医療問題

大病院に長く入院できない理由

 私が医師になった30年以上前と、
 今の診療報酬は大きく違います。
 一番違うのが入院基本料です。
 昔は大きな病院でも、
 長く入院させてくれました。
 今はせいぜい14日です。
 理由は14日を過ぎると入院基本料が下がるからです。
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 看護基準という、
 2007年12月10日の院長日記に書いてあります。
 病棟に勤務する看護師さんの数によって、病院のランク付けがされています。
 患者さん一人当たりに対して、看護師さんの数が多いほど‘良い病院’と判断されます。
 厚生労働省が決めた看護基準です。
 2006年3月6日に出された、厚生労働省告示第93号(基本診療料の施設基準等)で国の基準が変わりました。
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 7対1入院基本料の施設基準というのが、国が決めた新しいルールです。
 ‘良い病院’にはご褒美として、たくさんお金が配分されます。
 診療報酬という病院の生命線ともいえる収入が、看護師の数によって決まります。
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 病院はホテルと同じで、患者さん一人当たり、一日いくらで入院費が支払われます。
 ホテルは☆の数で、ランクや料金が決まるそうですが、病院はいくら豪華に作っても料金は値上げできません。
 同じ病院の建物・設備でも看護師の数を増やすと、一日の入院費を増やしますというのが、厚生労働省が決めた方針です。

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 医療費を抑制したい国の方針です。
 長く入院している患者さんの…
 入院基本料が14日を境に下がります。
 病院の収入が減ります
 確かに…
 社会的入院なんて言葉もありました。
 帰るところがないので…
 病院に入院している人がいました。
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 今、大病院に長期間入院するのは大変です。
 病院からお荷物扱いされることもあります
 手術によっては…
 術後のリハビリに長期間かかることもあります。
 術後14日では、
 まだ退院は無理なこともあります。
 医療費抑制政策のために…
 ほんとうに入院が必要な患者さんが…
 肩身の狭い思いをしないようにしてほしいです。

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