだから、あんたももう少し家庭を大事にして子供と遊んでやりなさい。』と注意したこともありますが、その人の病気は治りませんでした。
男性を選ぶ時は真面目で誠実な人が良いと思います。高校生の時からカッコよくてもてる人はいます。全部が全部とは言いませんが、高校生の時から彼女が3人も4人もいる人はおやめなさい。あなたが苦労するだけです。女性でも同じ法則が成り立ちませんか?
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日本美容外科学会
日本には日本美容外科学会という同姓同名の学会が2つあります。一つは形成外科系の日本美容外科学会です。もう一つはいわゆる十仁学会と言われる日本美容外科学会です。
私はもともと形成外科医でしたから最初に形成外科系の日本美容外科学会に入会いたしました。偉い形成外科医の中には十仁系日本美容外科学会を毛嫌いする先生がいらっしゃいます。私もずっと十仁系学会には入ってはいけないと思っていました。
平成14年8月に中央クリニック札幌院の院長にさせていただきました。この時に十仁系日本美容外科学会に入会しました。形成外科系にはチェーン店の美容外科医になってはいけないという暗黙のルールのようなものがありました。私のように大学の形成外科講師からチェーン店の店長になった例はマレでした。
はじめて十仁系学会に入り、上海で行われた国際学会で発表しました。この時に十仁病院院長の梅澤文彦先生が私のところへいらしてくださり「先生ようこそこの学会にいらしてくださいました」とおっしゃってくださいました。少し肩身の狭い思いで参加した私はVIPの梅澤先生から歓迎されてとても嬉しく思いました。上海の学会では韓国や台湾、中国の先生と親しくなりました。日本に帰ってから韓国の先生から韓国へ講演に来てくれないか?とメールをいただきました。
形成外科系の日本美容外科学会は十仁系学会の会員が発表しようとしてもなかなか歓迎してくれない風潮があります。確かに学術的には形成外科系の方が優れた先生もいらっしゃいますが、十仁系学会も積極的にライブサージェリーという手術の実況中継を取り入れて活発に活動しています。米国や韓国など海外でも形成外科系と非形成外科系学会の仲が悪いところが多いようです。日本では逆に2つの日本美容外科学会を仲良く1つにしたいと考えている先生がいらっしゃいます。私もいつの日か2つの学会が1つになればよいのに・・・と考えています。