医学講座
日本美容外科学会第146回学術集会(東京)②
今日は2023年1月15日(日)です。
東京で日本美容外科学会第146回学術集会に参加しました。
北海道とは違い、
東京は暖かです。
最高気温13℃、
最低気温9℃でした。
雨の予報でしたが幸い雨も降りませんでした。
■ ■
会場は昭和大学上條記念館です。
長野県に生まれの上條秀介先生が、
東京大学医学部卒業後に、
昭和医専を設立されたのが、
昭和大学のはじまりだと知りました。
すごい先生がいらしたものです。
奥様の湯澤美代子様の内助の功もあったそうです。
とても立派な記念館で上條記念ミュージアムまでありました。
■ ■
今日の学会で一番印象に残ったのが、
一番最初の演題、
1.アクアフィリングによる乳房増大後、出産を契機に感染を来たした1例
林 稔(聖マリア病院)でした。
聖マリア病院は、
福岡県久留米市にあるカトリックの社会医療法人です。
昭和大学形成外科や千葉大学形成外科、九州大学形成外科から、
7人も常勤形成外科医がいる病院です。
■ ■
聖マリア病院形成外科で林稔先生が治療をなさった患者さんは、
私が今まで学会で見た患者さんの中で、
一番しあわせな方でした。
出産後にアクアフィリングが感染して、
大変なことになっていました。
林先生の治療のポイントは、
おっぱいを出なくしたことでした。
■ ■
カベルゴリンというお薬です。
もともとパーキンソン病の薬です。
このお薬で乳汁分泌を止めて、
一日400ccも出ていた滲出液を止めました。
そうして感染を制御されたのです。
今まで聞いたことがない治療法でした。
■ ■
もちろんアフアフィリングは手術で除去し、
できるだけきれいに洗浄しました。
それでも産後なのでおっぱいが出ます。
おっぱいを止める薬で浸出液が減り、
アクアフィリングの感染もおさまりました。
この院長日記でアクアフィリング後に感染し、
困っている人が一人でも助かることを願っています。
林稔先生ありがとうございました。
“日本美容外科学会第146回学術集会(東京)②”へのコメント
コメントをどうぞ
学会お疲れ様です。
アクアフィリングが感染したのは、出産により乳腺が関係しているのか、赤ちゃんが乳房を吸って傷が付いたりして感染するのでしょうか?
おっぱいを出なくするのにパーキンソン病の薬が効くと発見したのがすごいですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。アクアフィリングが重大な悪さをするのが、妊娠して出産した後です。女の人が人生でいちばんしあわせな時期に、まさか?と忘れていた豊胸手術の副作用です。ご主人には言えないし、、、ほんとうに大変です。授乳で感染したのか?はわかりませんが、おっぱいを出なくすると感染がおさまりました。林稔先生はとても丁寧に手術をなさって患者さんを助けました。素晴らしいと感動しました。
学会お疲れ様です。
パーキンソン病の薬で治るとは
驚きです。
治って良かったですね。
ご主人にも言えず辛かったと思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。豊胸してましたなんてご主人には言えません。人生で一番しあわせな時期に突然の不幸でつらいです。聖マリア病院形成外科は昭和大学から優れた形成外科医が赴任され、すばらしい手術をなさっています。パーキンソン病の薬で乳汁を止めて治すなんて素晴らしいです。ほんとうによかったと思います。
学校ご出席おつかれさまです。
天候に恵まれ良かったですね。
上條記念ミュージアムは
教育、研究、文化発展の拠点として
設立されたと掲載されていました。
学びの場でもありたくさんの方が
見学にいらしたのだと思いました。
パーキンソン病の薬を使って、
今までにない治療で患者さんを
救った、林稔先生もすばらしい方
ですね。先生のおっしゃるように
出会えた患者さんはとても幸運
だと思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。今まで学会発表で見たアクアフィリング被害者の中で、一番しあわせな患者さんでした。乳汁分泌さえなければそれほど悪さをしないので、薬で止めるという発想が素晴らしいと思いました。林稔先生に拍手です。