医療問題
東北地方に医学部新設
今朝の朝日新聞によると、
安倍政権は東日本大震災で被災した東北地方を念頭に、1979年の琉球大を最後に認めていない医学部新設に動き始めた。
首相は2013年10月4日、東北地方への医学部新設を村井嘉浩・宮城県知事から要請されると、「東北の医師不足が深刻なのは理解している」と応じ、その日のうちに新設を検討するよう下村氏に指示した。
(以上、朝日新聞の記事より抜粋)
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私は東北の医師不足解消に、
医学部新設は効果がないと考えます。
少なくとも、
今から医学部新設の準備をしたところで、
その効果が出て、
東北の医師不足解消になるまで、
15年以上かかると考えます。
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私たち、
現在60歳前後の医師が、
【一県一医大構想】で、
国が医学部定員を増やしはじめた世代です。
安倍首相は医学部入試に縁がなかったと思うので、
ご自身の受験では記憶にないと思います。
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【一県一医大構想】で新設医学部を卒業した医師が、
ようやく還暦近くになって、
新設医大の学長になっているのが現在です。
構想から30年以上経っています。
いまだに、
自分の大学の卒業生から、
学長を出していない医大もあります。
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医師養成には時間もお金もかかります。
速成栽培は無理です。
じじい医者の感想を言わせていただくと、
国の政策で作った医大で、
成功しているのは自治医大だけです。
防衛医大など、
防衛医官として活躍している先生の率は低いと思います。
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各地に医科大学を作っても、
その土地に医師が残って仕事をする保証はありません。
憲法で保障された、
職業選択の自由です。
東北に残ってくださいと言っても、
地元に卒業生が残らないのが、
今の東北地方の医学部です。
医学部新設より、
もっと効率よく医師を集める方法があります。
それは次の機会に書きます。