医学講座
豊胸手術後の感覚
昨日の院長日記、
第7回北海道形成外科フォーラムの、
北海道がんセンター看護師の宮崎絢香さんのご発表、
「当院での乳房再建の看護の取り組みについて」
その中に、
インプラントを使った再建乳房は冷たいという、
患者さんの訴えがあったことを書きました。
説明不足で申し訳ありません。
インプラントとは、
豊胸術用シリコンバッグのことです。
■ ■
乳癌で失った乳房を再建する方法としては、
自分のおなかや背中の組織を使う方法、
自家組織移植じかそしきいしょく法と、
人工物を使う、
シリコンインプラント法があります。
2013年から、
従来は乳がん手術後乳房再建に保険適応ができなかった、
シリコンインプラントが保険適応になりました。
■ ■
申し訳ありませんが、
札幌美容形成外科ではこの手術は実施していません。
昨日の院長日記でお伝えしたように、
優秀な乳腺外科医、
優秀な形成外科医、
優秀な乳がん専門看護師がいる、
北海道がんセンターをおすすめします。
優秀な形成外科医が手術をしても、
さまざまな患者さんからの訴えがあります。
■ ■
シリコンインプラントを使った再建は、
おなかや背中に傷をつけなくても済みます。
シリコンバッグのサイズを選べます。
でも、
自家組織移植は血流がある組織を移植するのに対して、
シリコンバッグには血流がありません。
がん切除で組織が薄くなっていると、
冷たく感じることがある可能性があります。
■ ■
ふつうの豊胸手術は、
健康な女性にシリコンインプラントを入れます。
乳腺下に入れても、
大胸筋下に入れても、
インプラントの上に健常な組織があるため、
よほどのことがなければ、
豊胸した胸が冷たく感じることはありません。
逆に豊胸後に感覚がおかしいのは、
手術中に神経を損傷した疑いがあります。
■ ■
多くの美容外科では、
わきの下(腋窩えきか)からシリコンバッグを入れます。
シリコンバッグを入れる時に、
胸にポケットと呼ぶ空洞を作ります。
この操作をする時に、
なんちゃって美容外科医がすると、
神経を損傷することがあります。
私自身は損傷したことはありませんが、
他院で豊胸手術を受けた後で、
乳房の感覚がないという患者さんから相談を受けることはあります。
■ ■
残念ですが、
手術から半年以上経過しても、
感覚が戻らない乳房は医療ミスです。
もし豊胸で感覚を失った人がいれば、
弁護士さんに相談することをおすすめします。
北海道でしたら、
札幌の高橋智法律事務所です。
■ ■
全国の他の地域でしたら、
私のおすすめは、
医療事故情報センターです。
何度も院長日記で取り上げています。
心電図自動解析に注意
美容外科での死亡事故2014
品川美容外科の「糸によるフェイスリフト術」問題
正中頚嚢胞と異所性甲状腺
医療事故情報センター
〒461-0001
名古屋市東区泉1丁目1-35ハイエスト久屋6階
電話:052-951-1731
FAX:052-951-1732
■ ■
医療事故情報センターのHPに
各地相談窓口が載っています。
TVで宣伝はしていませんが、
ここの弁護士さんは信頼できます。
札幌は、
高橋智先生です。
豊胸手術をして、
感覚がなくなった
うちのかあちゃん、
美容整形で死んだ
鼻を高くしようとして、
美容整形で失明した
いい弁護士さんに相談なさってください。
TVで宣伝しているところはおすすめしません。