医学講座

インフルエンザとマスク

 昨日コメントをいただいた、
 インフルエンザとマスクのことが、
 今日の朝日新聞朝刊に掲載されていました。
 「マスクで予防」過信禁物
 「ウイルス髪や服にも」
 新型の豚インフルエンザの感染が広がる関西以外の地域でも、マスクを着けた人が目立ち始めた。薬局・薬店では品薄になるところも。日本では個人ができる感染予防策として定讐しているが、海外では様子が違うようだ。専門家から「期待しすぎないで」との声も出る。
 インフルエンザは、感染した人がくしゃみなどをした際に飛ぶしぶき(飛沫ひまつ)を周囲の人が吸い込むことで感染していく、とされる。
 外岡立人・元北海道小樽市保健所長はマスクについて、 「着ければ安全、と期待しすぎないほうがいい」。ウイルスを含んだ他人の飛沫が口から入るのを防ぐことができても、髪や衣服などに飛び散っている可能性もある。衣服などに付着したウイルスに触った手を口に運べば、そこから感染することもある。
 北里大学の和田耕治助教(公衆衛生学)らの実験によると、季節性インフルのウイルスは、不織布製マスクの表面上で8時間、感染力を持った状態が続いていたという。
 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長も、症状があったり、感染した人と濃厚に接触したりした人が、周囲に感染を広げないために着ける場合に意味があると指摘する。
 欧米、日本でも共通してあげられているのは「せきエチケット」。せきやくしゃみをする際はティッシュで鼻と口を覆い、使用したティッシュはすぐにごみ箱へ。そしてすぐに手を洗ってウイルスを洗い流す。英国政府は「自分を守るとともに周囲に広がりを防ぐため」と説明する。
 日本政府が今年2月につくったガイドラインでは、市区町村は住民らにマスク善用を勧めることになっている。
 ただ、政府の対策本部専門家諮問委員会が、神戸市の高校生らの新型インフル感染が確認された16日に出した「基本的対処方針」では、人込みでのマスクの着用を勧める一方、「屋外では相当な人込みでない限り、着用する意味はない」と詳しく説明した。
 英国政府が一般市民向けにつくったパンフレットでは、マスクについて「感染を防ぐという科学的根拠はない」と明記。世界保健機関(WHO)はマスク着用を医療関係者に勧めるが、市民には「口と鼻を触るのを控える」「人ごみを避ける」といった対策のほうがマスクよりも重要かも知れないと呼ぴかける。
 着用する人
 海外まばら
 アジアで最初の感染考が確認された香港。玄関口の香港国際空港では20日、入管や空港職員の大半がマスクで顔の半分を覆い、乗客にはマスクを無料で配っていた。
 だが、到着する乗客の大半はマスクをしていない。台湾から来たツアーガイドの男性は「2003年のSARS(新型肺炎)の時のように深刻ならともかく、まだマスクが必要とは思えない」と話した。
 香港や中国本土では街中でもマスク姿はほとんど見かけない。韓国も同様だが、例外は日本からの観光客。マスク姿でソウルの繁華街や高級ホテル周辺を歩き、珍しがる地元テレピ局からインタビューを受けたりしている。
 欧米の多くの国ではもともとマスクをする習慣がなく、薬局でもあまり売っていない。マスクをしているのは主にアジア系の人たちだ。
 一方、最初に感染が広がったメキシコでは政府がマスクの着用を奨励。買い求める人が薬局に殺到し、品薄になって価格が急騰する事駅が起きた。
 (香港=奥寺淳、ソウル=箱田哲也)
 各地で完売・品薄
 「石油ショック騒ぎのよう」
 マスクを探し、コンピニエンスストアなど6軒をまわった恵京都墨田区の出版社勤務の女性(32)は、とうとう手に入れられなかった。「全滅でした。薬局も売り切れ。首都圏で患者が出たと聞いて、すごく不安です』と話す。
 都内の薬局や薬店の店頭などからマスクが姿を消したのは、大阪府で感染者が確認された翌日の18日ごろからだ。箱入りの徳用マスクをまとめ買いする人たちの姿も目立っているという。
 在庫が尽き、「売り切れ」の張り紙を出した東京・銀座の薬局店主は「石油ショックのころ、トイレットペーパーがなくなった騒ぎを思い出す」と言った。
 日本衛生材料工業連合会によると、国内で年間に消費されるマスクは約20億枚。花粉症対策で3月まで大量生産され、4、5月は生産量を4分の1以下に落すのが普通だ。3月末時点で約1億枚の在庫があったが、今はほぽ底をついているという。
 急激な需要増に、医療品メーカー大手の興和(名古屋市)は、5月上旬だけで例年の5月分の約40倍を出荷。休日返上で生産しているが、それでも「追いつかない」という。
 品不足を反映し、インターネットのヤフーオークションでは16日、1980円で始まった医療用マスク50枚1箱の入札が、1万7千円にまで跳ね上がったケースもある。
 しかし、大手ドラッグストアチェーンの多くは、各店に週数回、数十個の入荷がある。大手コンビニエンスストアも在庫を確保できているという。一部の人や企業が買い占めをしなければ、必要な枚数は行き渡るようだ。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 長い記事を引用いたしました。
 どうやら…
 マスクでインフルエンザを予防しようというのは…
 無理なようです。
 自分が罹った時に…
 他人に移すのを防ぐには、
 効果があるようですが、
 予防にはやはり手洗いとうがいでしょうか?
      ■         ■
 私が院内感染対策委員をしていた時に、
 ためになることを教わりました。
 『鼻くそをほじらない!』
 あ~ら、
 私はそんな下品なことはいたしませんゎょ…
 とおっしゃるかたには関係ありません。
 私たち医療従事者の手には、
 さまざまなばい菌が付きます。
      ■         ■
 不用意に指で鼻腔を触ると…
 そこにばい菌をつけてしまいます。
 当時問題になっていたのが…
 MRSA(えむあーるえすえい)の
 鼻腔内保菌者でした。
 ある程度の頻度で鼻腔内に
 MRSAを持っている医療従事者がいました。
 一度ついてしまうとなかなかとれません。
      ■         ■
 インフルエンザ対策は、
 マスクよりも手洗い。
 鼻に指を入れる前には、
 十分に手を洗って、
 清潔にしてから、
 『鼻くそをほじり』ましょう。
 マスクをするよりも…
 外から帰ったらまず手を洗うことです。
 鼻炎で鼻が痒くても、
 やたらに触らないことです。

“インフルエンザとマスク”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ