医学講座

B型肝炎訴訟について

 昨日の院長日記、
 術前検査とB型肝炎
 …の続きです。
 札幌美容形成外科の術前検査で、
 B型肝炎がわかり、
 B型肝炎訴訟になった方がいるという報告です。
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 私が医師になったのは36年前です。
 1980年(昭和55年)には、
 注射針は、
 全部が使い捨てになっていました。
 注射器は、
 ごく一部がガラスシリンジと呼ばれる、
 使い捨てではない注射器でした。
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 手術中に使うロック付麻酔用の注射器と
 札幌医大手術部で使っていた、
 麻酔用に使う注射器、
 ごく一部の注射筒が、
 使い捨てではない注射筒でした。
 昔の集団予防接種では、
 確かに同じ注射器や同じ注射針で、
 アルコール綿で消毒しただけで、
 次々と刺していた記憶があります。
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 注射器や注射針の節約というより、
 短時間で大人数に集団接種をするために、
 一人ひとりに注射器を準備すると、
 効率よく注射できないからだったと思います。
 私もそんな時代に集団接種を受けた一人ですが、
 幸いなことにB型肝炎にはなっていません。
 ラッキーでした。
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 今までは、
 肝炎訴訟のことまで、
 患者さんには説明していませんでした。
 B型肝炎の抗原が陽性で、
 肝機能の異常があった人には、
 肝臓専門の先生をご紹介していました。
 検査結果は封筒に入れて、
 患者さんご自身にお渡ししています。
 術前検査が役に立ってよかったと思っています。
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 厚生労働省HPの記載です
 B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)
過去の集団予防接種等により、多くの方がB型肝炎に感染した可能性があります
 国内のB型肝炎( ウイルス性肝炎)の持続感染者は、110~140万人存在すると推計されています。 このうち、昭和23年から昭和63年までの間に受けた集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)の際に、注射器(注射針または注射筒)が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方は最大で40万人以上とされています 。
※予防接種の際の注射器の交換については、昭和33年から注射針を、昭和63年から注射筒を、予防接種を受ける人ごとに取り替えるよう指導を徹底しています。
集団予防接種等によりB型肝炎ウイルスに感染した方に給付金を支給します
 この給付金は、7歳になるまでに、集団予防接種等(昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までの間に限る)の際の注射器の連続使用により、B型肝炎ウイルスに感染した方と、その方から母子感染した方(これらの方々の相続人を含む)に対して、病態に応じ50万~3600万円等をお支払いするものです。
 給付の対象となる方の認定は、裁判所において、救済要件に合致するかどうか、証拠に基づき確認していくこととなります。このため、この給付金を受け取るためには、国を相手とする国家賠償請求訴訟を提起して、国との間で和解等を行っていただく必要があります。
これまでの経緯
 幼少期に受けた集団予防接種等で、注射器が連続使用されたことによってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる方々が、国に対して損害賠償を求めて集団訴訟(B型肝炎訴訟)を起こしました。この訴訟については、裁判所の仲介の下で和解協議を進めた結果、平成23年6月に、国と原告との間で「基本合意書」及び基本合意書の運用について定めた「覚書」を締結し、基本的な合意がなされました。
 さらに、今後提訴する方への対応も含めた全体の解決を図るため、平成24年1月13日から、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法が施行され、裁判上の和解等が成立した方に対し、法に基づく給付金等を支給することになりました。
 なお、20年の除斥期間が経過した死亡・肝がん・肝硬変(重度)、肝硬変(軽度)の方との和解については、平成27年3月に、国と原告との間で「基本合意書(その2)」を締結し、合意がなされました。
 (以上、厚生労働省HPより引用)

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