医療問題

スプリンクラーと有床診療所

 福岡の整形外科診療所で、
 火災による死者が出ました。
 亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
 とても残念な事故です。
 私が医師だから院長を弁護するのではありません。
 整形外科に限らず、
 有床診療所の経営はとても大変です。
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 昔は、
 ○○内科医院というような医院に、
 ちょっと入院させてもらえる病床ありました。
 今はよほど特殊な診療所でなければ…
 入院施設は置きません。
 赤字になるからです。
 増えたのが…
 医療モールというような、
 小さなクリニック多数+調剤薬局があるパターンです。
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 大手調剤薬局チェーン店が、
 建物を建てて、
 そこで開業するお医者さんを募集するところもあります。
 このような形態が増えたのは、
 国の医療政策のためです。
 入院は病院へ、
 診療所は入院を置かないようにという政策転換です。
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 昨日の院長日記、診療報酬と看護師の待遇に、
 大きな病院で看護師さんが多いところは、
 一泊2日で31,320円と書きました。
 これが入院基本料です。
 この他に手術代や検査代、薬代がかかります。
 高級ホテル並の料金です。
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 ところが、
 有床診療所の一番安いところは、
 一泊2日で7020円です。
 A108有床診療所入院基本料
 3.有床診療所入院基本料3
 ハ.31日以上の期間351点です。
 大病院との差は、
 なんと24300円
 4.5倍もの価格差があります。
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 同じようなベッドに入院しても、
 これだけの差です。
 福岡の火災を契機に、
 有床診療所のスプリンクラー設置が義務づけられると…
 おそらく有床診療所は、
 無床診療所に変わると思います。
 スプリンクラー設置を義務づけるなら、
 診療報酬を改定しなければ無理です。
 火災で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
 私は国の政策が悪いと思っています

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