医学講座
眼瞼下垂の再発予防と保湿
手術後に目をこする
2011年5月22日の院長日記です。
私が眼瞼下垂症手術を受けてから、
半年後の頃です。
その院長日記に次のように書いてあります。
ようやく落ち着いてきた…
…と感じています。
それでも、
まだ目はこすっていません。
■ ■
私は手術から半年しても、
キズにヒルドイドローションを塗っていました。
そうすると、
ピリピリ感が減りました。
昔、北大形成外科では、
やけどの後や、
皮膚移植の後にも、
よくヒルドイドを塗っていました。
そうすると皮膚がしっとりとして、
きれいに治ったからです。
■ ■
人間は、
無意識のうちに目をこすります。
眠い時…
朝起きた時…
目をこすることがあります。
この目をこする動作が、
目によくありません。
■ ■
私は手術から最初の2ヵ月くらいは、
寝ている時に目に触らないように、
アイマスクをしていました。
腫れが取れてきても、
まだキズは落ち着いていません。
触ると…
何となくぴりぴりします。
■ ■
ぴりぴりするのは、
キズが触らないでと言っている証拠だと、
私はよく患者さんに説明します。
何となく違和感があるのは、
切って…
縫った…
…からです。
■ ■
眼瞼下垂症や、
二重埋没法で、
一番、目に良くないのが、
目をこすることです。
ラインが消える時という、
2010年4月29日の院長日記に書いてあります。
目をこすると、
二重のラインが消えます。
■ ■
生まれつき二重の人でも、
アトピー性皮膚炎などで、
毎日まいにち目をこすっていると…
二重が三重になったり、
目の上がくぼんできます。
眼瞼下垂症になる人もいます。
■ ■
眼瞼下垂症手術は、
まぶたを切って、
眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉を調節して、
丁寧に縫います。
目をこすっていると…
眼瞼下垂が再発することがあります。
アレルギーの人は、
花粉症の時期には、
特に気をつけてください。
目をこするとラインが消えます。
■ ■
第42回日本熱傷学会(浦安)②の特別講演で、
お聞きした。
かゆみを科学する
順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科学名誉教授、
順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所_所長
高森建二先生のお話しで、
キズを保湿してかゆみを防ぐと、
眼瞼下垂症の再発予防に役立つと思いました。
手術後のキズにヒルドイドローションをおすすめします。
エビデンスはありませんが、
肥厚性瘢痕の予防に適応症があります。
“眼瞼下垂の再発予防と保湿”へのコメント
コメントをどうぞ
仕事柄 上を向いて仕事したりして りんごやブドウなどの花かすが目に入りこすってしまいます。 よく布のはじでごみの取り合いを家族でします。取ってあげることです。 私はローションを手に毎日塗っています。が 傷にもよいのですね。 母が退院したら塗ってあげます。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。こすらないで取ってもらうといいですね。傷の周りにもそっと塗って差し上げてください。
術後でも目をこすると
ラインが消えるのですか。
興味深かったです。
年をとった方に目が窪んでいる方がいますが
こすってる証拠なんですか?
それとも他にも原因がありますか?
将来目がくぼむのが嫌で
今から心配してます。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。『切る手術』をしてもこすると眼瞼下垂症が再発します。高齢になって目がくぼむのは下垂の他に眼窩内脂肪という脂肪が萎縮してなることもあります。
糸が外れたりすると、見た目にすぐわかるのでしょうか?今日コンタクトの定期検診でまぶたを強く触られました。心配でたまりません。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
眼科専門医の先生が診るのでしたらまぶたを触ったくらいで糸は外れません。コンタクトの定期健診でもしっかりとした眼科専門医に診ていただいてください。なんちゃって眼科医はダメです。