医学講座
学会出席の意義
形成外科専門医としての資格は、
毎年、学会に出席して、
勉強を続けなければ維持できません。
現在の形成外科専門医制度では、
学会出席や論文執筆により、
点数が得られます。
毎年、一定の点数を得ていないと、
専門医の更新ができません。
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私は、
日本形成外科学会と
日本熱傷学会の専門医です。
両方の専門医とも、
学会出席による点数がなければ、
専門医資格を失います。
どの学会も似たような制度です。
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私が認定医(昔は認定医といっていました)を取ったころは、
点数制度はありませんでした。
のどかな時代でした。
医師免許を取得してからも、
点数をゲットするために、
学会へ出るのは
何となくさびしい気もします。
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医師も年代によって、
学会出席の意義が違ってきます。
若い頃は、
学会を聴いていても…
わからないことだらけです。
あの先生は、
何を言っているのだろう…?
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専門医試験を受ける頃は、
形成外科のことを必死に勉強しています。
おそらく、
一番、広く浅く知識がある頃です。
自分で研究をするようになると、
同じ研究者同士が仲良くなります。
ノーベル賞を取るのとは違って…
秘密にすることもないですし、
共通の苦労や悩みがあります。
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お互いに論文を引用したりして、
研究者としての仲間意識ができます。
私が親しくしていだいている先生は、
昔、研究をしていた頃に
知り合った先生が多いです。
教授として活躍している人も、
いらっしゃいます。
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私くらいの年代になると、
学会に出席する意味は、
ふだん疑問に思っていることを、
直接、他の先生に聞けることです。
今回の学会でも、
信州大学の松尾清先生に、
眼瞼痙攣の患者さんのことを
教えていただきました。
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世代によって学会出席の意義は違いますが、
いくつになっても新しいことに興味を持って、
勉強をつづけることが、
大切だと思います。
点数のためではなく、
形成外科が好きだから、
学会へ出ると楽しいです。