医学講座
にやり、ほっと
平成28年6月6日、朝日新聞朝刊、天声人語です。
にやり、ほっと
「ヒヤリハット」は、事故につながりかねない出来事を指す言葉だ。引き継ぎに書いて同僚に注意を促そうと、職場で心がけている方も多いだろう。東京都の有料老人ホーム「ライフ&シニアハウス井草」もそうだ。でもここにはもう一つ、「にやりほっと」がある。
▼介護していて思わず笑ってしまう、心がなごむ。そんなお年寄りの言葉や振る舞いを職員がカードに残している。ひな人形を前に「これを見るとうれしくなるなんて、私もまだまだ女の子だねえ」との言葉がある。「食欲がない。物欲ならあるのだけど」とは、食事前の冗談である。
▼昔のあだ名を教えてもらった、夫の思い出話をしてくれた、なども。「ヒヤリハットだけではマイナス面ばかりが見えがち。プラス面をみんなで共有しようとしています」と、職員の金子彩香(あやか)さん(25)は言う。
▼小さな子のいる家庭は、あらゆる瞬間が「にやりほっと」かもしれない。甘えるしぐさに目を細め、おませな言葉に驚く。忘れないよう書き留めている方もおられよう。
▼同僚でも夫婦や親子でも、一緒の時間を過ごせば心がなごむような出来事は訪れる。でも忙しかったり、関係がよくなかったりして微笑(ほほえ)み合う余裕を失うこともある。距離がもっと近くなる機会なのに。
▼この老人ホームでは、にやりほっとの記録から「へえ、こんなことあったんですか」と話が弾むことが多いそうだ。一緒にいる空間がその分温かくなる。「介護者」と「入居者」という立場を少しだけ忘れて。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
にやり、ほっとはいいです。
昔は大きな病院の院長に就任すると、
『先生おめでとうございます』
…と言ったものです。
最近は、
『先生ご苦労様です』
(先生、大変ですね)
(先生、事故がないことを祈ります)
(先生、訴訟がないことを祈ります)
院長在任中に
謝罪記者会見に出ることもあります。
■ ■
私もJA帯広厚生病院形成外科主任部長の時に、
菓子折りを持って、
患者さんのお宅まで謝罪に行ったことがありました。
六花亭の、
一番大きな十勝日誌でした。
今でもあの箱を見るたびに思い出します。
患者さんに謝りました。
申し訳ございませんでした
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医療や介護の現場も大変です。
ヒヤリハット
インシデントレポート
医療事故報告書
書類を作成するのも大変です。
他の先生が関わった事故で、
カルテを証拠保全されたこともあります。
私が報告書を書きました。
一週間近く毎日何時間もかけて書きました。
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♡にやり、ほっと♡はいいです。
これを見るとうれしくなるなんて、
私もまだまだ女の子だねえ
食欲がない。
物欲ならあるのだけど
こんなレポートはいいです。
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私が将来入所するなら、
「ヒヤリハット」レポートがある施設より、
分厚い、
♡にやり、ほっと♡報告集がある施設を選びます。
朝から気分のいい天声人語を書いてくださった、
朝日新聞社に感謝します。
また素敵なコラムを楽しみにしています。