二重・眼瞼下垂
高血圧と目立つきずあと
ケロイド治療最前線2014
2014年9月7日の院長日記です。
2014年9月3日と4日、
東京で開催された、
第37回日本美容外科学会で、
日本医大形成外科の小川令先生から教えていただきました。
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私たち形成外科医の大敵はケロイドです。
同じように手術をしても、
ケロイド体質の方は、
きずあとが目立ちます。
術前に予測する方法はありません。
せいぜい腕の予防接種の痕や、
胸にケロイドがないか見る程度です。
ピアス穴がケロイドになることもあります。
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2015年、札幌美容形成外科で一番多い手術は、
眼瞼下垂症手術です。
若い方から91歳の方まで、
あらゆる年齢層で手術をしています。
年齢が高くなって、
切る長さが長くなると、
手術時間も3時間近くかかります。
大変な手術です。
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残念なことですが、
私が同じように丁寧に手術をしても、
きずあとが目立つ方がいらっしゃいます。
抜糸直後ではなく、
手術後1ヵ月程度してから、
傷が赤く硬くなることがあります。
専門的な言葉で、
肥厚性瘢痕ひこうせいはんこんといいます。
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手術後に安静にしていても、
薬をしっかり塗っていても、
傷に赤味と硬さが出る方がいます。
治るまでに、
数ヵ月の時間がかかります。
小川令先生のご講演をお聞きしてから、
高血圧との関係を疑うようになりました。
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札幌美容形成外科では、
手術前に既往歴をお聞きして、
血圧も体重も測定して、
内服薬も確認して、
血液検査もして手術をしています。
薬を内服していても、
手術当日に血圧が180以上ある患者さんもいます。
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血圧が高いと出血します。
他の患者さんより時間をかけて、
丁寧に止血して手術をします。
手術直後のできばえは、
多少腫れが多いこともありますが、
丁寧に止血して手術をすれば、
それほど他の患者さんと差はできません。
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問題は、
手術後の血圧管理です。
もともと高めの血圧だったと推測される患者さん、
やはり傷が目立ちます。
今までは、
術後の血圧まで、
厳密にチェックしていませんでした。
これから、
高血圧の既往がある患者さんを、
気をつけて診ようと思います。
もしかすると、
高血圧の人は傷が目立ちやすいのかも?
…という本間仮説を考えています。