医学講座

ロンドンの火災

 ロンドンの高層アパートで火災が発生し、
 多数の死傷者が出ています。
 スプリンクラーが設置されていないことや、
 防火設備の不備が報道されています。
 日本のタワーマンションは安全という報道もありますが、
 油断はできません。
 災難はいつ起こるかわかりません。
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 私は日本熱傷学会に30年以上参加しています。
 日本は安全な国です。
 いわゆる大やけどは減っています。
 全身熱傷の救命率も上がっています。
 でも、
 安心はできません。
 一度に数十人が重症熱傷になったら、
 札幌市ですら、
 救命できる人数には限りがあります
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 マンションの火災で、
 こわいのが気道熱傷きどうねっしょうです。
 私が形成外科の修行をした、
 北大形成外科では、
 北海道の炭鉱で起きた、
 重症熱傷の治療をしていました
 私が中学生だった頃です
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 下の写真はネットにあったロンドンの火災です。
 消防車の放水が届きません。
 もちろんはしご車も届きません。
 猛烈な煙が出ています。
 有害な煙もあります。
 煙を吸って、
 肺がやられるのが、
 気道熱傷きどうねっしょうです。
 死亡率が高い外傷です。
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 安全と言われる、
 日本のタワーマンションにも、
 意外な盲点があります。
 セキュリティです。
 防犯機能がついた最新のマンションでは、
 ICチップがついた鍵がないと、
 たとえ救急隊でもマンションに入れません。
 部屋で倒れて119番をして、
 その後に意識を失うと、
 マンションに到着した救急隊員が部屋まで来れません。
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 災難はいつやって来るかわかりません。
 安全と言われる日本のマンションでも、
 決して油断はできません。
 非常階段を降りる練習や、
 屋上ヘリポートへ上がる階段通路は、
 マンションの避難訓練で、
 ぜひ確認してください。
 せまくて上がりにくいことが多いです。
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 地上40階のマンションの上にあるヘリポートは、
 とても風が強いことが多いです。
 その上ヘリの風がすごいです。
 救助してもらうのも命がけです。
 私はいざという時のために、
 いつも携帯をフル充電にしています
 電池のもちが悪いスマホは特に注意です。

“ロンドンの火災”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    非常出口は一つしかなかったと聞きました。

    しかも高層マンションは延焼しやすい
    古い建材を使用してたとか。
    昔の建物なのでしょうがないですよね……

    スプリンクラーが設置されていたら
    違っていたのに残念です。

    先生が焼身自殺は一番辛いと
    書かれてましたね。
    その通り耐えきれず
    飛び降りた人も居ました。

    私の住んでいるマンションの非常階段は
    急いでいたら転げ落ちそうな程、急な作りです。

    日頃から慣れておかないと駄目ですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。マンションの非常階段を使ったことがあるだけご立派です。一度も行ったことがない方も多いと思います。タワーマンションですとふだんは施錠されているところもあります。屋上ヘリポートには避難訓練で一度上がることをおすすめします。意外と狭い階段で上がるのも大変なところが多いと思います。

  2. さくらんぼ より:

    農村部なのでマンション火災はないのですが、山火事は最近ありました。サイレンと防災ヘリが水の袋を何回もぶら下げては 運び ホバリングしながら水を汲みます。その砂ぼこりが畑からも見えます。山なので 剪定枝を焼き周りにうつって人間にもうつる事もあります。
    火傷、熱傷の治療できる病院も近くにないのでドクターヘリのお世話になるしかないです。 もしマンションなら逃げ場がなく 有害な煙でなくなります。 気道熱傷になったら どんな治療をしたらたすかるのか、私はわかりません。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。気道熱傷は大変ですICUに入って気管内挿管をして人工呼吸機で管理です。救急やICUの先生が担当します。皮膚も焼けていると形成外科が入って管理をします。山形からドクターヘリですと仙台でしょうか?山火事もマンション火災も私ならまず逃げます。マンション火災はふだんから逃げる階段を確認しておくことです。

  3. すみれ より:

    ロンドンの火災はテレビで何度もみました。イギリスは数年前、10日間かけて北(スコットランド)からロンドンまで見て歩きました。きれいな街並みもテロの銃撃や火災でがたがたですね。私は高所嫌いなのでタワーマンションは選びませんが、これから、世界中にタワーマンションが増えることでしょう。地震大国の日本は建設中に対策を考えてほしいものです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。私は英国もヨーロッパも行ったことがありません。日本のタワーマンションはかなり対策が考えられています。スプリンクラーも設置されています。ただ実際に住んでいる人が避難訓練に参加して避難階段を歩いているか?というとかなり少ないと思います。一度は火災や地震でエレベーターが止まったことを考えて避難階段を歩いてみていだだきたいです。

  4. くくるん より:

    テレビで火災の様子をみました。建物がかなりの炎で包まれていました。

    タワーマンションが安全とはいっても、その時にそこに住む人たちがどう避難行動をするかでまた違ってきますよね。
    安全設備もあるだけでは、全てを守ってくれるわけではないですもんね。その使い方を知ることがとても大切だと思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。タワーマンションには屋上にヘリポートがあるところも多いです。でもそのヘリポートに上がったことがある人はとても少ないと思います。避難訓練にはぜひ参加して経路だけでも確かめておくのがいいです。

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