医学講座

失明の原因2017

 昨日の院長日記、
 ヒアルロン酸のトラブル2017
 …の続きです。
 私が院長日記で取り上げても、
 なかなか原因究明も、
 対策もできていないのが日本です。
 残念なことです。
      ■         ■
 下に引用したのは、
 2014年のAesthetic Surgery Journalに投稿された論文です。
 カナダのClaudio DeLorenzi先生が書いたものです。
 ネットで検索すると、
 全文を読むことができます。
 その中には、
 ヒアルロン酸が血管内に入って、
 それが原因で失明したり、
 皮膚が壊死になったりする例が出ています。
      ■         ■
 安全対策として、
 ヒアルロン酸溶解剤が推奨されています。
 残念なことに、
 日本で認可されたヒアルロン酸溶解剤がありません。
 厚生労働省は、
 いくつくかのヒアルロン酸注入剤を認可しています
 私は、
 国とメーカーの責任で、
 ヒアルロン酸溶解剤を、
 すぐに準備するべきだと思います。
      ■         ■
 失明の医療事故は、
 一瞬でおきます。
 なんちゃって美容外科医
 なんちゃって美容皮膚科医
 英語の論文を読んで、
 すぐに対処できる準備をするべきです。
 YouTubeには、
 ヒアルロン酸トラブルの動画も出ています
 勉強していただきたいです。
      ■         ■
 Complications of Injectable Fillers, Part 2:Vascular Complications
 Claudio DeLorenzi, MD, FRCS
 Aesthetic Surgery Journal, 2014, Vol. 34(4) 584–600
 Abstract
 Accidental intra-arterial filler injection may cause significant tissue injury and necrosis. Hyaluronic acid (HA) fillers, currently the most popular, are the focus of this article, which highlights complications and their symptoms, risk factors, and possible treatment strategies. Although ischemic events do happen and are therefore important to discuss, they seem to be exceptionally rare and represent a small percentage of complications in individual clinical practices.
 However, the true incidence of this complication is unknown because of underreporting by clinicians. Typical clinical findings include skin blanching, livedo reticularis, slow capillary refill, and dusky blue-red discoloration, followed a few days later by blister formation and finally tissue slough. Mainstays of treatment (apart from avoidance by meticulous technique) are prompt recognition, immediate treatment with hyaluronidase, topical nitropaste under occlusion, oral acetylsalicylic acid (aspirin), warm compresses, and vigorous massage. Secondary lines of treatment may involve intra-arterial hyaluronidase, hyperbaric oxygen therapy, and ancillary vasodilating agents such as prostaglandin E1. Emergency preparedness (a “filler crash cart”) is emphasized, since early intervention is likely to significantly reduce morbidity.  A clinical summary chart is provided, organized by complication presentation.


“失明の原因2017”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    ヒアルロン酸溶解剤、認めて欲しいですね。
    被害者は沢山いるでしょうに。

    YouTube拝見しましたが
    素人の私には全くわからず……。

    お医者様には是非
    見て勉強して頂きたいですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。ヒアルロン酸は安全という誤解をもう少し広げたいと思います。海外では溶解剤を準備してヒアルロン酸注射をしなさいと学会で言っているのに日本には認可された製品がないのもおかしいです。マスコミにも取り上げてほしいです。

  2. さくらんぼ より:

    すごく長い英文の論文ですね。失明したら取り返しがつかないので溶解剤を日本でも用意して欲しいですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。誰にでも起こる可能性がある失明事故です。海外では溶解剤を準備して注射しなさいと学会で言われているのに日本には認可された製品がありません。なんとかしてほしいものです。

  3. えりー より:

    きれいになるために選択したことが
    失明に繋がるのはリスクが大きいです。

    ヒアルロン酸注入剤が認可されているなら
    溶解剤も早く準備して欲しいですね。

    そして、なんちゃってのお医者さまも
    患者さんも本間先生の日記で知識得て
    事故やトラブルを防いで欲しいと
    思いました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。失明や皮膚壊死が起きてからでは遅いのです。厚生労働省やメーカーはヒアルロン酸溶解剤を準備してヒアルロン酸製剤といっしょに【無料】で配るべきです。自動車の無資格検査より問題だと(私は)思います。

  4. すみれ より:

    失明したら美容どころでありませんよね。私の知人で白内障の手術に成功した人と同部屋の人が失明してしまったようでなんて慰めてよいか困っていました。美を追究する人はお金をかけて、シワをとったり顔を綺麗にしますよね。手術後のことも考えて、いい先生に見ていただきたいと思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。白内障手術でも実は医療訴訟があります。感染を起こして失明もあります。ふつうの人はまさか白内障手術で失明なんて考えもしませんが、眼科の手術もこわいのです。美容外科で失明は眼科の手術で失明よりも深刻です。医療は大変なのです。

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