医学講座

形成外科の進歩⑨【ケロイド】

 胸のにきびあとが、
 知らない間に、
 赤く盛り上がってしまう。
 耳のピアス穴がふさがり、
 耳たぶが親指より大きくなってしまう。
 こんな病気が、
 ケロイドです。
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 残念なことですが…
 形成外科が進歩しても、
 いまだにケロイドを防ぐことも…
 治すことも…
 とても難しいです。
 どんなに丁寧に手術をしても、
 キズが目立つ人がいます。
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 形成外科医は、
 ケロイド体質と呼びますが、
 形成外科学会用語集にはありません。
 体質が影響することや、
 遺伝的な要因があることは知られています。
 きょうだいがケロイドだったり、
 両親がケロイドだったりすると、
 ケロイドになる率が高くなります。
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 リザベンというお薬があります。
 ケロイドに効く薬ですが、
 100%完全に治すことは難しいです。
 耳にできたケロイドは、
 切除して放射線治療をすることもあります。
 それでも再発のリスクはあります。
 形成外科医にとっては難しい病気です。
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 第50回日本形成外科学会で、
 抗真菌薬により改善を認めたケロイド・肥厚性瘢痕の経験
 という発表が東邦大学からありました。
 私は注目していたのですが、
 その後、発表はないようです。
 形成外科医としては、
 何とかケロイドを…
 完治できる薬が開発されることを、
 切に願っています。

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