医学講座

苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)

 昨日は日帰りで東京へ行ってきました。
 年に一度のキャンデラユーザーズミーティングです。
 昨年さくらんぼさんから、
 舌を噛みそうな題名とコメントをいただきました。
 確かにその通りですね。
 キャンデラは米国に本社がある、
 レーザー機器の会社です。
 日本法人は1989年に設立されました。
 数あるレーザー機器の会社の中でも、
 地道に研究開発を重ねている、
 真面目な会社だと思います。
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 私たち形成外科医は、
 アザの治療を専門としていました。
 形成外科はメスを使って切除したり、
 組織を移植したりして、
 アザを治療してきました。
 ところがメスを使う治療には、
 限界があります。
 ちょうど私が医師になった…
 1980年頃からレーザー機器の研究開発が進みました。
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 現在、日本でレーザー治療の権威
 と言われる先生は…
 この頃から…
 地道に治療を続けられた先生です。
 昨日の研究会で、
 あらためてレーザー機器の進歩が、
 素晴らしいものであることを再認識しました。
 また、
 まだまだ発展する可能性があることも…
 よく理解できました。
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 苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)
 という‘病気’があります。
 私たちが医師国家試験を受けた頃は、
 自然に治るので治療の必要がないが○でした。
 すぐに治療が必要であるは×と習いました。
 日本形成外科HPを読んでも…
 残念なことに…
 自然に治癒することが…
 と書かれています。
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 私はもし、自分の身内に…
 この苺状血管腫が見つかったなら…
 すぐにレーザー治療を受けさせます。
 苺状血管腫は…
 赤ちゃんの病気です。
 レーザー機器の進歩で、
 画期的に治るようになりました。
 小児科の先生や、
 保健師さん、
 看護師さん、
 には自然治癒というのを…
 固く信じていらっしゃる方も多いようです。
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 確かに赤みは消えますが…
 シワシワのスポンジ状のような…
 痕が残ることがあります。
 また、
 血管腫が大きくなって、
 変形が残ることもあります。
 赤ちゃんの時に起こる、
 血管の異常増殖が原因なので、
 できはじめのほんの小さなうちに…
 レーザー治療をすると…
 驚くほどきれいに治ります。
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 治療開始が早ければ早いほど…
 治療回数が少なくて済みます。
 この苺状血管腫に…
 一番よく効くのが…
 キャンデラ社の
 Vbeam(ブイビーム)というレーザーです。
 赤ちゃんの肌に、
 ぽつんと赤い斑点があったら、
 ちょっと苺状血管腫のことを…
 思いだして下さい。

“苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)”へのコメント

  1. たけ より:

    少しでも早い治療が功を奏すようですね。
    先日もテレビであざのある方たちの活動をみましたが、レーザー治療が進歩しそのことで悩む人々がいなくなればいいと思います。

    先天的にも後天的にもいろいろな病気があって、あざのように外見に影響を及ぼしたり、痛みがある病気、治らない病気、死に直結する病気・・・すべての病気に医学が進歩し、もう少し専門的な病気に対して治療や診断のできる病院や医師が今以上に増えていってくれることを望んでやみません。

  2. らずべりー より:

    苺状血管腫は毛細血管の増殖によって出来るんですよね。顔や舌などに出来てしまい、ぼこっとなったり変形になってしまう事もあったりするそうです。
    必ず自然治癒するとは言えませんよね。大きさとか場所とか…。手術やレーザー治療も必要な場合もありますね。
    不安があったら受診させるのが一番ですね。レーザーで綺麗になるなら受けた方がいいと思います。

  3. tetsuko65 より:

    こんばんは。
    2000年生まれの私の子どもには、前腕部の苺状血管腫がありました。
    子どもが生まれた病院で、新生児の健診を担当してくださった先生の方針は、
    「自然に治るから、様子を見ましょう。」でした。

    子どもが1歳半になった頃、かかりつけの小児科の先生が、
    「ちかごろレーザーで治す方法もあるんだけど・・・ボクの知り合いに名医がいるよ。相談に行ってみたらどうかな。」
    札幌スキンケアクリニックの松本先生を紹介してくださいました。

    3歳頃まで、数回の治療を受けました。
    今ではほとんど周りの皮膚と見分けがつきません。
    レストレイナーを使って抑制しつつの治療でしたので、毎度の大泣きに、先生やスタッフの方々にもお世話をおかけしたと思いますが、本人はほとんど覚えていないようです。

    この病気にも健保が適用されます。

    かかりつけのS小児科の先生方にはこのことを始め、いろいろ教えていただきました。私のように、何人かの子どもがいて、働いている親には、
    「〇〇年頃まではこういう説はなかったから、お姉ちゃんの時とは説明が違うからね。いつもお世話になってる保育所の先生にも、ちゃんと伝えて、新しい情報、覚えてもらってよ。」
    どんなに忙しいときでも、丁寧に説明してくださいました。患児だけでなく、その子の背景にまで心を配ってくださるS小児科です。

    病院運の良い私ですね。

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