医学講座
第45回日本熱傷学会(北九州)③
小倉で開催された第45回日本熱傷学会はとても有意義でした。
私が感心したのが安田会長が選ばれたテーマです。
安田浩会長のごあいさつです。
今回の学会テーマは
「熱傷治療JAPAN PRIDE」といたしました。
私が本学会の学術委員になったとほぼ同時に診療ガイドラインの作成が始まり、私は局所療法をその後の改訂版も含め携わらせていただきました。
他の分野では外国論文を中心に作業が進められましたが、局所療法を探していくと外国論文はあるものの実際に日本で行っている局所治療の内容と異なること、
特に外用剤は日本独自の薬剤が多く、そのため諸外国に比べ多くの選択肢があることに気づかされました。
このような経緯より日本の熱傷治療も諸外国に比べても素晴らしいレベルにあることをもっと誇ってよいのではないかと考えるに至り今回のテーマを考えました。
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安田会長の熱い思いが込められた熱傷学会でした。
学会初日には、
シンポジウム2
2019年5月23日(木)15:00~16:30第1会場
「熱傷治療の群雄割拠-日本統一はなるか-」
座長:黒川正人(熊本赤十字病院形成外科)
鳴海篤志(独立行政法人国立病院機構別府医療センター救急科)
SY2-1「北海道での熱傷局所治療-北大形成外科を代表して-」
木村 中(函館中央病院形成外科)
SY2-2「当院救急科の熱傷治療局所療法の実際とそれに関連する諸施設での変遷とその影響」
池田弘人(帝京大学医学部救急医学、帝京大学医学部附属病院救急科)
SY2-3「北陸における熱傷局所治療の動向」
岸邊美幸(金沢医科大学形成外科)
SY2-4「母床壊死、炎症期・肉芽期を意識した局所管理」
中島紳史(JCHO中京病院救急科)
SY2-5「近畿大学病院熱傷センターにおける熱傷局所治療の変遷」
上田敬博(近畿大学病院熱傷センター)
SY2-6「エキザルベガ-ゼによる熱傷治療」
吉本 浩(長崎大学形成外科)
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このシンポジウムを聴いて、
同じ日本国内でもやけど治療の方法が違うことがわかりました。
私は、
北海道での熱傷局所治療-北大形成外科を代表して-
函館中央病院形成外科の木村中先生と同じです。
北大形成外科では、
痛くない治療薬を選んでいました。
軟膏はちょっとした違いで痛みが異なります。
■ ■
薬剤耐性の問題があったので、
北大形成外科でも軟膏の選択が変わりました。
木村 中先生から
ピオクタニンという色素を使った軟膏も紹介されました。
函館中央病院では、
ラベンダー軟膏と呼んでいます。
北海道のラベンダー畑のような、
きれいな紫色の軟膏です。
グラム陽性菌に抗菌力があります。
有意義な2日間の勉強を終えて札幌に帰ってきました。
北海道は涼しいですね。
“第45回日本熱傷学会(北九州)③”へのコメント
コメントをどうぞ
学会お疲れ様でした。
ピオクタニン液は使ってました。がこうそうになった時や、婦人科で塗られたことがあります。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。ピオクタニンは手術時に印をつける時にも使います。MRSAで困っていた時にピオクタニンの論文を見つけて使いました。白い軟膏に混ぜるときれいなラベンダー色になりました。北海道らしい名前で私は好きです。北海道は涼しいですね。
学会お疲れ様でした。
国内でも治療が違うのですか。
少し驚きました。
痛くない治療薬を
患者側としては望みます。
ラベンダー軟膏、
北海道らしい素敵な響きですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。同じ日本でも使う軟膏が違います。大学や先生によっても違います。私たちは少しでも痛くないものを選んでました。
2日間の学会ご出席お疲れ
さまでした。気温差での身体の
調子もお変わりないと良いのですが。
本間先生の体力はいつもすばらしい
と思います。
地域によって、やけどの治療方法が
違ったり、使用する軟膏によって
痛みがあったりするのですね。
知りませんでした。薬剤耐性も
抗生物質の服用薬は飲みきることを
聞いたことがありますが、外用薬も
気をつけなければならないこと、
今日も勉強になりました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。北大形成外科では熱傷創感染の研究をしていました。なるべく耐性菌を作らないように痛くない治療を目指していました。昔、熱傷創感染の勉強をしたので今も役立っています。