医学講座
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)
年齢とともに出てくる、
‘黒い’皮膚病で多いのが、
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)です。
しろうせかくかしょう
と発音する先生もいらっしゃるようです。
業界用語(医師や看護師の間の通称)は…
セボケラと言います。
英語のSeborrheic Keratosisの略です。
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老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とか
老人性イボなどという、
不名誉な名前もついています。
年齢とともに出てきますが…
20台の若い女性にもあります。
私が老人性…?
とショックを受けることもあります。
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顔にできる‘しみ’に見えることも…
身体にできる…
盛り上がった黒い…
表面ががさがさした、
腫瘤(しゅりゅう)に見えることもあります。
大部分のせぼけらは、
治療の必要はありません。
放置して大丈夫です。
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今から30年近く前のことです。
私の父親は、
夕張の炭鉱病院で薬剤師をしていました。
単身赴任で寮生活をしていました。
ある日…
『耳の後ろに黒いできものがある!』
と指摘され、
心配で電話をかけてきたことがありました。
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私:そんなもの…いつからあった?
父:自分じゃ見えないから気付かなかった。
私:床屋さんで言われたことあった?
父:いや、言われなかった。
私:大きくなった…?
父:見えないからわからない。
私:どうして気付いたの…?
父:病院で言われた。
こんなところに黒いものあった…!?
■ ■
『ほくろのがん』が心配になった父は、
夕張からわざわざ2時間もかけて、
夜に札幌まで来ました。
私:これ何ともないよ。
かなり前からあったと思うけど、
気付かなかっただけだよ。
父親の脂漏性角化症は、
30年後の今もそのままです。
皮膚腫瘍やホクロの写真は
新潟がんセンター
故野崎敏彦先生のHP
稲葉クリニックHP
などを参考になさってください。