医療問題
スプリンクラーと有床診療所
福岡の整形外科診療所で、
火災による死者が出ました。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
とても残念な事故です。
私が医師だから院長を弁護するのではありません。
整形外科に限らず、
有床診療所の経営はとても大変です。
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昔は、
○○内科医院というような医院に、
ちょっと入院させてもらえる病床ありました。
今はよほど特殊な診療所でなければ…
入院施設は置きません。
赤字になるからです。
増えたのが…
医療モールというような、
小さなクリニック多数+調剤薬局があるパターンです。
■ ■
大手調剤薬局チェーン店が、
建物を建てて、
そこで開業するお医者さんを募集するところもあります。
このような形態が増えたのは、
国の医療政策のためです。
入院は病院へ、
診療所は入院を置かないようにという政策転換です。
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昨日の院長日記、診療報酬と看護師の待遇に、
大きな病院で看護師さんが多いところは、
一泊2日で31,320円と書きました。
これが入院基本料です。
この他に手術代や検査代、薬代がかかります。
高級ホテル並の料金です。
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ところが、
有床診療所の一番安いところは、
一泊2日で7020円です。
A108有床診療所入院基本料
3.有床診療所入院基本料3
ハ.31日以上の期間351点です。
大病院との差は、
なんと24300円
4.5倍もの価格差があります。
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同じようなベッドに入院しても、
これだけの差です。
福岡の火災を契機に、
有床診療所のスプリンクラー設置が義務づけられると…
おそらく有床診療所は、
無床診療所に変わると思います。
スプリンクラー設置を義務づけるなら、
診療報酬を改定しなければ無理です。
火災で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
私は国の政策が悪いと思っています。