医学講座
電気メスの取り扱い
深谷赤十字病院形成外科ブログで、
形成外科の金沢雄一郎先生が、
先日のISAPSの発表のことを書かれていました。
ISAPSシンポジウム2013
私と同じことを感じていらしたようです。
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ある先生の発表に驚愕しました。
上眼瞼の手術のムービーが映し出されました。
まず、皮膚切開です。
電気メスをおもむろに皮膚に当てて、
ビビビビビビ・・・・・
と切開していきました。
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電気メスで皮膚切開をすることもありますが、
日本の形成外科医はめったにしません。
せいぜい筋肉とか脂肪を切るだけです。
皮膚はメスでシャープに切ります。
なるべく愛護的(あいごてき)に扱います。
これがきれいに治す秘訣です。
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私はよく研修医に…
電メスのパワーを上げすぎるな!
そんなにこがすな!
皮膚がⅢ度熱傷だ!
…と怒鳴っていました。
こわい指導医でした。
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ISAPSシンポジウム2013は、
日本の技術を再認識した学会でした。
丁寧なものづくりの国ニッポンです。
PRSという米国形成外科学会誌に何編も論文を書いていらっしゃる先生。
手術の動画を見て思ったこと…
雑な手術だ
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私が韓国に招待していただいた時、
韓国の先生から、
precise surgeryと褒めていただきました。
その時は、
ただ正確に手術をしているだけなのにと思いましたが、
日本であたり前のことが…
外国では行われていないようです。
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まぶたの手術は難しいです。
身体の中で一番皮膚が薄いのがまぶたです。
精密な手術が要求されます。
0.5㎜でも違うと…
左右差の原因となります。
電気メスの取り扱いは、
弱いパワーで丁寧に
焦がさないのが基本です。