昔の記憶
函館の想い出③
小児科の大先輩の先生から…
なるべく子どもさんと遊んであげてください
と助言をいただいたことがありました。
長女が原因不明の高熱と、
肝機能異常で、
天使病院に入院した後で、
小児科部長だった、
南部春生(なんぶはるお)先生に
お礼に伺った時でした。
■ ■
長女の病名は伝染性単核球症でした。
かかりつけの小児科で点滴をしても治らず…
血液検査で異常が見つかったので…
大きな病院に入院して治療…
と言われて…
家内はパニックになって電話をしてきました。
ちょうど長女が一歳頃で、
私が形成外科メモリアル病院に
勤務していた時でした。
■ ■
これには面食らいました。
肝機能の数値も3桁になっていて、
どうしたの…?
とにかく天使病院だったら安心だから…
程度しか私にも言えませんでした。
一歳頃は、
母体からの免疫が薄れてきて…
いろいろな病気で熱を出します。
伝染性単核球症は、
わかってしまえば怖くない病気です。
■ ■
当時の天使病院は、
子どもでも親の付き添いは無しでした。
結局、一週間の入院で無事に治りましたが…
診断がつくまでは心配でした。
考えなくてもよいような、
最悪の病名まで頭に浮かびました。
なるべく子どもさんと遊んであげてください
という南部先生のお言葉は、
当時はよくわかりませんでした。
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54歳という年齢になるとよくわかります。
仔犬と同じで、
子どもは小さいうちが一番可愛いのです。
大きくなったら…
どんなに遊ぼうと言っても…
勝手に自分たちでどこかへ行ってしまい…
親とは遊ばなくなります。
そのうち、家にはいなくなります。
自分たちもかつてそうだったことに…
自分が親になって気付きました。
■ ■
私の父親は、
私が子どもの頃に、
よく手稲の裏山へ連れて行ってくれました。
そこからは…
石狩湾や遠くに増毛(ましけ)の山が、
とてもキレイに見えました。
だから…?
私は今でも山や高いところが好きです。
■ ■
函館にいた時は、
近くの公園や…
海など…
できるだけ子どもと出かけました。
長男はまだ3歳だったので、
覚えていないようです。
私にとっては、
いいお父さんだった…
なつかしい時代です。
1988年8月14日
函館港の船です