医学講座
第39回日本美容外科学会(京都)②
第39回日本美容外科学会会長は、
大阪のカリスクリニック院長出口正巳先生です。
出口先生は、
長崎大学形成外科のご出身で、
大阪の白壁美容外科にいらした先生です。
今年の学会のテーマは、
良い結果を得るための智恵と工夫
患者さんに寄り添って十分な説明をしたうえで
治療法を選択すると同時に、
学会が綱領として掲げる
「社会倫理を重んじる」心構えです。
■ ■
2日間の学会で、
たくさんのことを学んで帰ります。
一日目は8:00~9:00美容レーザー適正認定講座
イチゴ状血管腫(乳児血管腫)治療の最前線
プロプラノロール内服療法VSレーザー
斗南病院形成外科の佐々木 了ささきさとる先生のご発表をお聞きしました。
勉強になりました。
■ ■
イチゴ状血管腫という病気があります。
過去の院長日記でも取り上げています。
苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)
2009年5月18日の院長日記です。
このイチゴ状血管腫の治療が大きく変わりました。
病気の名前も、
いちご状血管腫から
乳児血管腫(Infantile Hemangioma:IH)になりました。
■ ■
第57回日本形成外科学会【長崎】①
2014年4月9日の院長日記でご紹介しています。
プロプラノロールという飲み薬が、
乳児血管腫治療薬として認可されました。
ヘマンジオルシロップという商品名です。
2016年7月4日
商品名ヘマンジオルシロップ小児用0.375%の製造販売が承認されました。
■ ■
1日あたり1mg/kg~3mg/kgを2回に分割し、
経口投与します。
投与は1日1mg/kgから開始し、
2日以上の間隔を空けて1mg/kgずつ増量、
1日3mg/kgで維持するのが、
添付文書に書かれた投与法です。
■ ■
気をつけなければいけないのが、
低血糖と低血圧です。
喘息様の発作にも要注意です。
顔に大きな血管腫がある患者さんは、
頸部にも血管腫できていることがあります。
声門近くの下咽頭に血管腫があるとやばいです。
■ ■
投与後に喘鳴が聞こえたら注意です。
佐々木了先生の結論は、
ヘマンジオルシロップは効きます。
でも効き目が悪いこともあります。
そんな時はレーザーをかけます。
そうすると薬で治らなかった患者さんが
よくなっていました。
赤ちゃんに赤いアザができたら、
このページを読んでください。
第一選択はヘマンジオールシロップの内服です。
効かない症例にはVビームレーザーです。