院長の休日
☆まみ子師長さんのお誕生日2011☆
今日はまみ子師長さんのお誕生日です。
おめでとうございます。
きっと朝からたくさんの患者さんで、
お忙しい一日だったと思います。
まみ子師長さんは、
帯広市にある、
高木皮膚科診療所の看護師長さんです。
私が尊敬する看護師さんです。
■ ■
私がJA帯広厚生病院に勤務していた時です。
高木章好先生から、
『本間君、熱傷用語集を貸してくれないか?』
と依頼されたのがご縁だったと記憶しています。
日本熱傷学会用語集は非売品。
AMAZONでも売ってません。
■ ■
高木皮膚科診療所の、
やけどの患者さんを調べて…
統計を取るという作業です。
やけどの統計は、
どんな人が…
どんな原因で…
いつ…
やけどをした…
というところからはじまります。
■ ■
この統計は、
やけど予防に役立ちます。
一日の診療が終わってから…
膨大な量のカルテを…
地道に調べる作業です。
とても根気がいる仕事です。
おそらく時間外手当も無しです。
■ ■
まみ子師長さんのすごいところは…
7年間も調べちゃったところです。
同じ仕事を新人医師にやらせると…
先生、3年間も調べるんすかぁ~?
1年じゃだめすかぁ~ねぇ~?
…なんて言われるところです。
カルテから拾った資料を整理して、
こつこつまとめます。
■ ■
まみ子師長さんの発表は、
日本熱傷学会で行われ、
その後、学会から依頼されて、
熱傷という学会誌に投稿されました。
当診療所における7年間の熱傷患者の統計的検討
上村真実子
高木皮膚科診療所
1988年から1994年の7年間に当診療所を受診した熱傷患者3481例について、統計的観察を行ったので、若干の考察を加え報告する。
【方法】 熱傷チャートを作成し、熱傷で受診した患者の年齢・性別・受傷原因・受傷部位・受傷面積・受傷深度・冷却の有無・自己治療の有無・治療期間・治癒状態などについての調査を行った。
【結果】 女性1973例(56.7%)、男性1508例(43.3%)と若干女性に多く、5歳以下の乳幼児が全体の40.2%を占めた。受傷原因は、加熱液体1372例、加熱固体1545例、火炎355例であった。受傷部位は四肢に多く、受傷面積は、1%以下が2718例と圧倒的に多く、受傷深度ではSDBが2844例と80%以上を占めた。受傷後、冷却した症例は75.1%で、時間は10分以内が35.8%であった。受診前に何らかの自己治療をしていた症例は46.7%で、その内容は、売薬を含む不明薬が多かった。治療期間は、7日から10日ほどで治癒する症例が大部分で、治癒状態では、瘢痕を残さず治癒した症例が72.6%と圧倒的に多かった。
【考察】 乳幼児の熱傷を未然に防ぐには、保護者による監視あるいは熱源の管理が重要であることがうかがわれる。20歳代から50歳代では女性例が男性例の2倍以上認め、女性が家事を担当するため受傷する機会が多いからと推察される。季節的には、今回の我々の調査では、冬期と夏期に2つのピークが見られた。熱傷後は患部の冷却が大切であり、我々は疼痛が消失するまで冷却を続けるよう指導している。自己治療の結果からも、まだまだ民間療法が根強く残っているように感じられた。
これは学会の抄録というダイジェスト版です。
まみ子師長さん、
これからも高木章好先生とご一緒に、
十勝の患者さんのためにご活躍ください。
お誕生日おめでとうございます