医学講座
大手美容外科の先生
最近、他院で診察や手術を受けた後で、
困ってメール相談をいただくことがあります。
私は根が正直で真面目です
困っている人には、
なるべく♡親切♡に返信を書いています。
62歳の役割だと思っています。
あと何年続けられるかわかりませんが、
がんばれるだけ続けます。
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大手美容外科にはたくさんの先生がいます。
初期研修終了後のお兄ちゃんみたいな先生、
お化粧が上手なお姉ちゃん先生もいます。
お化粧は上手でも、
患者さんがショックになったとか、
心配停止になった時に、
おろおろするだけの先生もいます。
こわいことです。
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若くて開業した先生の中には、
業者さんにすすめられるままに、
外国から個人輸入で最新の機器を買って、
患者さんのほっぺにぱしぱし打って、
Ⅱ度熱傷を起こしてしまった先生もいます。
先生を選ばないと、
大変なことになります。
■ ■
大手美容外科には、
自分がチェーン店の美容外科に勤務した後で、
若くして開業した先生もいれば、
医師ではない方が経営しているところもあります。
私は48歳で失業しました。
札幌医大を追い出されました。
下の子はまだ高校生でした。
ほんとうに困りました。
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当時の大手美容外科チェーン店には、
ほぼすべて面接に行きました。
たくさん医師募集広告が出ていたので、
簡単に就職できるだろうと安易に考えていました。
結果は不合格やら条件が合わないなどで、
惨憺さんたんたるものでした。
後になって考えてみると、
不採用の理由は簡単でした。
■ ■
技術的に問題があるとか、
大学をクビになったからとかの理由ではありませんでした。
私のように大学の形成外科講師になってしまった人間は、
チェーン店ではとても使いづらいのです。
経営者の言う通りに、
なんでもハイハイと手術を引き受ける先生でなければ、
チェーン店の美容外科医としては失格なのです。
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医師が経営しているチェーン店は、
全て私よりも若い先生が経営者でした。
自分より年長のうるさそうな形成外科医を採用しても、
うまく仕事をしてくれそうもない。
大切な腕のいい受付さんともうまくできそうにない。
今なら、よく理解できます。
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大学は追い出されるは、
次の就職先は見つからないは、
開業するにも資金はないはで本当に困りました。
その時に助けていただいたのが、
親しくしていた医療機器メーカーの社長さんでした。
JMECの故森下純一社長さんが、
中央クリニックの社長さんを紹介してくださいました。
残念なことに
森下社長は2009年に60歳でお亡くなりになってしまいました。
■ ■
森下社長のおかげで、
ようやく私の就職先が見つかりました。
ご恩は一生忘れません。
採用してくださった中央クリニックの社長さんにも、
心から感謝しています。
中央クリニックの社長さんは、
医療のことには一切示指はされません。
これは今でも同じです。
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2016年10月現在、
日本にはたくさんの美容外科があります。
私の推測では、
およそ数百人の医師が働いています。
大手美容外科チェーン店には、
お兄ちゃん先生
お姉ちゃん先生
腕のいい形成外科専門医の先生もたまにいます。
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残念なことですが、
腕のいい形成外科専門医の先生でも、
若い経営者の先生が決めた通りに、
♡あんしん麻酔♡や、
つけなくてもいいオプションをつける先生もいます。
それは売上のためです。
自分の身内だったら絶対にしない手術でも、
引き受けなければならないチェーン店もあります。
クリニックや先生はくれぐれも慎重に選んでください。
練習台のモニター患者では受けないでください。
私からの忠告です。