医学講座
第3回日本創傷外科学会①
遅くなりましたが…
平成23年7月8日と9日に、
第3回日本創傷外科学会がありました。
会長は、
北海道大学形成外科の山本有平教授です。
傷を治すプロフェッショナル
きれいに傷を治す、
治りにくい傷を治す、
それは形成外科に課せられた使命
かっこいいテーマです。
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山本有平会長のお言葉です。
我が国に形成外科が登場してから半世紀以上を過ぎているにもかかわらず、一般市民の中には、“形成外科って何?”と問われる方が現在でも多くおられます。
形成外科医が日々診療を行っている疾患分野を、国民全体にもっとわかりやすく知ってもらうことが、これからの形成外科にとって極めて重要な命題であり、そして、それが日本国民全体の医療レベルの向上、質の高い治療を受ける権利の向上に繋がっていくことと確信いたします。
日本創傷外科学会は、形成外科医が創傷を治療する専門家であるということを広く周知させ、さらに基礎および臨床医学より創傷治療を大きく発展させるために設立されました。
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この創傷外科学会、
参加する先生はとても真面目な先生が多いです。
学会に参加して感じたことを書いてみます。
参考になったのは、
みやた形成外科・皮ふクリニック、宮田成章先生の
各種レーザーによる瘢痕治療の革新
~どこまで改善できるのか、形成外科医の挑戦~です。
宮田成章先生については、
第12回キャンデラユーザーズミーティング②
第12回キャンデラユーザーズミーティング③
でもご紹介しています。
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今回の講演を宮田成章先生が、
ご自身のアメブロに書かれています。
講演の要旨は、
傷を治すプロの形成外科医でも…
手術では治せない…
目立たないけれど…
【気になる傷】を
レーザーで治してしまうものです。
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私が感心したのが…
目頭切開の傷です。
先生ご自身が手術した目頭切開ではなく、
他院で手術されて…
目頭に傷が残ってしまった患者さん。
手術適応にはならないけれど…
なんとかもう少しきれいにならないか?
…という傷がきれいになっていました。
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目頭切開は古くからある手術ですが、
どんな名人が手術をしても、
ある程度の確率で傷が目立つ人がいます。
理由は…
目頭という目立つ部位にあること、
真皮縫合という…
形成外科医が得意とする縫い方が…
きわめて難しい部位だからです。
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傷を目立たせないために…
先人の先生がさまざまな発見をしました。
私が行っている、
内眼角靭帯(ないがんかくじんたい)という…
硬い組織を短縮する方法は、
セブンベルクリニックの渡部純至(きよたか)先生が、
1997年(平成9)年の日本美容外科学会で発表された方法です。
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真皮縫合の代わりに、
靭帯を固定するので、
傷が目立ちにくい長所があります。
しっかり固定して、
手術用顕微鏡を使って丁寧に縫って…
それでも傷が目立ってしまうことがあります。
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傷を隠すために…
手術直後からこてこてにお化粧する人などが、
目立ちやすい傾向にあります。
年齢とか肌質にもよります。
一度できてしまった傷を治すのは…
目立たない傷ほど難しいのです。
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宮田成章先生は、
最新の
フラクショナルCO2レーザーで、
特殊な技術を使って、
みごとにこの目立たない傷を治していました。
目頭切開の傷で悩んでいらっしゃる女性に、
強い味方です。
信じてもいい先生です。